日本における水際対策緩和後の国際線の運航実績データを発表 実運航便数と座席数が約1.5倍に増加
日本での最多運行ルートは「韓国線」
英国の航空データ分析大手、Cirium(シリウム)は、日本での水際対策緩和が適用開始となった2022年10月11日以降、国際線需要が改善していることを示すデータを発表しました。緩和後の実運航便数と座席数が、緩和前の約1.5倍に増加したことが明らかになるとともに、日本発着の運航ルートでは韓国線が最多のルートであったことが確認できました。
●水際対策緩和直後、国際線の実運航便数・座席数ともに約1.5倍に増加
Ciriumの運航実績データをもとに、水際対策の緩和前(2022年8月9日~10月10日)と緩和後(2022年10月11日~12月12日)のそれぞれ63日間の実運航便数と座席数の累計を比較した結果、実運航便数は、緩和前が11,731便であったのに対し、緩和後は17,819便となりました。座席数は、緩和前が2,841,025席であったのに対し、緩和後は4,226,970席となり、実運航便数と座席数ともに約1.5倍に増加したことが明らかになりました。
●座席数はいまだ2019年の40%レベルである一方、2021年比では2倍以上に増加
2022年10月11月~12月12日の日本発着の国際線座席数は、コロナ禍以前の2019年同期比では60%減少しているものの、2021年同期比では207%増であることが確認できました。依然としてコロナ禍以前を下回るものの、2021年比では2倍以上となっており、回復傾向が見られます。
●日本発着の最多国際線ルートは「韓国」
水際対策緩和が適用された10月11日~12月12日の日本発着の国際線のルートの実運航便数と座席数を調査したところ、韓国が最も人気のルートであることが分かりました。韓国は2019年に3位にランクインして以来のトップ5入りとなりました。一方、2019年に1位の中国は、コロナ政策などが影響した可能性があり、2021年と2022年ではトップ5から外れています。
●今後の見通し
水際対策の緩和以降、日本における国際線の回復状況が明らかになるなか、今後のさらなる国際線需要回復のカギとなるのが、コロナ禍以前まで日本の主要市場の一つであった「日本-中国」の発着便の動きです。Ciriumでは、中国の国境が完全に再開されるまでは、日本の国際線需要が2019年の水準に戻ることはないと予想しており、今年12月7日にコロナ政策の緩和を発表した中国の今後の動向が注目されます。
●データについて
Ciriumの対象となるデータは、民間航空機の定期便の情報です。チャーターや、臨時便、また航空会社からの連絡漏れによるフライトの情報は含まれておりません。
●Ciriumについて
Ciriumは、詳細なデータと精緻な分析を組み合わせて、世界の最新情勢を読み解きます。航空業界における数十年の経験から培ったインサイトを提供し、特に旅行会社、航空機メーカー、空港、航空会社、金融機関が論理的で十分な情報に基づいた意思決定を行えるよう支援し、収益の増大や顧客体験の向上を促進します。Ciriumは、世界中の専門家やビジネス顧客向けに情報をベースとした分析と意思決定ツールを提供する企業であるRELXの一部です。RELX PLCの株式は、ロンドン、アムステルダム、ニューヨークの各株式市場において、ロンドン:REL、アムステルダム:REN、ニューヨーク:RELXのティッカーシンボルを使用して取引されています。
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