「オフィス不要論」は本当?多くの企業が考えている今後のオフィスの在り方について

新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が「リモートワーク」を導入し、働き方・オフィス(働く場)が大きな転換期を迎え、オフィスがなくても成果は上げられるのではないかという「オフィス不要論」などの極端な言説も登場しています。現に都心のオフィス街では空室率が上昇しています。

では本当にオフィスは不要なのでしょうか。今回は現在のオフィスのもつ役割と、これからのオフィスの在り方から考察してみます。

オフィスの役割

多くの企業が「リモートワーク」を実施し在宅勤務を拡大しているなか、「オフィスの必要性」について調査したところ、意思決定が早く時代の先駆けを行くベンチャー企業でさえ、6割の企業が「オフィスが必要」と考えていることが判りました。なぜオフィスが必要と考えているのか、「リモートワーク」では得られないオフィスの役割を調査してみました。

(1)信頼関係の構築

同じ場所(オフィス)にいることで一体感が生まれます。オフィスは企業(経営者)とワーカー、またワーカー同士の信頼関係が無理なく構築できる空間になることができます。

(2)コミュニケーションの創出

「リモートワーク」で生まれる「ミスコミュニケーションによる仕事の質の低下」が問題とされています。オフィスでは互いの置かれた状況、状態を正確に把握し、それを踏まえた効果的なコミュニケーションが生まれ、仕事の質の向上・効率化が図れます。

リアルなオフィスで、ワーカーが互いの考えること・悩み・置かれた状況を掌握し共有することは、業務に関係のない一見無駄な時間のように思えますが、そこからチームワークを創出し、効果的なコミュニケーションを最大化するのに欠かせないのです。

(3)モチベーションの向上

「リモートワーク」では「仕事に対するモチベーションの低下」も大きな課題となっています。オフィスに出勤することで、仕事とプライベートの気持ちの切り替えができ、みんなが集まることで、仕事へのモチベーションもUPします。

(4)企業の信用度UP

オフィスは企業の文化や姿勢、目指すところを表現する役割を担っています。社員だけではなく、社外に対しても、人材確保をするためにも、企業イメージや信頼度をUPさせる場となっています。

これからのオフィスの在り方

これまで挙げてきたオフィスの必要とされる役割を果たすために、これからのオフィスを設計・選択する上で、何が重要になってくるでしょうか。ここではこれからどんなオフィスが求められてくるのか、重要なポイントを挙げてみます。

(1)執務スペース

従来のように画一的にデスクを並べて働くスペースではなく、「集中して仕事をする場所」、オープンな共有エリア、電話会議ができるフォンブース、気軽に会議ができる会議ブース、目的に応じた会議室など「多様な場」を用意し、ワーカーが自分で状況に合わせて最適な場所を選ぶことができる執務スペースが求められる傾向にあります。

(2)オフィス環境

ワーカーのモチベーションや生産性を向上させる快適なオフィス環境を整えることも重要です。仕事に必要な環境が整ったスペースで心地よく働くことは、豊かな発想が引き出されて創造性が高まり、ワーカーの業務の質と業務効率を高め、企業の成長へ繋がります。

(3)リフレッシュ

これからのオフィスに求められることは「集中・協働・熟考」に特化したスペースが必要ですが、これらのスペースをうまく機能させるためにリフレッシュスペースの重要性が高まっています。オンタイムの間中、ずっとテンションを高く保ち続けることはできませんから、リフレッシュやリラックスの時間を持つために、心身ともに回復して再起動できるスペースも必要です。

(4)多様な働き方の選択肢を提供する

働き方改革が進み、「多様な人が・多様な時間に・多様な場所で」働く時代になれば、必要なオフィスのあり方も多様化すると考えられます。「集まるオフィス」と「分散させるオフィス」を使い分けることも必要になってくるかもしれません。

ウェブ会議やチャットによるコミュニケーションでは代替されず、通勤時間をかけてでもオフィスに集まる価値がある「集まるオフィス」。育児支援のため、住宅街に託児スペース付きのサテライトオフィスを用意したり、営業担当者の移動を効率化するため取引先企業付近のシェアオフィスを契約したり、タイプを使い分ける「分散させるオフィス」。

オフィスのあり方の多様化によって、時間とコストの効率化だけでなく、ワーカーの精神的・肉体的ストレスを軽減し、仕事の質の向上や雇用維持、採用強化への効果も期待できます。

まとめ

今後、業務に関してもワーカー同士の様々な関係に関してもリアルコミュニケーションができる、みんなが集まる場所としてのオフィスという役割は、リモートワークと並行して必要とされていくと考えられます。またオフィスのあり方も多様化し、各社で見直しが行われ最適化されていくことでしょう。従来のように画一的にデスクを並べて働くスペースとしてのオフィスしか持たない企業は、人材確保の面でも競争力を失っていくかもしれません。

自社の働き方とオフィスを、ワーカーにとっても企業の成長にとっても最適にするため、多くの企業が検討を始めています。あなたの会社でも検討を始めてはいかがでしょうか。



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