日本FP協会調べ 若者がついていきたい上司のタイプは 「コーチタイプ」に「仕事人タイプ」、 「叱り上手より褒め上手」 きっちり仕事をこなす“仕事人” 男性の理想像は「イチローさん」、 女性の理想像は「天海祐希さん」
~働く若者のくらしとお金に関する調査2017~
特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(略称:日本FP協会、理事長:白根壽晴)は、2017年9月1日~9月10日の10日間、全国の20歳~34歳の就業者を対象に「働く若者のくらしとお金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,200名の有効サンプルの集計結果を公開しました。
(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
【働く若者のくらしと仕事】
◆働く若者の3割半が「非正規雇用」、8割弱は「独身」
◆「今のくらしに満足」は5割半も、「将来のくらしが不安」は7割 仕事は「収入額が不満」が6割半
はじめに、働く若者のくらしと仕事の実態について、確認を行いました。
全国の20歳~34歳の就業者1,200名(全回答者)に、現在の就業形態を聞いたところ、「正規社員・職員」は58.8%、「契約・派遣」は8.8%、「バイト・パート」は25.6%となりました。働く若者の3割半(34.4%)は、契約・派遣やアルバイトなどの、いわゆる非正規雇用で働いているようです。そのほか、「役員(経営者・理事・監事など)」0.7%や「事業主(自営業・個人事業主など)」3.1%といった、“雇われない働き方”は1割以下となっています。
次に、配偶者と子どもの有無、子どもの成長段階から分類した“ライフステージ”を確認すると、全回答者(1,200名)のうち、「独身期」(=配偶者・子ども共にいない層)は77.8%、「夫婦期」(=配偶者はいるが、子どもがいない層)は7.4%、「子育て期」(=18歳未満の子どもがいる層)は14.8%、「子どもの自立期」(=18歳以上の子どもがいる層)は0.1%となりました。
働く若者のくらしと仕事の実態をみてきましたが、くらしや仕事について、どのような気持ちを抱いているのでしょうか。働く若者のホンネを探りました。
全回答者(1,200名)に、「今のくらし」に満足しているか、不満があるか聞いたところ、満足層(「満足している」+「どちらかと言えば満足している」の合計、以下同様)が54.9%、不満層(「不満がある」+「どちらかと言えば不満がある」の合計、以下同様)が45.1%となりました。
次に、「将来のくらし」に安心しているか、不安があるか聞いたところ、安心層(「安心している」+「どちらかと言えば安心している」の合計、以下同様)が30.3%、不安層(「不安がある」+「どちらかと言えば不安がある」の合計、以下同様)が69.7%となりました。
また、全回答者(1,200名)に、仕事に関して、「収入額」や「ワーク・ライフ・バランス」に満足しているか、「収入・雇用の安定」に安心しているか聞いたところ、「収入額」では不満層が65.1%、「ワーク・ライフ・バランス」では不満層が52.4%、「収入・雇用の安定」では不安層が57.4%となりました。
◆“今は苦しくても努力をすれば将来安定”が信じられない時代を生きる若者世代 「年々昇給する見込み・実感がない」「成果を出しても昇給しない」ともに6割半、「今の職業はこの先なくなるかも」5割半、「失敗したら再チャレンジは難しい」5割半
◆若者世代の望む働き方改革は「ワーク・ライフ・バランスの実現」と「成果に見合った給料」「定期的な昇給」
続いて、全回答者(1,200名)に、働くことについての意識を聞いたところ、「今は苦しくても頑張れば、将来のくらしは安定する」では「そう思う(計)」(「非常にそう思う」+「ややそう思う」の合計)が49.0%、「そう思わない(計)」(「全くそう思わない」+「あまりそう思わない」の合計、以下同様)が51.0%となりました。働く若者の半数が、“今は苦しくても頑張れば将来が安定する”という意識が持てないでいるようです。また、「収入が年々上昇する見込み・実感がある」では、「そう思わない(計)」が64.2%、「成果を出せば、収入に反映される見込み・実感がある」では、「そう思わない(計)」が63.9%となりました。年次昇給に期待できないうえに、成果も収入に反映されないと感じている人が多いことがわかります。さらに、「この先も必要とされる(なくならない)職業に就いている実感がある」では「そう思わない(計)」が54.8%、「仮に就職・転職や起業で失敗しても、再チャレンジができる」では「そう思わない(計)」が56.5%となっています。変化が早い時代を生きる働く若者世代は、この先仕事がなくなるかもしれないし、失業したら再チャレンジすることが難しいと考える人が多数派のようです。
仕事や働くことについて、働く若者は様々な不満や不安を抱いていることがわかりましたが、労働環境にどのような変化を望んでいるのでしょうか。
全回答者のうちの被雇用者(1,118名)に、“働き方改革”として、雇い主や日本の労働市場に望む変化・改革はなにか聞いたところ、「有給休暇を(もっと)取得しやすく」が42.8%で最も高く、次いで、「過度な残業の禁止(長時間労働の是正)」が39.0%、「多様な働き方を選択可能に(短時間勤務や週休3日勤務、在宅勤務など)」が36.7%、「長期休暇を取得可能に(バカンスやリフレッシュ休暇など)」が30.7%で続きました。ワーク・ライフ・バランスの実現に関する変化や改革を望む意見が上位となっています。以下は、「成果や役割に見合う給料を支給」26.3%や「定期的な昇給の保証(年次昇給)」25.0%と、給料に関する意見が続きます。成果に見合う給料のほか、年次昇給を望む声が多いようです。
◆平均でみる働く若者の生活 残業時間は月18時間、平日の家事は1日1時間
◆既婚男性や子持ち男性の5人に1人は「月40時間超残業」、家事労働の負担は妻に
◆終業後の楽しみ方 「飲み会」よりも「趣味の用事」が高頻度 平日・帰宅前の「おひとりさま外食」は年平均13回、「デート」や「合コン」、「飲み会」の頻度は?
次に、“生活時間”の側面から、働く若者の実態を探りました。
全回答者のうちの被雇用者(1,118名)に、ひと月あたりの時間外労働時間(残業や休日出勤)は何時間ぐらいになることが多いか聞いたところ、時間外労働をすることがない「0時間」は18.8%となり、「1時間~10時間以下」が38.6%で最多回答となりました。以降、累計で「10時間超」は42.7%、「20時間超」は30.8%、「40時間超」は14.6%となっています。また、全体の平均時間は17.9時間となりました。
時間外労働が「40時間超」の割合に注目し、男女・ライフステージ別にみると、夫婦期の男性は21.9%、子育て期の男性は21.0%となり、独身期の男性(15.2%)や各ライフステージの女性に比べて高くなりました。
続いて、全回答者(1,200名)に、仕事がある日の家事時間は1日あたりどのくらいになることが多いか聞いたところ、「1分~30分以下」26.8%や「30分超~1時間以下」29.6%、「1時間超~2時間以下」17.6%に回答が集まり、仕事がある日の家事時間は平均60分(1時間)となりました。
男女・ライフステージ別にみると、夫婦期の女性は平均時間が98分(1時間38分)、子育て期の女性は119分(1時間59分)となり、同ライフステージの男性(夫婦期の男性41分、子育て期の男性69分)よりも、50分~1時間程度、多くなりました。長時間労働を行う夫の分まで家事をしている妻が多いためか、夫婦期や子育て期の女性は家事労働時間が多くなる傾向がみられました。
それでは、働く若者は平日の自由時間をどのようにして楽しんでいるのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、最近1年間で、仕事がある日にまっすぐ帰宅をせず、寄り道をすることはどの程度あったか、寄り道の内容別に聞いたところ、「飲み会(誰かと一緒にお酒を飲みに行く)」では、「月に1回以上(計)」(「週に1回以上」+「月に2~3回程度」+「月に1回程度」の合計)が36.8%、「2~3か月に1回程度」が15.3%、「半年に1回程度」が10.5%、「1年に1回程度」が6.3%、「最近1年では全くない」が31.2%となり、平均頻度は年10.6回となりました。
そのほかの寄り道について、平均頻度をみると、「ひとりで外食や飲みに行く」、いわゆる“おひとりさま”は年12.7回、「デート(気になる相手や恋人/配偶者と家以外の場所で会う)」は年10.0回、「合コンや婚活パーティー」は年2.9回、「趣味の用事(集まりや買い物)に行く」は年17.1回となりました。飲み会と同程度の頻度で、おひとりさまやデートを、飲み会よりも高頻度で趣味の用事を終業後の自由時間で楽しんでいる様子がうかがえました。
◆仕事とプライベートはきっちり区別?上司や先輩と「休日も交流」「SNSでも交流」は1割未満
◆若者がついていきたい上司のタイプは「コーチタイプ」に「仕事人タイプ」、「叱り上手より褒め上手」
働く若者は、職場の目上の人と、どのような関係を築いているのでしょうか。
全回答者(1,200名)に対し、上司や先輩との関係について聞いたところ、「業務の相談や質問が気兼ねなくできる」は37.3%、「雑談や世間話が気兼ねなくできる」は33.9%となりました。働く若者のおよそ3人に1人は、上司や先輩と気兼ねなく業務の相談や雑談ができる関係を築いているようです。以下、「ちょっとした差し入れやプレゼントのやり取りがある(お菓子や缶コーヒーなど)」は27.8%、「プライベート(家庭や恋愛)の相談が気兼ねなくできる」は20.8%、「終業後や休憩時間の交流がある(ランチや飲み会など)」は16.9%となりました。そのほか、「休日でも個人的な交流がある(休日に一緒に出かけるなど)」(8.8%)や「SNS上でも交流がある」(5.2%)などは1割未満となっています。
では、働く若者はどのような上司についていきたいと思うのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、“こんな人ならついていきたい”と思える上司の特徴を聞いたところ、「仕事の教え方や助言がうまい」が48.9%で最も高く、次いで「仕事に誠実で能力が高い」が42.6%、「部下の意見や提案をしっかり聞いてくれる」が36.5%、「部下のフォローや気配りがうまい」が35.3%で続きました。教え上手な“コーチタイプ”の上司や、仕事の能力が高い“仕事人タイプ”の上司を支持する傾向があるようです。そのほかの項目をみると、「部下の叱り方がうまい」20.8%よりも「部下の褒め方がうまい」31.8%の割合が高いことがわかります。叱り上手よりも褒め上手の上司についていきたいと思う人が多いようです。
◆きっちり仕事をこなす“仕事人” 男性の理想像は「イチローさん」、女性の理想像は「天海祐希さん」
◆家庭を大事にする“家庭人”と言えば? 男性の理想像は「ヒロミさん」、女性の理想像は「つるの剛士さん」
くらしや仕事に関連して、有名人を題材とした質問を行い、働く若者の理想像を探りました。
全回答者(1,200名)に、「仕事人(仕事に誠実できっちり仕事をこなす人)」だと思う有名人を聞いたところ、1位は「明石家さんまさん」(54名)、2位は「天海祐希さん」(45名)、3位は「イチローさん」(37名)となりました。お笑いや演技、野球と、ジャンルは様々ですが、いずれも長く第一線で活躍されている方々が上位にランクインしました。
男女別にみると、男性回答の1位は「イチローさん」(35名)で、女性回答の1位は「天海祐希さん」(37名)となりました。
続いて、「家庭人(家庭を大事にしている人)」だと思う有名人を聞いたところ、1位は「つるの剛士さん」(63名)、2位は「ヒロミさん」(39名)、3位は「北斗晶さん」(32名)となりました。
男女別にみると、男性回答の1位は「ヒロミさん」(20名)となりました。ヒロミさんといえば、プロも認めるリフォーム技術を持っていることで知られています。日曜大工で家庭に貢献するような父親を、家庭人の像として抱いている男性が多いのではないでしょうか。
対して、女性回答の1位は「つるの剛士さん」(46名)となりました。つるの剛士さんは、過去2回の育児休業を取得した愛妻家として知られています。女性は家庭人と聞いたら“イクメン”をイメージする傾向にあるようです。
【働く若者のライフプラン】
◆若者がイメージする“幸せな生活” 「好きな仕事で安定収入」、「仕事の成功よりもプライベートの交流充実」
◆働く若者の3人に1人は「結婚はしたいが、難しいかも」と実感
◆将来叶えたい夢や目標 「出産・子育て」56%、「マイホーム購入」63%、「ゆとりの老後」93%、「親孝行」88%
結婚や出産、マイホームの購入といった、人生の節目となる出来事をライフイベントと言いますが、ライフイベントにはまとまったお金が必要な場面もたくさん出てきます。漠然とした将来の不安を払拭し、計画的に幸せな生活を目指していくためには、将来の夢や希望、理想のくらしをイメージして、自分なりのライフプラン(生涯生活設計)を描いてみることが有効です。そこで、まずは、働く若者がイメージする幸せな生活像を探るべく、質問を行いました。
全回答者(1,200名)に、幸せな生活を想像したとき、思い浮かぶイメージは「【P】安定収入」と「【Q】高収入」のどちらにあてはまるか聞いたところ、「【P】に近い」が72.8%で多数派となりました。また、「【P】好きな仕事で働く」と「【Q】待遇の良い職場で働く」では、「【P】に近い」が64.4%で多数派となりました。高収入を得なくとも安定した収入が得られれば幸せだと考え、待遇の良さよりも仕事内容を優先したい人が多いようです。
続いて、「【P】仕事が充実する」と「【Q】自由な時間・余暇が充実する」について聞いたところ、「【Q】に近い」が67.3%で多数派となりました。また、「【P】親しい人との交流が充実する」と「【Q】社会的に評価される」では、「【P】に近い」が70.1%で多数派となりました。仕事よりもプライベートが充実するほうが幸せだ、仕事で成功するなどして社会的に評価されるよりも親しい人との交流が充実する人生のほうが幸せだ、と感じる人が多いようです。
では、様々な将来の夢や目標について、働く若者は現時点でどのような見通しを立てているのでしょうか。
まず、「結婚」について、現時点の見通しを確認すると、全回答者(1,200名)のうち、「既にしている」が20.2%、「したいと思うし、できると思う」が20.9%、「したいと思うが、難しいと思う」が36.8%、「したいと思わない」が22.2%となりました。働く若者の3人に1人は、“結婚したいが実現は難しそうだ”と、暗い見通しを持っていることがわかりました。
そのほかの将来の夢や目標について、「したいと思う(計)」(「したいと思うし、できると思う」+「したいと思うが、難しいと思う」の合計)の割合をみると、「出産・子育て」は56.3%、「マイホームの購入」は62.7%、「ゆとりのある老後の生活」は92.8%、「親孝行」は87.8%となりました。
【働く若者のくらしとお金、マネープラン】
◆働く若者の3割は手堅く「定期預金の積み立て」を利用、「生命保険・医療保険」は4割が加入
◆働く若者の預貯金額のリアル 独身は80万円、夫婦2人は200万円、子育て世代は100万円
年金や医療などの社会保障制度において、“産まれた世代ごとに受益と負担が大きく異なり、若年世代ほど不公平である”という世代間格差が大きな問題となっています。社会全体で、いかに若年世代の負担を減らすかを考えなくてはならないと同時に、個人としても、しっかりと備えておくことが大切です。そこで、働く若者のマネープランの状況について、確認を行いました。
将来への備えとして「行っている」ものをみると、全回答者(1,200名)のうち、「定期預金(定期貯金)での積み立て」を「行っている」は29.3%、「生命保険・医療保険の加入」は40.1%、「個人年金保険の加入」は22.5%、「確定拠出年金※での運用 ※企業型も個人型(iDeCo)も含む」は11.4%、「投資での運用(株、投資信託、国債・社債、外貨預金、金・プラチナなど)」は14.9%、「自己投資」は13.4%となりました。現状、定期預金や各種保険といった手堅い方法で将来に備えている人が多いようです。また、将来への備えについて、「潜在層」の割合(「行っていないが、今後行いたい」+「関心はあるが、今後行うか迷っている」の合計、以下同様)に注目すると、「確定拠出年金での運用」は32.0%、「投資での運用」は33.8%となりました。今後は、預金や保険以外にも、確定拠出年金や投資などの手段で将来に備えようと考えている人も少なくないようです。
では、働く若者は、どの程度の預貯金を保有しているのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、現在の預貯金額(普通預金・通常貯金を含み、外貨預金は除く)を聞いたところ、「100万円以下」が59.0%と過半数となった一方で、「500万円超~1千万円以下」(6.3%)や「1千万円超」(5.4%)といった高額の預貯金が出来ている人の回答もみられ、預貯金の平均額は503万円、中央値は100万円となりました。
ライフステージ別にみると、預貯金の平均額は独身期417万円→夫婦期1,100万円→子育て期658万円(中央値は独身期80万円→夫婦期200万円→子育て期100万円)となりました。
◆「生命保険料控除」の認知率47%、「住宅ローン控除」はマイホーム保有者でも認知率57%
◆所得控除を加味すればよい運用?保険料控除を知っている人の3割強が「個人年金保険」に加入
◆「給与明細を毎月チェック」は6割強が実践も、「家計簿で収支のバランスチェック」は2割弱
収入を得ることで、所得税や住民税など所得に応じた税金を納めることになりますが、税金に関連する制度は、知っておくことで得するものも多くあります。働く若者は、これらのお金に関する制度について、どの程度の知識を持っているのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、様々なお金に関する制度を提示し、知っていたか聞いたところ、「生命保険料控除」について「知っていた」割合(以下、認知率)は46.8%、「知らなかった」が53.3%となりました。給与所得者の多くは、年末調整の書類を記入する際に生命保険料控除の記入欄を目にしているかと思いますが、この制度を知らない人が過半数となりました。また、「住宅ローン控除」の認知率は38.0%、マイホームぐらしの人に限ってみても57.3%となりました。
お金に関する制度の認知状況別に、将来への備え状況についてみると、生命保険料控除の認知層は「生命保険・医療保険の加入」を「行っている」割合が59.0%(非認知層は23.5%)、「個人年金保険の加入」では31.6%(非認知層は14.6%)となり、それぞれ非認知層の2倍以上の加入率となりました。生命保険料控除を知っている人は、“控除を加味すると、良い将来への備えになる”と総合的に判断し、これらの保険の加入を決定したのではないでしょうか。
働く若者は、お金の管理をしっかり行っているのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、若手社会人におすすめのお金の管理習慣(※)を提示し、行っているものを聞いたところ、「給与明細を毎月確認している」が最も高く61.8%となり、次いで、「カードの支払額を毎月確認している」が35.2%、「生活の予算を立てている(○○費は○円までに抑えるなど)」が25.0%、「インターネットバンキングを利用している」が23.8%、「貯蓄目標を立てている(○歳までに○○資金として○万円貯めるなど)」が22.3%で続きました。給与明細を確認する習慣は過半数が身につけていますが、生活費の予算管理や目標を立てた貯蓄を行っている人はあまり多くないようです。以下は1割台で、「家計簿などで収支のバランスを把握している」18.0%、「ねんきん定期便を毎年確認している」13.1%、「収支のバランスを定期的に見直している」12.7%となっており、これらのお金の管理が全て習慣化していないとする「あてはまるものはない」が17.2%となりました。
※参考:日本FP協会 編集・発行『若手社会人のマネー&ライフプランお役立ちハンドブック!』
https://www.jafp.or.jp/personal_finance/fresh/young_handbook/
◆いずれ割り勘も電子化? 5人に1人が「割り勘・送金アプリを利用したい」
◆お金の管理はITやFPに頼りたい?「FPに今後相談したい」は2割半、家計簿を自動作成する「PFMサービス」の利用意向は2割弱、AIが資産配分を提案する「ロボ・アド」は2割
近年、IT技術を使った新たな金融サービス「フィンテック(FinTech)」が、様々な場面で話題になっています。働く若者は、フィンテックに関連するサービスを、どの程度利用しているのでしょうか。
まず、全回答者(1,200名)に、「モバイル決済サービス(おサイフケータイ)」の利用状況と利用意向について聞いたところ、「利用したことがある」が32.2%、「利用したことはないが、今後は利用したい」が19.0%となりました。働く若者の3人に1人は携帯電話によるキャッシュレス決済機能を利用したことがあるようです。また、最近はQRコード決済アプリや割り勘アプリなどで、銀行を介さず簡単に個人間で送金し合えるサービスも登場してきていますが、この「個人間送金サービス」について聞いたところ、「利用したことがある」が14.4%、「利用したことはないが、今後は利用したい」が20.3%となりました。
また、自動で家計簿をつけてくれる「PFM(個人資産管理)サービス」では「利用したことがある」が11.5%、「利用したことはないが、今後は利用したい」が18.8%となり、AIが適切なポートフォリオを作成してくれる「ロボ・アドバイザー」では「利用したことがある」が11.0%、「利用したことはないが、今後は利用したい」が20.2%となりました。
「ファイナンシャル・プランナーの相談サービス」についても同様に、利用状況と利用意向を聞いたところ、「利用したことがある」が13.1%、「利用したことはないが、今後は利用したい」が25.4%となりました。