リチウム：市場シェア分析、産業動向と統計、成長予測（2025～2030年）
株式会社グローバルインフォメーション（所在地：神奈川県川崎市、代表者：樋口 荘祐、証券コード：東証スタンダード 4171）は、市場調査レポート「リチウム：市場シェア分析、産業動向と統計、成長予測（2025～2030年）」（Mordor Intelligence）の販売を5月15日より開始しました。
リチウム市場規模は2025年に85万トンと予測され、2030年には207万lceトンに達すると予測され、予測期間（2025～2030年）のCAGRは19.57%です。
2020年の市場はCOVID-19の影響を受け、上半期はロックダウンの影響を受け、2月以降の月間自動車販売台数がかつてない落ち込みを見せた。現在、市場はパンデミック前の水準に達しています。
主なハイライト
短期的には、電気自動車需要の加速とポータブル民生用電子機器の使用と需要の増加が市場を牽引する主要要因です。
しかし、リチウム市場の需給ギャップに対する懸念の高まりが市場成長の妨げになる可能性があります。
スマートグリッド電気の採用が拡大していることは、予測期間中、世界のリチウム市場にとって大きな機会となりそうです。
アジア太平洋は、中国、韓国、日本のような国からの消費が最も多く、世界の市場を独占しています。
リチウム市場の動向
市場を独占する電池用途セグメント
リチウムは主にリチウム電池の製造に使用されます。世界のリチウム市場では、電池用途セグメントが最大のシェアを占めています。
リチウム電池は、使い捨てと充電式の2つのセグメントに分類できます。使い捨てリチウム電池は、負極として金属形態のリチウムを使用します。これらの電池は、他の標準的な電池に比べて寿命が長く、充電密度が高いです。これらの電池は、ペースメーカーや長期使用を目的とした他の電子医療機器などの重要な機器に使用されます。
充電式リチウム電池には、リチウムイオン電池とリチウムイオンポリマー電池の2種類があります。リチウムイオン電池は硬いケースに収められているのに対し、Li-po電池は柔軟なポリマーケースに収められています。また、Li-po電池はLi-ion電池に比べて比エネルギーが若干高いです。Li-po電池は、Li-ion電池で使用される標準的な液体電解質の代わりに、電解質としてポリマーを使用します。
リチウムイオン電池の場合、金属リチウムが正極を形成し、電解液との接触によるリチウムの化学反応がこの電池の特徴です。しかし、単体のリチウムは電池の装置内で使用すると非常に不安定です。そこで、酸化リチウムと呼ばれるリチウムと酸素を一緒にしたものが正極として実用化されています。これにより、酸化リチウムは元素リチウムとは対照的にはるかに安定した化合物となります。
リチウムイオン電池は、通信機器や民生用電子機器製品など、さまざまな用途に採用されています。リチウムイオン電池は軽量で、エネルギー密度が高く充電が可能なため、携帯電子機器に適しています。エネルギー密度が高く、「メモリー効果」がないため、リチウムイオンとリチウムポリマー充電式電池は、携帯電話、ノートパソコン、その他の携帯電子機器の最も効率的な電源です。
これらの電池は、電気自動車（EV）、携帯電話、ノートパソコン、電源バックアップ/UPS、タブレット、電動工具、ビデオゲーム、玩具、電子自転車などの製品で大きな需要があります。これらとは別に、リチウム系電池はエネルギー貯蔵システムにも用途のひとつを見出しており、風力発電などさまざまな再生可能エネルギーセグメントの成長を考慮すると、リチウムイオン電池を使ったエネルギー貯蔵システムの需要はかなりのペースで伸びています。
リチウムイオン電池は、他のタイプの電池と比較して、主にその有利な容量対重量比のために人気を集めています。リチウムイオン電池が採用されるその他の要因としては、性能の向上（長寿命、低メンテナンス）、価格の低下が挙げられます。
世界の主要リチウムイオン電池メーカーには、LG Chem、Contemporary Amperex Technology Co.Limited（CATL）、Panasonic、SamsungSDI、BYDなどがあります。
以上のような要因により、電池用途セグメントでのリチウム需要が増加すると予想されます。
市場を独占するアジア太平洋
アジア太平洋は、中国、韓国、日本などの国々からのリチウム消費の増加により、リチウム消費の主要市場であることが判明しました。
同国の自動車産業は、消費者のバッテリー駆動車への傾倒が高まるにつれて、動向の転換を目の当たりにしています。スクーター、乗用車、バスのような小型商用車を含む電気自動車が国内で人気を集めています。中国乗用車協会（CPCA）によると、2021年の中国での販売台数は330万台を超え、2020年比で約169％の増加を示しています。
中国政府は、今後5年間で電気自動車の普及率が20%になると予測しています。そのため、自動車用電池の生産と消費が増加すると予想されます。中国の電池メーカーCATLは、世界の電気自動車用電池市場の30％以上を占めています。コバルト専門サプライヤーのDarton Commoditiesは、リチウムイオン電池の安定性向上に役立つ鉱物である電池用コバルトの世界の85％を中国の製油所が供給していると推定しています。
リチウム電池のための国家計画（National Blueprint for Lithium Batteries）によると、中国は2025年までに1,811GWhのリチウム電池生産を行うと予測されています。中国は世界最大のEV市場であり、鉱物や原料の加工を含むリチウムイオン電池製造のサプライチェーンを支配しています。
韓国の最大産業は、エレクトロニクス、自動車、通信、造船、化学、鉄鋼です。韓国は、Samsung Electronicsやハイニックス半導体といった世界的に人気のあるブランドを擁する、電子製品と半導体の最大手メーカーのひとつです。
韓国自動車技術研究院（KAII）が収集したデータによると、2021年1～9月の同国における電気自動車の販売台数は96%増の7万1,006台に急増しました。
日本での電気自動車販売は、代替燃料技術に対する消費者の需要の高まりとともに、将来的に増加する可能性が高いです。しかし、日本における2021年のICEベースの自動車販売台数は3%以上減少して444万8,340台となりました。日本自動車販売協会連合会によると、660CC以上の新車販売台数は2.9%減の279万5,818台でした。軽自動車協会によると、同年の軽自動車の販売台数は3.8％減の165万2,522台でした。
これらすべての要因が、予測期間中のリチウム市場の成長を促進すると予想されます。
リチウム産業概要
世界のリチウム市場は、上位5社が世界生産高の80％以上のシェアを占めるという、統合された性質を持っています。市場の主要企業には、Albemarle Corporation、SQM SA、Tianqi Lithium、Livent、Allkem Limitedなどがあります（順不同）。
その他の特典：
・エクセル形式の市場予測（ME）シート
・3ヶ月間のアナリストサポート
目次
第1章 イントロダクション
第2章 調査手法
第3章 エグゼクティブサマリー
第4章 市場力学
第5章 市場セグメンテーション
第6章 競合情勢
第7章 市場機会と今後の動向
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