東北電力とトッパンフォームズ、 印刷配線とRFIDの技術を活用した液漏れ検知システムを開発
6月から新仙台火力発電所で実証実験を実施
東北電力株式会社(本店:宮城県仙台市、取締役社長 社長執行役員 樋口康二郎、以下「東北電力」)とトッパン・フォームズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 添田秀樹、以下「トッパンフォームズ」)は、印刷配線※1とRFID※2技術を組み合わせ、油や水、水性薬品などの液漏れ検知システム(以下「本システム」)を開発し、2022年6月から東北電力の新仙台火力発電所にて、本システムを活用した実証実験を実施します。
本システムを発電所の配管など液漏れ点検が必要な部分に導入することで、従来は目視で確認していた場所に加えて、目視では確認しにくい場所についても、液漏れのいち早い発見の実現を目指します。
※1 特殊インキを用いて電気回路を印刷する技術です。
※2 RFID(Radio Frequency Identification)は、電磁界や電波などの無線通信を用いて、ICタグなどの情報を非接触で読み書きする自動認識技術です。
背景
東北電力が配管設備の監視業務の高度化に取り組む中で、トッパンフォームズのRFID技術に着目し、2019年度より両社での開発を開始しました。作業員が目視で行っている配管監視業務にRFID技術を活用することで、液漏れの早期発見や作業品質の均一化、それに伴う被害の最小化を図ります。
特長
1.液漏れの早期発見が可能
従来の目視確認では配管を覆う外装板から液体が染み出た状況でなければ発見が困難でしたが、本システムは外装板の内部に検知システムを設置できるため、液漏れ量が少ないうちに早期発見が可能になります。
また、遠距離から読み取りが可能なRFIDの特長を生かし、従来では作業員の目が届きにくかった箇所の点検も可能になります。
2.電源やメンテナンスが不要
設置したICタグはリーダーからの電波で起動するため、電源の確保や電池交換のためのメンテナンスが不要であり、電源の確保が必要な従来システムでは設置が難しかった箇所でも利用可能です。
3.印刷配線の技術を用いることで、大幅な価格低減が可能
金属配線による検知回路作成に比べ、原材料を削減し安価かつ大量に製作できます。
今後の展開
東北電力とトッパンフォームズは、実証実験を通じて得た知見や課題などを踏まえ、今後、本システムの機能拡張に向けた取り組みを進めていきます。
また、他の発電所だけでなく、石油化学や製薬など多くの配管を有する他業種への販売を目指していきます。
※記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
参考情報
液漏れ検知の仕組みについて
本システムはRFID技術と、電気回路が特殊インクで印刷された検知部を組み合わせたシステムです。検知部の電気回路は油や水、水性薬品などが付着すると通電状況が変化する特性を有しています。その変化を検知部に接続されたICタグによって感知することで、RFIDリーダーを用いてICタグのID情報と共に検知部の通電状況を取得し、液漏れの有無を確認します。
以上