【第6波到来!】変異株を不活化する消毒液・除菌水の成分は?
2022年1月25日、国内の新規感染者数が過去最多を記録するなど、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が猛威を振るっています。
感染防止への意識が高まるなか、市販の消毒液・除菌水は、変異株を不活化させる効果があるのでしょうか。
多くの医師が推薦する、内海洋氏の著書『【図解】ウイルスと除菌のことがよくわかる!本』から、変異株を不活化する消毒液・除菌水の成分について紹介します。
国からの情報発信はない
ウイルスは、一般的に増殖、流行を繰り返していくなかで変異をしていくものです。
新型コロナウイルスについても同様で、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、ミュー株、新規デルタ株、オミクロン株など、さまざまな変異株が登場しています。
この変異株に効果のある消毒液、除菌水について、厚生労働省・経済産業省・消費者庁は特に情報を出していません。
新型コロナウイルスに効果のある消毒液、除菌水(アルコール消毒液、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、次亜塩素酸水、界面活性剤、亜塩素酸水)が変異株に有効であるかについても情報の発信はありません。
電解無塩型の次亜塩素酸水が不活化
一方で民間の団体や企業が、大学との共同研究によって、除菌水について情報を提供しています。
たとえば、三室型と呼ばれる装置を使った電解型の次亜塩素酸水が、一定条件下においてアルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株を不活化した実験データがあります(帯広畜産大学と株式会社アクトとの共同研究)。
残留塩素濃度45ppmに調整した三室型の電解無塩型の次亜塩素酸水を、ウイルス液と49対1の比率で混合した場合、一定の条件下において強酸性(pH2.5)と微酸性(pH5.9)のいずれのケースでも、アルファ株、ベータ株、ガンマ株に対して20秒間の反応で99・99%以上を不活化しました(pH5.9は水道水基準です)。
また、デルタ株については、次亜塩素酸水とウイルス液を49対1の比率で混合した場合、20秒の反応時間で微酸性(pH6.2)のもので99.964%以上不活化、弱酸性(pH2.9)のもので99.994%以上不活化する結果が出ています。いずれも残留塩素濃度は45ppmです(pH5.9は水道水基準です)。
pHとは、水素イオン濃度の略称で、酸とアルカリの割合を示す数値です。pH7が中性で、それよりも低ければ酸性、高ければアルカリ性です。健康な人の肌が4.5~6.0、水道水のpHは5.8~8.6です。
この微酸性の電解型の次亜塩素酸水は、pHで水道水の範囲に収まっているだけでなく、水質そのものも水道水として認められるための51項目の基準を満たしており(食品製造用水の基準は26項目、ミネラルウォーターの基準は18項目)、水道水基準の安全な除菌水で変異株を不活化できることが明らかになりました。
【書籍情報】
タイトル:【図解】ウイルスと除菌のことがよくわかる!本
ページ数:156ページ 著者:内海洋
価格:1,650円(税込) 発売日:2022年1月13日
ISBN:978-4-86667-330-1
http://www.asa21.com/book/b597040.html
目次
第1章 ウイルスと除菌のことがよくわかる!
第2章 除菌と安全のことがよくわかる!
第3章 除菌水の選び方がよくわかる!
第4章 除菌水の使い方がよくわかる!
【著者プロフィール】
内海 洋(うちうみ・ひろし)
株式会社アクト代表取締役社長。1958年生まれ。北海道小樽市出身。
釧路高専卒業後、北海道ヤンマー等を経て、1997年に有限会社アクト設立、2000年5月より現職。
アクトは、農林水産・食品産業技術振興協会・民間部門農林水産研究開発功績者表彰(2015年)、発明協会・北海道地方発明表彰北海道知事賞(2017年)、経済産業省・第7 回ものづくり日本大賞ものづくり地域貢献賞(2018年)など受賞多数。
また、2018年には経済産業省・地域未来牽引企業にも選定されている。