ウイルスなどの吸着性が高い新タイプの活性炭を開発　～新型コロナウイルスへの効果も確認～

2022-05-09 09:30

満栄工業株式会社(所在地：岡山県加賀郡、代表：前田貴広、以下「満栄工業」)は、学校法人加計学園　岡山理科大学(岡山県岡山市、以下「岡山理科大学」)との共同研究により、ウイルスなどの吸着性が高い新タイプの活性炭を開発しました。

岡山理科大学獣医学部・微生物学森川茂教授と共同で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の吸着効果も確認しており、防護マスクや空気清浄機、動物用医薬品、動物飼料用添加剤などへの利用が見込まれます。

新タイプの活性炭

今回開発した新タイプの活性炭は、特殊な合成樹脂を炭化させた後、炉に入れて1,000度近い高温の水蒸気で賦活化したものです。直径0.2mmの小さな球状ながら、全体に微細な穴があるため1g当たりの表面積は1,000～2,500m2程度と大きいです。
樹脂に添加する成分によって吸着しやすい物質を変えられるほか、ヤシ殻などの炭を原料とする既存の活性炭に比べて穴のサイズや形状を均一に成形できるため、用途に応じた高い吸着性を発揮することができます。
岡山理科大学との共同研究では、新型コロナウイルスを含む液体に新タイプの活性炭を入れたところ、約1時間で99.998％以上のウイルスを吸着し、感染力を失わせる不活化の効果を確認しました。

ヨウ素や銀イオンなど化学物質をコーティングして抗ウイルス効果を持たせた活性炭はこれまでにもありましたが、コーティング加工なしで吸着、不活化できるものは世界初(満栄工業調べ)です。
なお、本件は特許出願中です。
満栄工業では新タイプの活性炭の製造設備などを導入し、来春から本格生産を始める計画です。