「ビル再生100の物語」古くて床がたわんでいても、貸せますっ

ビル再生100の物語 第9話

テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。

それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。

「床がたわんでいる」弱点を克服して満室に

古ビル、なんで床がたわむの?

写真ではわかりませんが、内見の時に実際に歩いてみると一発でわかります。
写真ではわかりませんが、内見の時に実際に歩いてみると一発でわかります。

昔の建築基準では、現在の基準よりも床スラブの厚さや配筋の量が少なくてもよかったので、長い間に自重で床スラブの中央部分が沈んでしまう現象です。

とあるビル(築40年)のテナント募集のために現地調査に行ったときも、

「ん?なんかこの床傾いてる?」「酔ってんのかな?」

人の平衡感覚って敏感ですよね。。
明らかに床の中央に向かって沈んでいるのがわかりました。

阪神大震災、東北大震災と大きな地震がつづいたこともあって、建物の耐震基準に対する意識はテナントさんも強くなっています。

築年数が古いので耐震基準は満たしていない可能性が高い、ということまでは了解してくれるテナントさんもいますが、さすがに床がはっきりたわんでいると不安になりますし、そもそも普段の生活に支障があります。

以前にもそういうビルを扱ったことがありましたので、まずは床スラブのたわみの程度をちゃんと調査することにしました。

実際に見てみよう

下の階の天井裏をあけて、レーザー測定器で上の階のスラブの沈み具合を測っているところです。

そのデータを持って、構造設計の専門家に検証を依頼。この時は竣工時の構造図面もちゃんと残っていましたので、以下の2つの観点から検証をお願いしました。

・そもそも当時の建築基準に照らして現在の状態は大丈夫なのか?

・このまま建物を使い続けていても大丈夫か?

結論だけを言うと、

「当時の基準は遵守している。むしろ基準以上の構造耐力を持たせる設計になっている。現状程度のたわみは十分あり得る範囲で特殊事例でも危険な状態でもない」

という回答をもらうことができました。

大丈夫とは言うけれど

ただ、「大丈夫」とだけ言われても、たわんだままの状態ではやはり貸せません。

床スラブのたわみ自体を直すことは難しいので、薄い二重床を敷いて高さ調整をすることにしました。ついでに、昔のままの内装もデザインを見直してリノベーションすることに。

ケガの巧妙で、小規模オフィスながらフリーアクセスフロア付、内装デザインも一新してすっきりしたデザインのスモールオフィスとして募集を開始。

造設計事務所にも見解書を書いてもらい、床スラブのたわみのことも隠さず、むしろ積極的に説明したことも功を奏して、無事にテナントさんに借りてもらうことができました。


AIが記事を作成しています