香港の投資管理会社ASM、日本企業への本格的な投資活動開始　企業価値向上を企業と共に考える「エンゲージメント投資」を推進

2017-06-20 11:30

香港に本社を置く国際的な投資管理会社アーガイル・ストリート・マネジメント・リミテッド(英語表記：Argyle Street Management Limited、略称：ASM)では、潜在的価値のある日本企業への投資を行い、その投資先に対して企業価値向上や競争力強化等を対話を通じてサポートする「エンゲージメント投資」をこの度、日本での本格的にスタートしましたので、お知らせいたします。

当社は、Lazard Asia Limitedの最高経営責任者及びGoldman、Sachs＆Co.の執行取締役を務めた経歴を持つKin Chanが率いており、現在約12億米ドルの投資資金を管理しています。

URL： http://www.unlockvaluettk.com

日本企業への取組み開始の背景

近年、当社ではオーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、台湾、タイ、英国で積極的に様々な投資先企業のビジネスをサポートしており、代表Kin Chanはこれらいくつかの会社の社外取締役にも就任するなど、これまでアジア太平洋地域におけるビジネスネットワークの構築や実績を積んでまいりました。

日本については、日本企業の海外事業戦略に関して協力してきた実績はありましたが、現在、「失われた30年」に対して政府がガバナンスの改善や企業の競争力強化を目指す企業改革を推進していることから、当社でもその推進プロセスの一環として、この度、日本経済を活性化するためのサポートができればと、日本での本格的なエンゲージメント投資を開始することにいたしました。

日本の上場企業は、戦略的多様化に必要な、優れた潜在的技術を持っているにもかかわらず、未開拓になっていたり、潤沢な現金残高を有効活用していなかったりと、本来の価値を見い出せずにいることが少なくありません。有効活用されていない現金残高は、結果的に非効率的な資本構成につながってしまいます。当社のサポートを通じて、企業の現金準備金を戦略的投資に充てるなど、日本の上場企業を次の段階に導くお手伝いができればと考えております。

当社は、コーポレート・ガバナンス改革を推進し、当社の経験を共有し、当社の海外の取引先と結びつけることで、企業価値向上や競争力の強化につながればと考えます。

当社の株主としての関与事例

当社は最近、株式会社TTK(所在地：宮城県仙台市、証券コード：1935、以下 TTK)の最大株主になりました。TTKは、仙台に本社を置く中規模の電気通信建設会社です。その収益の大半は、東北地方のNTTの建設事業(移動基地局の建設など)に由来します。TTKはこの地域で事業を展開しており、高い工事品質で知られています。

TTKにはほとんど負債がありませんが、それにもかかわらず、株価は帳簿価額の約0.5倍から約0.6倍にまで下がり、時価総額約110億円は清算価値のおよそ半分です。2017年3月末時点で、TTKは手持ち現金55億円、運転資金66億円を保有していますが、TTKの本来の企業価値は株価に反映されていないのです。これは、TTKの非効率的な資本構造とTTKが直面している飽和市場に原因があると考えます。

東北地方の主要市場は人口高齢化が進んでおり、そのことが必然的にTTKのサービスに対する需要の低下を招いてしまっているのです。そこで、事業を継続可能なものにするために、TTKの海外進出を提案しました。

具体的には、当社は2016年10月よりTTKと中長期的なビジネス成長、取締役会の多様性の強化、コーポレート・ガバナンス改革についての話し合いを開始しました。また、TTKの取締役会および経営幹部の方々に、海外展開に関するサポートや資本構成をより効率的に管理することについての様々なご提案をしてきました。

TTKの取締役会が決定したいくつかの改善案や計画を当社は評価していますが、更なる改善を行う余地がまだあると考えます。当社はTTKへの企業価値向上のためのサポートを今後も継続していきたいと考えております。

TTKとのビジネス展開やサポート内容等の詳細は下記URLからご確認いただけます。

http://www.unlockvaluettk.com (英語・日本語)