【調査レポート】「巣ごもり消費」再び!?/ 猛暑になると…20%を超える人が『ネット配信動画の視聴』 『ネットショッピング』が増えると回答
気候変動によるマーケット変化を読む 【猛暑の行動・消費等への影響に関する意識調査】の結果
2023年の日本の年平均気温が、統計開始以来、最も高い値を記録した中、つづく今年2024年の夏も厳しい猛暑が続く予報が、先週発表されています。
企業のマーケティング戦略立案・実行支援などを手掛けるLifeTimeTechLabo合同会社(本社:愛知県名古屋市、代表:宇佐見 洋治)では、この機会に、気候変動による今後の消費マーケットへの影響を見通すため、“猛暑”が生活者の行動・消費・関心にどのような影響を与えるか?その意識を聞くインターネット調査を実施いたしました。
調査結果サマリー
● 猛暑で自分の行動が[変わる(=増える・減る)]との回答は、『外出頻度』で半数近くに迫り(44.5%)、『在宅時間』『運動・スポーツ』『友人・知人とのお出かけ』で1/3を超える。
●[増える]との回答は、『在宅時間』で30%を超え、『ネット配信動画の視聴』『ネットショッピング』も20%を超える。一方、[減る]との回答は、『外出頻度』で35%を超え、『運動・スポーツ』『友人・知人とのお出かけ』が25%超で続く。
● 消費に関して、[変わる(=増える・減る)]との回答は、『水道光熱費』で過半に達し(55.4%)、続く『食費・飲料費』で30%強となっている。
●[増える]との回答は、『水道光熱費」で突出して多く、『食費・飲料費』も20%を超える。一方、[減る]との回答は、『交際費』『交通費』などで多い。
● 関心への影響を聞く設問では、すべての対象項目で[高まる]との回答が[低まる]を上回る。[高まる]との回答では『地球環境』が35%を超え、続いて『家族』『日本経済・社会』『自分自身』などの順に並ぶ。
調査結果詳細(抜粋)
今回の調査では、20歳から69歳までの男女計1,000人を対象として、今年の夏も、昨年2023年同様あるいはそれ以上の暑い夏が続くとした場合に、自分の行動・消費・関心がどのように変化すると思うか?などを聞く質問を行った。
最初の設問では、行動(時間)の変化を対象として、20の項目を例示し、各項目ごとに[大きく増える/増える/変わらない/減る/大きく減る]から一つ選択してもらう形式で質問を行っている。
最初のグラフは、[変わらない]の回答割合が高い項目から順に並べたグラフである。
[変わらない]の回答割合は、『仕事(84.7%)』『家族の会話(83.0%)』『食事(82.4%)』などで高く、『学習・勉強』までの4項目が80%以上となっている。
他方、[変わる]割合(=[大きく増える・増える・減る・大きく減る]の合計割合)*は、グラフ右から順に、『外出頻度(44.5%)』『在宅時間(37.6%)』、『運動・スポーツ(35.1%)』などで高く、『睡眠』までの8項目が30%以上となっていた。
- [変わる]割合の値は、棒グラフの逆数。第2問、第4問の設問でも、その定義は同じ
続いて、次の2つのグラフは、[大きく増える・増える][減る・大きく減る]それぞれの合計回答割合を、高いものから順に並べたグラフである。
[増える]の割合は、『在宅時間(31.0%)』が最も高く、続いて『ネット配信動画の視聴(22.7%)』『ネットショッピング(20.1%)』『テレビ視聴(19.1%)』の順となっている。
一方で、[減る]の割合は、『外出頻度(36.1%)』が最も高く、『運動・スポーツ(27.9%)』『友人・知人とのお出かけ(27.1%)』などが続く結果となっていた。
この行動(時間)の変化に関する設問結果からは…
“猛暑”が、“コロナ禍”と同様に、生活様式を大きく変化させる要因ということが示唆されています。
つまり、在宅時間の増加とともに、ネット消費を中心とした、いわゆる『巣ごもり消費』が再び盛んになる一方で、外出頻度の減少に従って、店舗ビジネス、外食・旅行関連など外出を前提とする需要の減退が予想される内容となっています。
昨年2023年も、同様に猛暑ではありましたが、ようやくコロナ禍が明けた反動による『リオープン需要』が、外出(旅行)関連マーケットの需要を大きく底上げしていたと考えられますので、その需要が一服した今年2024年以後の夏は、再び厳しい環境への後戻りが懸念されます。
(ただし、コロナ過とは異なり、季節性の需要減と予想されることは救いです。)
以上のことからも、これら外出(旅行)関連の産業は、今後も暑い夏が続くようであれば、より『インバウンド消費』などへの依存度を増していくことになるのではないでしょうか?
次の設問では、消費の変化を対象として、10の支出項目を例示し、各項目ごとに前問と同じ選択肢から一つ選んでもらう質問を行っている。
次のグラフも、前問と同じく[変わらない]の回答割合が高い項目から順に並べたものである。
[変わらない]の回答割合は、高い方から順に『教育・学習費(84.0%)』『医療・医薬費(83.5%)』『通信・インターネット関連費(80.6%)』などとなっており、『日用品費』までの半数の項目が80%以上となっている。
逆に、[変わる]割合は、グラフ右から順に、『水道光熱費(55.4%)』『食費・飲料費(30.6%)』『交通費(27.7%)』『交際費(27.4%)』などとなっていた。
続いての2つのグラフも同様に、それぞれ[増える][減る]方向の合計割合を、高い方から順に並べたものになっている。
[増える]の割合は、『水道光熱費(51.4%)』が、次の『食費・飲料費(23.7%)』の2倍以上高く、そこからさらに離れて『通信・インターネット関連費(15.2%)』などが続く結果となっていた。
[減る]の割合は、『交際費(19.6%)』『交通費(15.5%)』『被服・美容費(10.8%)』などが比較的高く、『趣味・娯楽費』以後の項目は、10%未満の値となっている。
この設問結果では…
全般的に、消費への影響は、行動(時間)より少ないと捉えられているものの、一部項目、『水道光熱費』『食費・飲料費』増加への生活者の強い懸念を示すものとなっていました。
『食費・飲料費』『水道光熱費』などは、生活に必須の支出項目かつ、円安・物価高・補助金減額(終了)などの影響による値上げで、既に家計を直撃している分野です。
そのため、今年も“猛暑”が続き、この懸念がホントになると、ダブルパンチとして家計を圧迫することで、その他の消費行動を抑制する大きな要因になりかねないと思われます。
実質賃金のマイナスも続く中、生活防衛意識の高まりも相まって、日本経済の好循環入りを遠のかせる大きな要因の一つとなるのかもしれません。
*** <中略> ***
最後の設問では、関心の変化を対象として、9項目を例示し、各項目ごとに[とても高まる/高まる/変わらない/低まる/とても低まる]から一つ選択してもらう質問を行っている。
グラフは、第1-2問と同じく、[変わらない]の回答割合が高い項目から順に並べたグラフである。
[変わらない]の回答割合は、『宇宙開発・利用(83.1%)』『地元・地域社会(81.4%)』『仕事・学校関係(80.9%)』『友人・知人(80.8%)』などが高く、ここまでが80%を超える結果となっていた。
一方で、[変わる]割合は、グラフ最右の『地球環境(43.0%)』が最も高く、『日本経済・社会(27.2%)』などが続いている。
次の2つのグラフも同様に、それぞれ[高まる][低まる]方向の合計割合を、高いものから順に並べたグラフである。
[高まる]の割合は、『地球環境(35.7%)』が端的に高く、続く『家族(18.5%)』『日本経済・社会(同)』の2倍近くとなっていた。
反対の[低まる]の割合は、『日本経済・社会(8.7%)』『友人・知人(8.5%)』などの順となっているが、いずれの項目も、その割合は10%未満となっていた。
さらに、[高まる]から[低まる]を引いた割合は、全項目でプラスという結果になっている。
最後の設問結果では…
予想どおり『地球環境』以外への関心の変化は、それほど大きなものとなっていませんでしたが、一方で、すべての項目で関心を高める方向に働く点は、ある意味意外な結果となっていました。
“猛暑”など気候変動が、地球環境問題に限らず、自身・家族など身近なテーマの関心まで高めるキッカケになることは、様々な社会課題への関心の拡がりとともに、今後、その課題解決に向けての新たなビジネス創出の契機になっていくのかもしれません。
*** <以下略> ***
本調査レポートの全文は、当社Webサイトをご参照ください。
https://lttl.jp/report/109/
調査概要
『猛暑の行動・消費等への影響に関する意識調査』
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2024年5月23日 - 24日
調査対象者:全国20歳 - 69歳
(アイブリッジ株式会社「Freeasy提携パネル」利用)
有効回答数:1,000サンプル(性年代別に均等割付)
設問数 :4問
会社概要
会社名 : LifeTimeTechLabo合同会社
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事業概要 : インターネット・アプリサービスの企画・運用
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