国宝が生まれた地の技術、最前線。 『美濃桃山陶(みのももやまとう) -令和の景色-』展 3月17日~21日 東京・青山で開催
株式会社クオリアート(東京都中央区銀座5-14-1 銀座クイントビル7階)は、スパイラルガーデン(スパイラル1F、東京都港区南青山5-6-23)で2023年3月17日(金)~21日(火・祝)、美濃桃山陶(みのももやまとう)の古典復興から現代への系譜を、国指定重要無形文化財保持者(通称「人間国宝」)、岐阜県指定重要無形文化財保持者をはじめとする現代精鋭作家の技術に焦点を当て、展覧会「美濃桃山陶 -令和の景色-」を開催します。
*本事業は文化庁の委託事業です。
やきものには「景色」という言葉があります。窯の炎から生まれた表情のことで、高温による土の色の変化、釉薬が熔けて流れたさま、また、作品全体の造形や印象をも表す言葉で、日本独自の「美的感覚」とも言われています。
この言葉は、日本の陶磁史上最も華やかであったといわれる安土桃山時代にそのルーツをたどることができます。この桃山期に岐阜県東濃地域一円(※1)で焼かれたやきものは「美濃桃山陶(みのももやまとう)」と呼ばれ、現在、国宝に指定された国産の2つの茶碗の内ひとつは、その代表作でもあります。
1,300年前の須恵器から窯に炎をともし続けたこの地は、安土桃山時代に茶の湯が流行した追い風を受け、30年程の間にそれ以前の造形様式の概念にとらわれない、自由な発想と斬新な意匠をやきものに込めました。そして日本で初めて白い釉の下に筆で絵や文様を描いた「志野(しの)」をはじめ、「黄瀬戸(きせと)」や「瀬戸黒(せとぐろ)」、「織部(おりべ)」がうみだされ、さまざまな景色で日本のやきもの史を彩ったのです。
しかし、桃山期以降は一旦途絶え、長い間ヴェールに包まれていたものの、1930(昭和5)年、陶芸家・荒川豊蔵(あらかわとよぞう)(1894-1985)が志野筍絵筒茶碗の陶片を発見したことを契機に、荒川豊蔵をはじめとする作家たちが、美濃桃山陶を復興しました(※2)。
その技術は、現在、国の重要無形文化財として、また、岐阜県の重要無形文化財として受け継がれ、約400年の時を超え日本の美意識を今に伝えています。
本展は、荒川豊蔵の作品と桃山時代の陶片の特別展覧をはじめ、受け継がれる技術に焦点を当て、「志野」を国指定重要無形文化財保持者(通称「人間国宝」)の鈴木藏(おさむ)、「瀬戸黒」を国指定重要無形文化財保持者(通称「人間国宝」)の加藤孝造、そして「黄瀬戸」を岐阜県指定重要無形文化財保持者の安藤日出武(ひでたけ)の作品をもって紹介します。また、先人たちの技を継承しつつ、新たな表現で美濃桃山陶を牽引する、公益社団法人美濃陶芸協会(※3)の代表作家作品約20点を展示し、令和の景色を映し出します。
展示予定作品
※1:岐阜県東濃地域一円:多治見・瑞浪(みずなみ)・土岐(とき)・恵那(えな)、可児(かに)の一部を含む
※2:当初、美濃桃山陶は瀬戸(愛知県)で焼かれたと考えられていました。1930(昭和5)年、陶芸家・荒川豊蔵(あらかわとよぞう)(1894-1985)が岐阜県可児(かに)市久々利大萱(くくりおおがや)の古窯跡から志野筍絵筒茶碗の陶片を発見したことを契機に、これらが美濃で焼かれていたことが明らかとなり、荒川豊蔵をはじめとする作家たちによって研究がすすめられ、美濃桃山陶の再興をめざしました。
※3:公益社団法人美濃陶芸協会
美濃桃山陶の伝統を受け継ぎ本物の技術の研鑽を重ね、時代とともに新たな表現を追求する、岐阜県美濃地方を基盤にして活動する陶芸作家集団。
HP: https://www.mino-tougeikyoukai.org/
企画協力
荒川豊蔵資料館(可児市)
「志野」、「瀬戸黒」の2つの工芸技術で国の重要無形文化財保持者(通称「人間国宝」)に認定された荒川豊蔵氏により、昭和59年4月に豊蔵資料館として創設される。その後、平成25年4月には、当時の設置主体であった財団法人豊蔵資料館から可児市に寄贈されることになり、同年10月には名称を「荒川豊蔵資料館」に変更し、現在に至る。
また、平成29年4月からは、敷地内にある居宅(旧荒川豊蔵邸)、陶房など改修し、無料公開されている。
所在地:〒509-0234 岐阜県可児市久々利柿下入会352番地
電話 :0574-64-1461
https://www.city.kani.lg.jp/10095.htm
開催概要
会期 :2023年3月17日(金)~21日(火・祝)
開館時間:11:00~20:00 ※最終入場は19:30、最終日は19:00クローズ
会場 :スパイラルガーデン(スパイラル1F) https://www.spiral.co.jp/
所在地 :〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
入場料 :無料
展覧会の構成
・美濃桃山陶について - 歴史、技法、復興小史
・美濃桃山陶 伝統技法と代表作品展示
・美濃桃山陶作品展 公益社団法人美濃陶芸協会精鋭作家作品展
出展予定一覧
故・荒川豊蔵/文化勲章・文化功労者 国・重要無形文化財「志野」「瀬戸黒」保持者
鈴木藏/国・重要無形文化財「志野」保持者 日本工芸会正会員
加藤孝造/国・重要無形文化財「瀬戸黒」保持者 日本工芸会正会員
安藤日出武/岐阜県重要無形文化財保持者(黄瀬戸) 日本工芸会正会員
玉置保夫/岐阜県重要無形文化財保持者(織部) 日本工芸会正会員
林正太郎/岐阜県重要無形文化財保持者(志野) 日本工芸会正会員
七代 加藤幸兵衛/岐阜県重要無形文化財保持者(三彩) 日本工芸会正会員
林恭助/土岐市無形文化財保持者(黄瀬戸) 日本工芸会正会員
堀俊郎/可児市無形文化財保持者(志野) 日本工芸会正会員
安藤工/公益社団法人美濃陶芸協会会長 日展会員
曽根洋司/公益社団法人美濃陶芸協会副会長 日展会員
阪口浩史/公益社団法人美濃陶芸協会副会長
加藤三英/公益社団法人美濃陶芸協会副会長
黒岩達大/公益社団法人美濃陶芸協会副会長 日本工芸会正会員
川合正樹/公益社団法人美濃陶芸協会監事
東正之/公益社団法人美濃陶芸協会理事 日本工芸会正会員
冨岡大資/公益社団法人美濃陶芸協会理事
細川令子/公益社団法人美濃陶芸協会理事
山口美智江/公益社団法人美濃陶芸協会理事
美濃桃山陶 安土桃山時代 陶片(可児市久々利大萱出土、土岐市元屋敷陶器窯跡出土) 荒川豊蔵資料館所蔵
◇ご案内
本展では、一部の作品を除き個人的かつ非商業的な利用目的に限り、写真撮影が可能です。ただし、フラッシュや三脚の使用は禁止しております。撮影ご希望の方は、会場にて各種ルール(フラッシュや、三脚の使用禁止等)をご確認の上、係員にお申し出ください。
併催イベント
- トークセッション(参加可能人数:~30名、事前予約制)
タイトル:「美濃桃山陶 - 日本の美意識と受け継がれる技」
日程 :2023年3月18日(土)
時間 :14:00~、1時間程度
会場 :スパイラルガーデン (スパイラル1F)
出演 :九州国立博物館初代館長 三輪嘉六氏、
公益社団法人美濃陶芸協会会長 安藤工氏
略歴:三輪嘉六(みわ かろく)
1938年生まれ。
東京国立文化財研究所修復技術部長、文化庁美術工芸課長、同文化財鑑査官、日本大学教授。
九州国立博物館設立準備室長を経て、2005年4月より九州国立博物館の初代館長(2015年まで)。
現在、山梨大学客員教授、NPO法人 文化財保存支援機構 理事長。
略歴:安藤工(あんどう たくみ)
公益社団法人美濃陶芸協会 会長、公益社団法人日展 会員
2.ギャラリートーク(展示解説)(参加可能人数:~10名、事前予約制)
日程:2023年3月18日(土)、3月19日(日)
時間:13:00~、30分程度
会場:スパイラルガーデン (スパイラル1F)
出演:公益社団法人美濃陶芸協会 副会長 阪口浩史氏、他
略歴:公益社団法人美濃陶芸協会 副会長、公益社団法人日本新工芸家連盟 審議員
ご予約方法
メール : press@lives.ne.jp
Instagram ( @minomomoyamato ): DMメールにて受付中
・お名前と参加人数を明記の上、お申し込みください。
SNS
・Instagram @minomomoyamato
https://www.instagram.com/minomomoyamato/
・Facebook @minomomoyamato
https://www.facebook.com/minomomoyamato/
主催者
商号 :株式会社クオリアート
所在地 :東京都中央区銀座5-14-1 銀座クイントビル7F
事業内容:国内外での美術展覧会、文化イベントの開催。
日本産品の需要拡大、輸出促進。
主催:株式会社クオリアート
協力:公益社団法人美濃陶芸協会
岐阜県現代陶芸美術館
荒川豊蔵資料館(可児市)
*本事業は文化庁令和4年度首都圏伝統工芸技術作品展等開催事業です。