住友林業・マゼックスで共同開発　林業用苗木・重量系資材運搬ドローン「森飛25」2022年9月14日発売

～次世代森林産業展(2022年9月14日～16日)にも出展～

2022-09-13 15:00

株式会社マゼックス(代表取締役社長：松添正征)は、住友林業株式会社(代表取締役社長：光吉敏郎)と共同開発した林業用苗木・重量系資材運搬ドローン「森飛25」を2022年9月14日より全国で発売いたします。

2020年2月に両社の共同開発のもと、国内初(※)の林業用苗木運搬ドローン「森飛(MORITO)」を発売し、林業用ドローンとしては国内最多の約50台の販売(2022年8月末現在)を行い、日本の林業のスマート化を推進してまいりました。
※ 当社調べ

林業でのドローン利用者拡大に伴い、関係者からの苗木だけでなく重量系資材も運搬できるドローンを開発できないかという要望に応え、最大運搬重量が従来機の約2.5倍となる機体を開発いたしました。従来からの優れた機能を継続しつつ動力性能や新たな仕様も追加し、よりパワフルかつスピーディーに荷物を運搬する機体へと進化しました。林業の現場では、強風の影響などで運搬できる日や時間が限定されることも多くありますが、フライトコントローラーをアップグレードしたことでGPSの捕捉数が増え、機体の安定性を保つことで強風による作業遅延のリスクも軽減してくれます。

又、「森飛25」は、機体1台に対して2台の送信機で操縦を行う2オペレーション方式を採用しています。2オペレーション方式では、見通しの悪い場所でも目視内で安全に作業することが可能なだけでなく、荷下し場にいるオペレーターが自由に荷下しポイントを決めることが出来るため、運搬後の作業効率も向上いたします。

なお、「森飛25」は、東京ビッグサイトで行われる次世代森林産業展(FORESTRISE2022)で実際の機体を展示いたします。

「森飛25」の主な特徴

◇低温対応型バッテリーを導入
林業の場合、標高が高く、冬場は特に気温の低い場所での作業が多くバッテリーが不安定な状態になり、飛行時間に影響が出る事が大きな課題でした。そこで、低温対応型バッテリーを導入することにより、安定した電圧出力を維持させ十分な飛行時間を実現いたしました。

◇信頼性が認められた「切り離しフック」と「共振防止装置」の継続利用
「森飛」でも導入した「切り離しフック」と「共振防止装置」を「森飛25」でも利用しています。運搬物を地面と設置させるだけで切り離すことのできる「切り離しフック」を導入することで、機体の下部に潜り込んで、人力で運搬物をドローンから切り離すという危険な作業が不要になるだけでなく、重い荷物を運ぶ際の落下の防止にもつながっています。
又、特許を取得しているワイヤーと運搬物の間に「共振防止装置」を装着することで機体の墜落防止や安定飛行も実現しており、「森飛」の運用・販売実績により、最大重量25Kg以上の飛行許可が国土交通省から発行され「森飛25」の発売を迎えました。

◇RTK(リアルタイムキネマティック)を利用した自動飛行機能のオプション設定
「森飛25」では、地上に設置した基地局からの位置情報データによって、高い精度の測位を実現するRTKを活用した自動飛行機能が、オプションで導入可能となっています。衛星を利用した位置情報データ(GPS)の場合、最大2m程度の誤差が発生する場合がありますが、RTKを導入することで位置情報データの誤差は数センチレベルに抑えられます。山間部では、GPSの捕捉数が少なくなり不安定になる可能性もあり、RTKの導入により、信頼性の高い安全な飛行が実現できます。
また、RTKを利用し自動飛行することで、操縦時の機体動作のロスがなくなりバッテリー効率の向上にも繋がります。

2社の役割

◇住友林業株式会社
ドローンを林業分野で活用した実証試験の企画と実施(実施フィールドの提供、現地関係者調整)
林業事業者へのドローン活用の提案

◇株式会社マゼックス
林業用ドローンの開発及び運搬装置の開発(ドローンの仕様設計、運搬全般)
実証実験への協力
林業用ドローンの販売

新商品販売に至る背景と今後に向けて

◇住友林業株式会社　資源環境事業本部　山林部
国内森林は高齢化と再造林の放棄という問題を抱えています。木を植え、育て、伐って、利用し、また植えるという循環型森林経営をする上で林業現場での安全性の向上と労務負荷軽減は大きな課題です。課題を解決する手段の一つが林業用ドローンで、当社はマゼックス社の協力を得ながら開発と実用化を進めてきました。今後も林業用ドローンの活用を含めたスマート林業を進め、持続可能な循環型森林経営を進めていきます。

◇株式会社マゼックス　代表取締役社長　松添正征
2020年2月に林業用ドローンを発売開始以降、林業分野でのドローンのニーズを非常に強く感じています。単純に作業機器としての林業用ドローンの提供ではなく、林業用ドローンを活用していただく事で、人手不足による植栽放棄地の削減、林業における新たなビジネスチャンスの創出、日本のその結果として林業、そして日本の森林を変えるパートナーを我々は目指していきます。