新1万円札の顔となる渋沢栄一とは一体、何者なのか? 「財なき財閥」と呼ばれた渋沢家三代の実像を 佐野眞一が描く異色の評伝、ついに電子書籍化!
文藝春秋電子書籍編集部は、佐野眞一の著書『渋沢家三代』を電子書籍として配信いたします。2019年5月31日(金)より、各電子書店にて順次配信開始です。
日本銀行、第一国立銀行(みずほ銀行)、日本郵船、東京電燈(東京電力)、東京瓦斯(東京ガス)、大日本麦酒(サッポロビール、アサヒビール)、商法講習所(一橋大学)、東京ホテル(帝国ホテル)など日本を代表する約650の企業や団体をつくった「日本資本主義の育ての親」、渋沢栄一。それにも関わらず、三井、三菱、住友のような財閥となることを拒み、静かに没落していった……。栄一・篤二・敬三と続いた渋沢一族三代の、約120年にわたる歴史を描いた異色の評伝。
わが国に資本主義を産み落とし根づかせた栄一、それを継承し育んだ嫡孫・敬三。その狭間にあって、廃嫡の憂き目にあった篤二。勤勉と遊蕩の血が織りなす渋沢家の人間模様をたどることは、拝金思想に冒されるはるか以前の「忘れられた日本人」の生き生きとした息吹を伝えることにも重なる。この一族は、なにゆえに「財なき財閥」と呼ばれたのか? なぜ実業家を輩出しなかったのか? いま新たな資料を得て、人物ノンフィクションの第一人者、佐野眞一が渋沢家三代の謎を解き明かす。
「私はこの本で“偉人伝”を書いたつもりはない。それより意図したのは、栄一という人物の偉大さに押しつぶされた渋沢家の人々の悲劇を、明治、大正、昭和の時代相に重ねて描くことだった。これはまったく類書がない着眼点だといまも自負している」(本書より)
民族学者・宮本常一とパトロンである渋沢敬三との強い絆を描いた大宅賞受賞作『旅する巨人』の姉妹作とも位置づけられる本作の電子化にあたり、新稿「渋沢家の真相」を収録した。
書誌情報■
書名:渋沢家三代
詳細URL:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/1666001500000000000J
価格:880円・税込(※電子書店によって異なる場合があります)
配信開始日:5月31日(金)
主要販売電子書店:Kindleストア、Apple Books、楽天Kobo、Reader Store、紀伊國屋書店Kinoppy、BookLive!、honto、BOOK☆WALKER他、電子書籍を販売している主要書店
著者プロフィール■
佐野眞一(さの・しんいち)
1947年、東京に生まれる。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家として活動を始める。97年『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』で大宅壮一ノンフィクション賞、2009年『甘粕正彦 乱心の曠野』で講談社ノンフィクション賞を受賞。主著に『巨怪伝 正力松太郎と影武者たちの一世紀』『カリスマ 中内功とダイエーの「戦後」』『東電OL殺人事件』『阿片王 満州の夜と霧』『津波と原発』『あんぽん 孫正義伝』『唐牛伝 敗者の戦後漂流』などがある