モボ・モガが見た、激動のトーキョーを映す資料約200点  たばこと塩の博物館で4月21日から展示開催

~モダンデザインの商品・広告の登場から、終戦、復興まで。 日本人の生活・文化の変化を紹介~

 たばこと塩の博物館では、2018年4月21日(土)から7月8日(日)まで、「モボ・モガが見たトーキョー ~モノでたどる日本の生活・文化~」展を開催します。

「東京小唄」楽譜 1930年(生田 誠氏提供)

 近年、大正時代から昭和初期、そして戦中の日本を舞台にした映画やドラマが数多く制作されています。この時期の日本は、産業化が急速に進み、それまで都市の一部階層で見られていた洋風の生活スタイルが一般化していく過程にありました。そして、会社勤めをするサラリーマンや職業婦人など新しい働き方が生まれたのもこの頃です。その結果、大衆消費社会を迎え、多くの企業が、モダンデザインにこだわった商品や広告を打ち出す時代となりました。一方で、昭和初期という時代は、世界的な金融恐慌(昭和恐慌)、満州事変、そして太平洋戦争開戦へと進む激動の時代でもありました。この展示では、「すみだ企業博物館連携協議会※」に参加する5館を中心に、企業博物館・企業アーカイブスに残る様々な“モノ”資料約200点を通して、この時代の人々の生活・文化の変化を紹介します。
※すみだ企業博物館連携協議会とは
墨田区に所在する花王ミュージアム、セイコーミュージアム、東武博物館、郵政博物館、たばこと塩の博物館の5つの企業博物館によって、2016年に発足しました。

「モボ・モガが見たトーキョー ~モノでたどる日本の生活・文化~」開催概要

名称  : モボ・モガが見たトーキョー ~モノでたどる日本の生活・文化~
会期  : 2018年4月21日(土)~7月8日(日)
主催  : たばこと塩の博物館
会場  : たばこと塩の博物館 2階特別展示室
所在地 : 東京都墨田区横川 1-16-3(とうきょうスカイツリー駅から徒歩8分)
URL   : https://www.jti.co.jp/Culture/museum/
入館料 : 大人・大学生:100円(50円)/満65歳以上の方(要証明書):50円(20円)
      小・中・高校生:50円(20円) ※( )内は20名以上の団体料金
開館時間: 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日 : 月曜日(ただし、4/30は開館)、5月1日(火)

●展示の構成と作品紹介
本展では、5つの企業博物館が所蔵する「時代を映すモノ」を展示し、1930年代を中心に、大正から終戦・復興までの時代の様相を3つのコーナーに分けて紹介します。
別紙: https://www.atpress.ne.jp/releases/154071/att_154071_1.pdf

モボ・モガの時代 ~「モダン東京」と大衆消費社会~

関東大震災(1923年)で壊滅的な被害を受けた東京は、大規模な復興事業を行いました。復興による都市の近代化は人々の生活にも大きな変化をもたらしました。明治以降、少しずつ浸透していた西洋的な生活様式は急速に大衆化し、一方で企業は舶来品のイメージが強かった商品を安く提供するとともに、「モダン」にこだわったデザイン、広告を展開しました。そうした中、当時の最先端をいくモダンボーイ(モボ)・モダンガール(モガ)と呼ばれる人々が登場し、とりわけ、都市を中心に活躍の場が増えていったモガたちの姿は注目されました。

昭和モダンのおわりと戦争の時代 ~生活、そして商品・広告表現の変化~

盧溝橋事件(1937年)をきっかけに始まった日中戦争、第二次世界大戦の勃発などによって、日本は戦争への道を進み始め、やがて太平洋戦争に突入しました。当初は勝利が続き戦勝ムードもありましたが、戦局の悪化に伴い、本格的に物がない時代となりました。モダン東京を闊歩していたモボ・モガたちもまた、戦争に取り込まれていきました。さらに、男性は学生を含めて召集され、本土では空襲によって多くの命が失われてしまいました。

終戦、そして焼け跡からの復興 ~懐かしくて新しい商品の復活~

長かった戦争は、1945年、日本の敗戦という形で終結しました。東京は下町や都市部を中心に、その多くは空襲によって焼け野原となっていました。物資も極端に不足し、合法的に支給されたモノだけでは生活が困難であったため、焼け跡にはヤミ市が立ち並びました。混乱の中、人々は立ち上がり、1950年頃を境に物資も回り始め、配給から自由販売へ移行、街には懐かしくもあり新しくもあるデザインを施した商品が登場していきました。

◆展示関連イベント◆
【展示関連講演会】定員:90名 当日整理券制 会場:3階視聴覚ホール
2018年4月28日(土) 「モダンガールが歩いた街 モダン東京」
          講師:生田 誠(絵葉書研究家)
2018年5月12日(土) 「モボ・モガが聴いた新しい音 ~蓄音機で聴くジャズ・流行歌~」
          講師:毛利 眞人(音楽評論家・レコード史研究家)
2018年7月1日(日)  「歴史を伝えるパッケージ 森永ミルクチョコレート100周年」
          講師:野秋 誠治(一般財団法人森永エンゼル財団理事・主席研究員)

【特別映画上映会】 定員:90名 当日整理券制 会場:3階視聴覚ホール
2018年5月5日(土・祝) 「この世界の片隅に」
           (2016年制作、監督:片渕 須直、原作:こうの 史代、上映時間129分)
2018年5月19日(土) 「花嫁日記」
          (1934年制作、監督:渡辺 邦男、上映時間67分)
2018年5月26日(土) 「風の又三郎」
          (1940年制作、監督:島 耕二、原作:宮澤 賢治、上映時間97分)
2018年6月30日(土) 「この世界の片隅に」
          (2016年制作、監督:片渕 須直、原作:こうの 史代、上映時間129分)

【展示解説】 定員:40名 当日整理券制 会場:1階ワークショップルーム
すみだ企業博物館連携協議会の各館職員が、それぞれの館の紹介とともに展示資料の解説を行います。
2018年6月2日(土) たばこと塩の博物館 鎮目 良文
2018年6月3日(日) 東武博物館 山田 貴子
2018年6月9日(土) 花王ミュージアム・資料室 加藤 玲子
2018年6月10日(日) セイコーミュージアム 神山 めぐみ
2018年7月8日(日) 郵政博物館 田原 啓祐

※展示関連イベントはいずれも午後2時から開催。
※参加には入館料が必要です。
※当日開館時より整理券を1名につき2枚まで配布します(配布時に人数分の入館料をいただきます)。

花王シャンプー 1932年発売(花王ミュージアム・資料室提供)
花王シャンプー広告 1935年(花王ミュージアム・資料室提供)
腕時計「ローレル」 1913年発売(セイコーミュージアム提供)
服部時計店(現・和光) 1932年撮影(セイコーミュージアム提供)
東武沿線の観光地を紹介するパンフレット 1932~1935年頃(東武博物館提供)
浅草雷門駅(東武ビルディング)全景 1931年撮影(東武博物館提供)
杉浦非水がデザインした「みのり」ポスター 1930年(たばこと塩の博物館)
昭和初期のたばこ小売店の様子(たばこと塩の博物館)
1912年に採用された丸形庇付ポスト(模型)(郵政博物館提供)
国民保健体操ポスター 1928年(郵政博物館提供)
「國に國防 社交にタバコ」 ポスター 1937年(たばこと塩の博物館)
「女子局員募集 わが家からも通信戦士」ポスター 1943年(郵政博物館提供)
「光」パッケージの変化1(たばこと塩の博物館)
「光」パッケージの変化2(たばこと塩の博物館)
「光」パッケージの変化3(たばこと塩の博物館)
終戦後の服部時計店(セイコーミュージアム提供)
「ヤミタバコ消して文化の灯をともせ」ポスター 1950年(たばこと塩の博物館)
「森永ミルクキャラメル」ポスター 1950年(森永製菓株式会社提供)
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