日かげ・屋内でも肌の中まで刺さる紫外線に要注意! 春先にこそ油断大敵な「かくれ紫外線」って?

GWのおでかけシーズン前に知っておきたい「紫外線対策」

 本格的な紫外線シーズンを前にパシフィック・コミュニケーションズ株式会社が資生堂ジャパン株式会社の協力の元に実施した「女性の日焼けに関する認識調査(20~40歳の女性222名対象)」によると、正しい日焼け対策について知らない、していない女性が多いということがわかりました。

 ぽかぽか陽気の春。まだ夏は遠いと油断して紫外線対策をしないことで、実は知らない間に紫外線リスクにさらされていることをご存知でしょうか? “晴れた日以外は日焼け止めはいらない”、“日かげならそんなに焼けない”、そのように考えている女性も意外に多いです。しかし知らないうちに浴びている“かくれ紫外線”の対策も実は必要です。  

監修:美容ジャーナリスト 永富 千晴(ながとみ・ちはる)さん

永冨千晴

ビューティエディターとして出版社に勤めた後、美容ジャーナリストとして独立。2003年より美容感度の高い女性が集まるメンバーシップコミュニティ「club C.」を主宰。最新美容からリアルな声を反映した美容情報までさまざまな情報を執筆。アドバイザー、マーケティング、PRなどでも活躍。  

多くの女性の紫外線対策は不十分!?

 「晴れている日にしか日焼け止めをしない」という女性が、およそ4割以上(40.9%)も占めるという結果に。(※グラフ1) また、「UV-A(A紫外線)とUV-B(B紫外線)という言葉を知っている」という女性も4割(41.8%)にとどまり、日常的に潜む紫外線への理解が低い女性も多いという結果に。(※グラフ2) 日焼け止め以外の日焼け対策では、「していない」が約4割(39.5%)存在します。(※グラフ3)「している」という女性における具体的な日焼け対策としては、最多が「日かげを歩く」(69.2%)、次いで「日傘をさす」(66.2%)、「手袋やアームカバーをつける」(52.6%)となっていました。(※グラフ4)

女性の日焼けに関する認識調査

女性たちの紫外線対策の現状に、美容ジャーナリストの永富千晴さんは警鐘を鳴らします。
「日かげを歩いても、日傘をさしても、実際は地面からの反射などもあり、紫外線対策は万全とは言えません。そうしたツメの甘い日焼け対策では、お肌にダメージを与えてしまうのです。実は、『かくれ紫外線』のリスクにつながってしまうのです。」
「かくれ紫外線」とはいったい何なのでしょうか? どうすることで「かくれ紫外線」による日焼けリスクを軽減できるのでしょうか? 永富さんに解説していただきます。

実は多くの女性が知らない、「かくれ紫外線」

意外なところでも浴びてしまうかくれ紫外線の真犯人は「UV-A」  

日焼けといえば、肌表面が赤くなったり黒くなったりするイメージがありますが、実は肌の表面だけでなく、肌の中にも紫外線は届いているのです。この肌の中に刺さる紫外線が「UV-A」。
「かくれ紫外線とは、紫外線の中でも肌の中まで刺さる紫外線『UV-A』のこと。肌にダメージを与える紫外線には肌表面の日焼けを起こすものだけではなく、もう一つあるのです。この紫外線は特にシワ、たるみなどの原因となる“光老化”にも深く関わります」と永富さん。

「かくれ紫外線」UV-Aは肌の中まで刺さる

UV-Aは肌の中まで刺さる

 紫外線のうち、私たちの肌に影響及ぼすのがUV-Aと UV-Bです。一般的な「日焼け」の状態、つまり肌の色が変わったり、ヒリヒリとして火傷のような状態になったりするのは、その大部分が、肌表面の表皮で散乱・吸収するUV-Bによるものです。

 一方、UV-Aは波長が長いことから、30~50%が表皮を通過して肌の奥の真皮層にまで達します。
UV-Aは知らないうちに浴びていることが多いことから、「かくれ紫外線」と言えます。

 UV-AもUV-Bも、長期間浴び続けると皮膚がダメージを受けますが、UV-Aは特にシワ、たるみの原因になるのです。  

「かくれ紫外線」UV-Aによって引き起こされる「光老化」とは

「かくれ紫外線」UV-Aによる「光老化」とは

 「かくれ紫外線」UV-Aを長期間浴び続けてしまうと、シワ、たるみなどの紫外線を主とした太陽光線による老化「光老化」の原因になります。紫外線を浴びると「ゼラチナーゼ」という酵素が発生し、表皮でダメージを起こすだけでなく、真皮のコラーゲンを変性させてしまうため、シワリスクが高まるといわれています。

 またUV-Aはハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り出している線維芽細胞を傷つけてしまうため、肌が弾力を失うことで、シワやたるみにつながってしまうといわれています。

「かくれ紫外線」はここに潜む!

(1) 日差しの強い夏日でなくても「かくれ紫外線」は降り注ぐ
日差しが強い夏しか紫外線対策は必要ないと思っていませんか?
しかし、これは大きな間違いです。

春先から本格化する「かくれ紫外線」UV-A

月別  UV-A,UV-Bの量

夏に増えるイメージがある紫外線量ですが、実はUV-Aは通年降り注いでおり、冬でも夏の半分程度にしか減りません。4~8月にピークを迎え、おでかけシーズンがはじまる春先から本格化するのです。

雲も突き抜ける

曇りの日では晴れた日の6割強、雨の日でも晴れた日の約2割の紫外線が地表に届いているといわれています。特にUV-Aは波長が長いため、雲も突き抜けることから曇りの日でも油断できません。永富さんは、「春先のように、日差しの強くない季節や曇りの日でも1年中紫外線対策をすることが重要」と話します。  

(2)夕方こそ「かくれ紫外線」に注意!
紫外線は昼間だけではなく、夕方になってもまだゼロにはならないと言われています。紫外線量は、正午前後のピーク時から量は徐々に減っていきますが、夕方になってもゼロにはならず、午後まで残っているのです。  

(3)屋内や日かげにも入ってくる「かくれ紫外線」
UV-Aは窓などのガラスを透過することから、自宅の部屋やオフィス、カフェなどの屋内、車の中にいても油断できません。私は自宅の窓に紫外線をカットし遮熱するシートを貼っていますが、そこまでは…という方も、UVカットのカーテンにして日中から夕方までは閉めておくだけでもよいでしょう。また、屋外では、太陽からの「直射光」だけではなく、直射光が地面や壁で反射した「反射光」、直射光が大気中の分子に当たって散乱した「散乱光」の3方向からの紫外線を浴びています。
日傘や帽子だけでは、反射光や散乱光の「かくれ紫外線」は防げないことから、日焼け止めなどの対策は欠かせないのです。

「かくれ紫外線」 UV-Aを防ぐためにはどんな日焼け対策が必要?

このように、日常のあらゆるシーンで気を付けなくてはならない「かくれ紫外線」。対策のポイントを永富さんに聞きました。

永富さんアドバイス 「かくれ紫外線」対策のポイント
●PA値を見て選ぶ
肌の中まで届き、光老化のリスクを高める「かくれ紫外線」=UV-Aをブロックするためには、UV-Aを防止する高さを表す「PA」値に着目して選ぶことがポイントになります。PAは4段階の「+」マークで表示され、「+」の数が増えるにつれ、UV-Aに対する防御効果が高いことを表します。多くの人が注目するSPFはUV-Bを防ぐ効果指数ですが、SPF値だけでなく、PA値も意識することが重要です。
 
●こまめに塗り直す。
時間がないときは頬や鼻など焼けやすい部分だけでも重ねづけして!
日焼け止めは、一日中、こまめに塗り直すことが大切です。朝に塗り、ランチ前に塗り直し、西陽の強い紫外線に備えて再度、夕方の外出前に塗り直し。時間がないときも頬や鼻など焼けやすい部分は重ねづけして紫外線を防ぎましょう。
 
●汗は拭き取ってから塗る
春は汗ばむこともありますが、汗ばんだ後に塗ると、ムラなくきちんと塗れないため、タオルやハンカチで汗を拭き取ってから塗りましょう。
 
●首元や袖の入り口も入念に
『かくれ紫外線』防止のためには、身体にも日焼け止めを塗ることがポイント。服を着る前に、特に首元や袖の入り口などの『かくれ紫外線』が入ってきやすいところを中心に塗ること。サンダルなどを履くときには、足の甲に塗るのを忘れがちなので注意を。背中や肩の裏など、自分では塗りにくい部位は、スプレータイプの日焼け止めを活用すると良いです。  

協力:資生堂ジャパン株式会社

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