毎日出てても便秘かも!? 小学生の“4人に1人”が便秘 入学シーズンに悪化しやすい“子どもの便秘“にご用心!

~【小児科医監修】 親子で取り組もう!今日からできる快腸習慣とは?~

■コロナ禍以降増えるストレス…小学生の4人に1人が便秘の疑いが

春先は、気温差も激しく、新生活へのストレスもあって自律神経が乱れ、便秘がちとなる人も多いのではないでしょうか?しかし実は今、大人だけでなく子どもにも便秘が増えています。NPO法人「日本トイレ研究所」が昨年11月に実施した調査(※)で、10日間の排便記録を分析したところ、小学生の4人に1人が、便秘の疑いがあることが判明。便秘が疑われる硬い便(「1 ころころ」または「2 ごつごつ」)が10日間で2回以上あった子どもが24.6%を占めました。

小児科医の杉原桂先生によると、「コロナ禍以降、家庭内環境が変わった、外で思いっきり遊べない、友達になかなか会えないなどのストレスにより、便秘を発症するケースが多く見られました。」と言います。

「脳と腸は、互いに影響を及ぼす『脳腸相関』の関係にあります。腸の蠕動運動を活発化させるのは「副交感神経」のため、心理的ストレスにより自分でも気づかないうちに「交感神経」が優位となると、腸の動きが鈍くなり、便秘を発症しやすくなるのです。」

※ NPO法人日本トイレ研究所「小学生の排便に関する記録調査」 

■入学シーズンのストレスで便秘はさらに悪化することも…

ストレスにより、便秘を発症してしまう子どもも見られる中、入学シーズンを迎えるこれからの季節は、特に注意が必要だと杉原先生は警鐘を鳴らします。

「コロナ禍のストレスに加え、入園・入学・新学期のタイミングは、生活環境が大きく変化し新たなストレスになることもあるため、特に注意してください。
①新生活の緊張
②学校のトイレに慣れない・恥ずかしい
③登校前にトイレに行く余裕がない 

これら3つの原因がさらに便秘を悪化させてしまう場合がありますので、便秘が気になる場合は、今のうちに対策をしておく必要があるでしょう。」

そこで今回は、子どもの便秘に詳しい、ユアクリニック秋葉原 院長 杉原桂先生に、子どもの便秘の現状と、親子でできる予防法について伺いました。

ご取材対応可能な先生

監修:杉原 桂 先生

医師、医学博士、日本小児科学会認定 小児科専門医、医師会認定産業医
ユアクリニック秋葉原 院長/医療社団法人 縁風会 理事長

昭和大学病院小児科などを経て、2015年、ユアクリニックお茶の水を開設。複数の大学医学部で講師を務める傍ら、日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」、TBS「グッとラック!」などメディア出演や医療監修も多数務める。  

■厄介な子どもの便秘・・・ほうっておいたら危ない理由とは?

便秘はよくある病気で、たいしたことではないと考えられがちですが、便秘を放置してしまうとどんどん悪化していき、様々な悪影響を及ぼすことがあると、杉原先生は言います。

①排便のガマンが悪循環となり“便秘の2重ループ”へ

「痛みを伴う排便を経験するとついつい我慢をしてしまい、 慢性的な便秘に発展してしまう場合があります。さらに、常に便が直腸にある状態が続くと、腸がだんだん鈍感になり、便意が起こりにくくなります。すると、ますます便が硬くなりたまってしまう、といった悪循環が起き”便秘の2重ループ”に陥ることも。この悪循環が続くと、直腸や結腸が次第に拡大して巨大結腸となり、大腸内に巨大な便の塊ができた結果、少量の便が漏れでる「遺糞症」となることもあります。」

②5歳以上の便秘患者の4人に1人が大人の便秘に移行

「また、5歳以上の小児期に来院した便秘患児の4人に1人が大人の便秘へ移行すると言われています(※)。成人期に便秘を持ち越さないためにも、早めの対応が重要です。」
※出典:『小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン』

■毎日排便があっても便秘かも!? 気付いてあげたいお腹の不調サイン

「子どもが便秘であっても、中々自己申告できません。特に低学年のうちは、親が排便の変化に気付いてあげる必要があります。子どもの便秘というと排便回数に目が行きがちですが、毎日排便があったとしても、便秘の可能性があります。」そこで、杉原先生に子どもの便秘の気になる症状をチェックシートにまとめていただきました。
また、お腹が痛い、おならが臭い、食欲が低下するなども便秘のサインと言われています。お子さんの毎日の状態を把握し、「いつもと違う」と感じた場合には、医療機関で診察を受けることをおすすめします。

■水分とっても良くならない!? 誤解だらけの子どもの便秘Q&A

子どもが便秘であったら、親は早く治してあげたいと思うもの。便秘というと水分や乳製品を摂ると良いと言われていますが、杉原先生によると医学的に明らかになっていないことも多いそう。良くある便秘のギモンについて解説いただきました

Q.水分はこまめに摂った方がよい?朝に一杯飲んだら効果的?

A.子どもに脱水症状がない場合、水分を多めに摂取しても尿として出てしまい、便通改善に効果があるといったエビデンスはありません。ただし、過剰な発汗(特に乳幼児)や基礎疾患の有無によっても異なりますので、心配な場合は医療機関に相談することをおすすめします。


Q. ヨーグルトは便秘に効果的?

A.ヨーグルトは、腸内環境を整え、人の身体に良い影響を与える乳酸菌が入ったプロバイオティクス食品。しかし、子どもの便秘に対する効果は医学的な結論が出ていないのが現状です。もしヨーグルトを食べてお腹の調子が良くなったのであれば、個人的には続けてもよいと考えています。


Q. 浣腸や下剤を子どものうちから使用すると癖になってしまう?

A.子どものうちから浣腸や下剤を使うことに対して、抵抗がある親御さんが多いように感じます。しかし、治療する上で一番重要なのが、直腸にたまってしまった便をまずは取り除いて空っぽにし、便意が起こりにくくなっている悪循環を断ち切ることです。子どものうちから使用することで、癖になる、排便の力が弱まるといったことは医学的根拠がありませんので、医師の診断・指導のもと正しく使用すれば問題ありません。

※出典:『小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン』

■子どもの便秘は親次第… 親子で取り組む快腸習慣とは?

厄介な子どもの便秘にならないためにはどうしたらよいのでしょうか?予防法について杉原先生に伺いました。「ずばり、子どもの便秘は親次第。便秘にならない生活リズムや食生活を整えてあげることが大切です。行動面と食事面、2つのアプローチから快腸習慣を作りましょう。また、便秘症状が続く場合は、早めに医療機関に受診し、たまった便を取り除くことが重要です。」

対策①:毎朝のトイレ時間「うんちタイム」を作ろう!

「朝食をしっかり摂り、トイレに行く時間をきちんと確保するためにも、夜更かし・寝坊は厳禁。規則正しい生活習慣と規則正しい排便習慣を心掛けましょう。ただし、子どものストレスになるような排便を強制する声かけは良くありません。便器に座るのは、長くても10分程度。まずは便器に座る習慣を身につけ、便が出たら子どもと一緒に喜んであげましょう。」

対策②:うんちが出やすくなるよう「踏ん張り台」を設置しよう!

「大人だけでなく子どもも排便時の姿勢が、便秘解消には大きく関係します。洋式トイレの場合、足が少し持ち上がる踏ん張り台を使うことで、直腸がまっすぐになり、うんちが出やすくなる場合がありますので、ぜひ試してみてください。」

対策③:いつもの食事に、「まいたけ」をプラスしよう!

「便秘解消には、バランスの良い食事が大切。中でも、食物繊維を積極的に摂取することをおすすめします。食物繊維「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があり、どちらも体内には吸収されませんが、第6の栄養素ともいわれるほど重要な役割を担っています。中でも「不溶性食物繊維」は、水分や老廃物などを吸着して、便のカサを増し、腸を刺激してぜん動運動を活発化させ、排便を促す役割があります。」
しかし、2019年に農林水産省が18~39歳男女約2000名を対象に朝食の内容を調査した結果によると、60%近くの人が「朝食は主食のみ」と回答。炭水化物に偏った食事をしており、子どもの食事も同様の傾向があると考えられます

「忙しい朝は特に、パンやご飯など炭水化物中心の食事になってしまいがちですが、野菜やきのこ類、海藻類、果物など、食物繊維が豊富に含まれている食品を一緒に食べることが重要です。中でもおすすめしたいのが、手軽に食べられるきのこ類。 
特にまいたけは、食物繊維が豊富なのはもちろん、骨の生成や風邪予防、アレルギーの抑制効果など、子どもの成長と健康に欠かせないビタミンDも豊富に含まれています。」

<まいたけのうれしい効果>

・他の野菜と比べ、まいたけは食物繊維が豊富
・中でも不溶性食物繊維が多いので腸の中で水分を含んで膨らみ便通を改善
・骨の生成、感染予防効果が期待できるビタミンDも豊富


■朝食はパン、休日は麺!? 炭水化物の多い食生活には「まい足し」がオススメ!

まいたけに含まれる不溶性食物繊維は、腸の中で水分を含んで便通を改善する作用があります。また、くせがなく歯ごたえもあるので、よく噛んで早食いを防ぐことで消化もサポート。パンや麺などにトッピングするだけで食物繊維を手軽に摂取できるまいたけレシピは、子どもでも食べやすい味付けに仕上げたのはもちろん、簡単で日持ちもする、使い勝手の良い絶品作り置きレシピです!

~朝食のパンやお弁当のサラダにもピッタリ!~

「まいたけのサバマリネ」

●材料(作りやすい分量)
まいたけ:1パック エリンギ:1本 サバ缶:1缶 
赤玉ねぎ:1/4個 イタリアンパセリ:1本 
ニンニク:1かけ 輪切り唐辛子:お好みで 
オリーブオイル:大さじ1 塩:小さじ1/4 黒こしょう:少々 
A・・・レモン汁:大さじ1 マヨネーズ:大さじ2

●作り方
① まいたけ、エリンギは粗めのみじん切りに、赤玉ねぎ、イタリアンパセリ、ニンニクはみじん切りにする。
②フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、①のまいたけ、エリンギ、ニンニクを加えて炒める。
③②に輪切り唐辛子を加え、塩・黒こしょうで味を整える。
④ボウルに②と水気を切ってほぐしたサバ缶、赤玉ねぎ、イタリアンパセリ、Aを加えてざっくりと和える。


★ポイント

食物繊維が豊富なまいたけに、潤滑油の役割と腸内環境を整える働きのあるオレイン酸を含むオリーブオイルを加えること、便秘改善効果が期待できる1品。細かく刻んだマリネは、茹で玉子やハムなどと合わせてサンドしたり、チーズを乗せてトーストしたりとバリエーションもたくさん。

サンドイッチの具に
サンドイッチの具に

ブロッコリーや茹でたマカロニと和えて、サラダとしてもおいしく召し上がっていただけます。また、まいたけやサバ缶はビタミンDも豊富。免疫機能の調整や丈夫な骨を作る働きもあるため、お子様の成長にも嬉しい栄養素が含まれています。


~お子様も大好きなカレー味で栄養をプラス!~

「豚肉とまいたけの甘辛カレー煮」

●材料(作りやすい分量)
豚バラ肉:200g まいたけ:1パック 
A・・・生姜:1かけ 醤油:大さじ2 みりん:大さじ1 
    砂糖:大さじ1 酒:小さじ1 水:50ml
カレー粉:大さじ1

●作り方
①小鍋にAを入れ、中火で煮立たせる。
②一口大に切った豚バラ肉、手でほぐしたまいたけを加え、混ぜながら中火で3分ほど、水分が半分程度になるまで煮込む。

★ポイント

子どもの好きな食べ物ランキングで不動の1位を誇るカレーを、作り置きレシピにしてアレンジしてみましょう。麺類はもちろん、炭水化物中心になりがちなご飯のトッピングにもオススメです。温かいうどんに、甘味のある春キャベツと温かい汁を合わせて「甘辛カレー煮」をトッピング。

うどんにトッピング
うどんにトッピング

キャベツの食物繊維もプラスして便秘解消に。お好みで小葱を散らしても◎。パスタなら、茹でたパスタ+オリーブオイルに「甘辛カレー煮」と水切りしたヨーグルトを合わせると、さわやかな味わいに。腸内環境を整える働きもプラス。


ご取材対応可能な先生

監修:浅野 まみこ 先生

株式会社エビータ 代表取締役 管理栄養士 

総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて18,000人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、健康経営サポートや商品開発、人材育成、健康サービスコンサルティングを得意とする。実践型栄養アドバイスが人気を呼び、「コンビニ外食健康法」 「大人の食育」 などの講演で、年間100時間以上、全国をとび回っている。NHK「おはよう日本」、TBS「名医のTHE太鼓判」を始め、メディアや雑誌に多数出演。新著に「コンビニ・ダイエット」(星海社)「血糖値を下げる夜9時からの遅ごはん」(誠文堂新光社)、5年間連載する夕刊フジ「きょうから実践 外食・コンビニ健康法」など多数。