〈 8Kで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」〉 東京国立博物館にて開催中(~12/25まで)
~高精細画像を使ったアプリケーションで絵の細部まで鑑賞可能に~
国立文化財機構 文化財活用センターは、11月27日(火)から12月25日(火)のあいだ、東京国立博物館 法隆寺宝物館(所在地:東京都台東区)において、〈 8Kで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」〉という展示を開催しています。
奈良・法隆寺(ほうりゅうじ)東院伽藍(とういんがらん)の絵殿(えでん)を飾っていた国宝「聖徳太子絵伝(しょうとくたいしえでん)」の高精細画像を使ったアプリケーションを、70インチという大型8Kモニターでお楽しみいただく展示です。このアプリケーションは新たに制作されたもので、本展示が初公開となります。
国宝「聖徳太子絵伝」全図(10面)■
原本
秦致貞(はたのちてい)筆
平安時代 延久元年(1069)
綾本著色/10面
東京国立博物館_ 法隆寺献納宝物
※本展示では原寸大複製グラフィック(10面)を展示しています
国宝「聖徳太子絵伝」は、聖徳太子(574-622)の伝説をもとに千年近く前に描かれたもので、太子の住まいがあった斑鳩(いかるが)あたりを中心にパノラマのように景色が広がり、太子の起こしたさまざまな奇跡を知ることできます。しかし、現在画面は長い年月を経ていたみもあり、くわしく鑑賞することがかないません。
今回アプリケーション制作のために、国宝「聖徳太子絵伝」10面を超高精細カメラで新規撮影しました。来館者は操作端末であるタブレットをもちいて、8Kモニターに映しだされた高精細画像を、肉眼では見ることの難しい細部まで拡大するなど、自由に鑑賞することができます。
国宝「聖徳太子絵伝」に描かれている事象とその位置関係のみならず、聖徳太子の超人伝説エピソードからの場面アプローチなど、作品に親しむための解説も充実しています。また同じ空間では、かつて法隆寺の絵殿にあったように、絵伝の原寸大複製グラフィックを配置しています。本展示をお楽しみいただくことで、聖徳太子と、絵伝の魅力をもっと知っていただければと思います。
アプリケーションについて■
1面およそ縦1.9m×横1.5mの絵伝を、7×4の計28区画に分割して、カメラを上下左右に移動させながら撮影し、これをつなぎ合わせて1面で18億画素のデータを作成しました。このアプリケーション≪8Kアートビューアー≫は、タブレットの操作で、見たい部分を選択したり、すばやく拡大したりすることができます。8Kモニターでは2面全体=36億画素のデータがリアルタイムで処理され、超高精細画質で、作品の細部までじっくり鑑賞することができます。
コンテンツ制作=文化財活用センター・NHKエデュケーショナル
展示情報■
8Kで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」
会期=2018年11月27日(火) ― 12月25日(火)
会場=法隆寺宝物館 資料室〈中2階〉
時間=9:30~17:00(ただし、金曜・土曜は21:00まで開館。入館は閉館の30分前まで)
料金=総合文化展観覧料でご覧いただけます
※参考;東京国立博物館サイト_料金・アクセス
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=113
主催=東京国立博物館、文化財活用センター
お問合せ=03-5834-2856 (文化財活用センター)
文化財活用センターについて■
文化財活用センターは国内外のさまざまな人が、日本の文化財に親しむ機会を拡大するために、2018年7月1日、国立文化財機構のもとに設置された組織です。
文化財活用センターでは、すべての人びとが、文化財を通じて豊かな体験と学びを得ることができるよう、文化財を活用した新たなコンテンツやプログラムの開発を行っています。この〈8Kで文化財〉も、文化財活用センターの事業のひとつです。
文化財の保存と活用の両立に留意しながら、レプリカやVR、8K映像などの先端技術をつかったコンテンツの開発、国立博物館の収蔵品の貸与を促進する事業、文化財のデジタル情報の公開、文化財の保存環境に関する相談窓口を開設しています。
文化財活用センターサイト= https://bkc.nich.go.jp/