バス安全装置の実証実験について

2022-12-14 10:00

保育・教育施設向けICTサービス「CoDMON(コドモン)」を提供する株式会社コドモン(本社:東京都港区、代表取締役:小池義則)は、バス置き去り事故防止対策において、子どもの安全を守るための有益なデータ取得のため、11月1日より学校法人正和学園および株式会社MJと共同でバス安全装置の実証実験を実施し、詳細や現場職員の声などを発表致します。

■実証実験概要

チャイルドチェックメイト
車両への取り付け

今回使用した安全装置の概要について

車両への子どもの置き去り防止の安全装置として「チャイルドチェックメイト」という製品を使用しました。車両に取り付け、運転終了後エンジンを止めた際に警報の初期アラームが鳴りはじめ、運転席から後部座席へ各座席をチェックしながら後部座席まで行き、座席最後部に取り付けてある「押しボタン」を押すことで警報が鳴り止むという仕組みの装置です。

  1. 販売時の前提情報に関する事項

・適合車両:12Vと24Vの車両に取り付け可能で、基本的にどの車両にも取り付け可能。

  1. 安全装置の機能に関する事項

・押しボタン式で、確認完了時の入力装置は、後部座席に設置し、エンジンスターターとの接続にて設置する。
・警報を開始するタイミングについては、安全装置本体の初期アラームは車両エンジンを停止してからずっと鳴り続け、その後1分後に車両のホーンが鳴り続けます。
・警報については、最初に87db程度の安全装置本体の初期アラームが鳴り、1分後に対応が無いと、車両のホーンが鳴ります。ホーンの音圧は基本的に車両ごとに異なりますが、102db/7m以上が通常のホーン音量となります。
・北米では1993年から販売開始。メーカー想定耐久年数は10年であり、長年製造販売されている事から、耐久性は高いと想定。

  1. 安全装置の使用時や使用中の問題について

・故意に安全装置の電源を切ることができないような対策はされているかという点については、装置が車両側ハーネスに直付けされる仕様なので、実際に車両本体の線を切断しない限り、電源を切ることが不可となっている。
・定期的なメンテナンスは必要なし。
・車両のバッテリーに直接繋がれているため、車両が使えない時以外は作動しないと言う状況は起き得ません。故障時など適切な機能を果たせない場合はどのような報知を行うか別途計画が必要です。
・関係法令(電波法等)へも適合しており、電波を発信しません。
・すでにアメリカにて園児送迎バスに設置台数35万台以上の実績あり。

バスでの送迎と保育園での受け入れの様子、園児の動きについて

実証実験を行った正和学園での、通常の受け入れマニュアルを下記に掲載します。(バス安全装置の操作に関する記述は含まない)

注:正和学園ではバス安全装置取付前より、園児が降車してから、バス添乗職員が忘れ物をチェックしながら座席の確認をし、バスの最後尾に取り付けた「ベル」を手動で鳴らすことをルールとしています。

バス乗車→保育園への受け入れの流れ

①停車後にドアを開けて下車してから保護者へ挨拶
子ども一人ひとりに挨拶をしながら、視診とともに手の消毒を済ませ(消毒不可の子どもは清浄綿で拭く)必ず手を添えて乗車させる。(入り口ステップがつまずきやすい)
②保護者に検温確認後「お預かりします。」と声をかけて添乗員乗車。(検温忘れはその場で計測)
③子どもの着席を確認し運転手へ「お願いします」と発車の合図を送る。
④連絡がなくバス停にいない子どもは発車時間まで待ち、来なければ園へ電話連絡し、園から保護者へ電話連絡をする。時間になったら出発し、その旨を担任に報告。
⑤お迎えの職員がいることを確認し、園バスドア横に立ち子どもに手を添えて順次下車する。
⑥お迎えの職員に子どもの人数を伝え、双方で確認し引き渡す。
⑦降ろし忘れ、忘れ物がないか座席を見ながらバス最後部へ行き、「ベル」を鳴らし運転手と確認して添乗者も降車。バスボード下部の欄に降車人数を記入と確認者のサインをする。門の鍵(チェーンロック)を使用後は必ずロックをかけること。
⑧各クラスへ子どもを促す。
⑨クラス伝達表とバス伝達表の降園方法が一致しているか各クラスを回って確認。違っている場合は担任に確認し、不明な場合は担任から保護者へ確認してもらう。
⑩クラス伝達表確認後はバス伝達表、携帯電話、タブレットを事務所の所定の場所へ戻して終了。

バスへ乗車→バスで送迎→保護者のもとへ

①担当コースのタブレット、携帯電話、バスボードを持ち園庭で(雨の場合はアーケード)乗車する子どもを待つ。
②各バスコースごとに集め、バス伝達表を元に乗車する子どもを確認する。やまぶき・ろーずコースの自然幼稚園の子どもは自然幼稚園に到着時に自然幼稚園の伝達表を受け取る。
③担当コースの子どもがそろったらバス車庫へ移動。子どもはバス入口で消毒し、乗車する。
④全員乗車したことを確認したら子どもの人数を確認。
⑤運転手に通過バス停名を伝える。
⑥バスの停車を確認し、降りる子どもに「〇〇さん、どうぞ」と声をかけてドアを開ける。
⑦バスを降車し保護者に「こんにちは」と挨拶する。到着が遅れた際は「おまたせしてすみません」と一言伝える。
⑧お迎えの保護者が来ていることを確認し、子どもに手を添え、一人ひとりに「さようなら」と声をかけながら降車させる。
※保護者の名札を必ず確認する。連絡のない代理の方で保護者名札を持っていなかった場合は引き渡しせずその場で園に連絡する。
※お迎えの保護者がいなかった際の対応
  -発車時間まで待ち、来なければ子どもを降車させずに発車する。
  -園に電話をし、クラス名前を伝え連れ戻る。
⑨忘れ物がないか座席と座席の下を目視しながら後部へ行き、最後部座席についている「ベル」を鳴らして運転手と共に確認し、バス伝達表チェック欄にサインをする。
⑩タブレット、携帯電話、バス伝達表を事務所の所定の位置に戻して終了。

運転手へのヒアリング結果

Q.装置の取り扱いや操作は容易でしたか?

・日々の操作は下記の通りで容易だが、ひと手間は増える。

エンジンオフ→初期アラームが鳴る→キーをオン(ACCに入れる)に戻す→初期アラーム止まる→小さい音で鳴りつづける→後部座席に行き、全座席のチェックをしてボタンを長押し、安全装置解除→運転席に戻りエンジンオフ

Q.装置は通常業務の流れにスムーズに組み込むことができましたか?また不具合や改善点、懸念点などもあれば詳しく教えて下さい。

・スムーズに取り入れられました。
・解除ボタンを子どもの誤操作を防ぐ目的で高い位置につけたため、目線が上に行き座席が視界に入りにくい。解除する為だけの作業にならないように、座席が視界に入りドライバーの意識効果があがる場所に解除ボタンを設置できると良いと感じます。
・初期アラームも解除ボタンを押すまで鳴っていた方が確認意識の効果に繋がるのではないかと感じます。

Qガソリンスタンド等で想定外の動作はしませんでしたか。

特に問題なし。

Q. 装置をつけたことで安心感はありますか?安全装置の業務が増えたことで負荷を感じますか?また安全意識は向上したでしょうか。

業務自体の負担は軽微。後部座席の確認忘れ防止、確認の大切さへの意識向上はありました。

Q. 置き去り事故を防止する効果は十分にあると考えられますか?

後部座席の確認漏れの防止、置き去り事故を防止するアイテムの一つとして効果はあると思われますが、システムだけでは不十分。故障等も想定すると、ドライバーや添乗職員の確認、園での出欠席の確認、ご家庭からのお休み連絡の徹底など、二重、三重で子どもの命を守る必要があると思います。

Q. 装置について、どれくらいで実際に運用をはじめられると考えますか?

当日でも可能。安全装置設置前から、バス運行終了時に後部座席の最終確認を実施していたこともあり、スムーズに取り入れられた。後部座席の最終確認忘れにも効果がある。

各施設(正和幼稚園/町田自然幼稚園)へのヒアリング

Q. 装置をつけたことで安心感はありますか?安全装置の業務が増えたことで負荷を感じますか?また安全意識は向上したでしょうか。

・現場の声として、安心感はあります。意識も向上したと思います。
・装着したから安心、という感覚は持たず、引き続き今まで通りの確認も怠らずやりたいです。

Q. バスのスペック(大型・中型・小型)をお答えください。どの型でもいずれも問題なく運用できそうでしょうか。

・中型1台・小型1台
・園のバスは中型ですが、どの型でも使用できると思います。

Q. 装置について、どれくらいで実際に運用をはじめられると考えますか?なぜそのようにお考えになったか教えて下さい。

・当日でも可能。使い方は大変なものではないので、装着さえできれば当日から運用を始められると思いました。

Q. 教室での登降園管理の段取りとの連携はスムーズに行きましたか。

・スムーズです。

Q. 安全装置の使用に際してどのような注意点が考えられますか、ご自由にお答えください。

・安全装置に頼りすぎてしまわぬようにしていく必要はあると思います。
・ブザーを押すことが大事ではなく、あくまでも車内確認を丁寧にすることが大事なのを忘れないようにするのを第一にしていかなければならない。

Q.万が一装置が故障した場合の代替案は想定していますか。想定している場合は、具体的な内容をお答えください。

・安全装置取付前より、園児が降車してから、バス添乗職員が忘れ物をチェックしながら座席の確認をし、バスの最後尾に取り付けたベルを手動で鳴らすことをマニュアルとしています。
・添乗職員が園児降車後に手動のベルを鳴らす手順にしています。

Q. 日々の安全管理において警報機器や安全装置はあくまで補助ツールです。事故防止においては、職員同士が意識を高め合いながら、安全な運用が徹底されていることが重要だと考えていますが、この点についてみなさまの意見もお聞かせください。

・安全装置に頼りすぎず、日々の当たり前の業務と思わず、何かあるかもしれない、といった気持ちで取り組むことが大切であると思います。
・園として、職員に適宜確認が必要だと思う。安全確認の大切さは日常的に職員に伝え、気が緩まないようにしていく必要があると思う。また、運転手さんとの連携の大切さ、添乗者と乗降に携わる職員との連携の大切さ(コミュニケーション、確認し合う、声の掛け合い)大切さや具体的な方法を職員には伝えたいと思うし、実際伝えている。


株式会社コドモン 会社概要

◆所在地:東京都港区三田3丁目13−16 三田43MTビル 3F
◆資本金:68,250,000円
◆代表者:代表取締役 小池義則
◆WEB:https://www.codmon.co.jp/
◆事業内容:子どもを取り巻く環境をより良くするための事業を手掛け、働く人にとっても働きやすい組織づくりを体現。子育てに優しい社会に変わるよう多角的に環境整備を行い、社会に貢献する。

<<お問い合わせ・ご質問等>>

株式会社コドモン
広報
080-7303-6026/080-4466-6738
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TEL: 03-6633-2802
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