座間事件は防げなかったのか『文藝春秋』で話題の記事を電子書籍化「子どもに『死にたい』と言われたら」１月10日（水）発売！

2018-01-09 13:15

　株式会社文藝春秋・電子書籍編集部では、電子書籍オリジナル「悲劇は防げなかったのか子どもに『死にたい』と言われたら　文春e-Books」（尾木直樹×岩波明×石川結貴）を１月10日（水）に配信します。

　昨年10月末、アパートで女性８人、男性１人、計９人もの切断遺体が発見された座間市での殺人事件は世間に大きな衝撃を与えました。この事件では、被害者の多さや陰惨さとともに犯人の白石隆浩容疑者が自殺願望のある若者たちをSNSで言葉巧みに誘い出し、犯行へと及んでいたという事実にも注目が集まりました。SNS上でなぜ彼、彼女たちは「死にたい」と発信していたのでしょうか。この問題について、「子どもに『死にたい』と言われたら」では、教育評論家の尾木直樹氏、精神科医の岩波明氏、ジャーナリストの石川結貴氏がそれぞれの専門の立場から徹底的に討論しました。いまの若者たちとネット社会のあり方やそのひずみ、大人たちはどう若い世代と接していくべきなのか、識者３人の言葉には思わず耳を傾けたくなること間違いなしです。こちらは「月刊文藝春秋」１月号に掲載され話題となった記事を電子書籍化したものです。

〔本文から抜粋〕
・教師たちはネットのリスクを子どもたちに教えることができていません。スマホの使い方は家庭で教えるもの、と考えている教師が圧倒的に多い。（尾木直樹）
・大切なのは、子どもの話を傾聴することだと思います。ただひたすら一緒にいて、寄り添ってあげることが必要です。（岩波明）
・大切なのは、死にたいほど辛いことをなくすためにどうしたらいいのか、その具体的な方法を一緒に考えることなのではないでしょうか。（石川結貴）

著者プロフィール
尾木直樹（おぎ・なおき）
１９４７年滋賀県生まれ。教育評論家。臨床教育研究所「虹」所長。早稲田大学卒業後、海城高校、公立中学校教師として「子育てと教育は愛とロマン」をモットーに、ユニークで創造的な教育を22年にわたり実践。２００４年に法政大学キャリアデザイン学部教授に就任、12年から同大学教職課程センター長・教授に。17年３月に退官。「尾木ママ」の愛称で親しまれ、講演活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中。著書に『叱らずしつけ21のコツ』（主婦の友）、『取り残される日本の教育わが子のために親が知っておくべきこと』（講談社＋α新書）、『尾木のママで言わせていただくワ』（文藝春秋）などがある。

岩波明（いわなみ・あきら）
1959年神奈川県生まれ。昭和大学医学部精神医学講座主任教授（博士）。東京大学医学部卒業後、都立松沢病院などで臨床経験を積む。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学精神医学教室准教授などを経て現職。2015年より同大学附属烏山病院長を兼任、ADHD専門外来を担当。精神疾患の認知機能障害、発達障害の臨床研究などを主な研究分野としている。著書に『狂気という隣人精神科医の現場報告』（新潮文庫）、『大人のADHD もっとも身近な発達障害』（ちくま新書）、『精神鑑定はなぜ間違えるのか？再考昭和・平成の凶悪犯罪』（光文社新書）、『発達障害』（文春新書）などがある。

石川結貴（いしかわ・ゆうき）
静岡県生まれ。ジャーナリスト。家族・教育問題、青少年のインターネット利用、児童虐待などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、出版のみならず新聞連載、メディア出演、講演会など幅広く活躍中。著書に『スマホ廃人』（文春新書）、『子どもとスマホ―おとなの知らない子どもの現実』（花伝社）、
『ルポ居所不明児童―消えた子どもたち』（ちくま新書）、『ネトゲ廃女』（リーダーズノート）などがある。公式ホームページhttp://ishikawa-yuki.com/