茨城県の農繁期を労働力シェアで支援
~農家と求職者のスキマ時間をマッチング~
総合人材サービスのパーソルグループで1日単位のお仕事紹介プラットフォーム「シェアフル」を提供するシェアフル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:大友 潤、以下シェアフル)は、就農者不足・後継者不足に直面する農業の課題を解決するため農家と求職者のマッチング事業を推進しており、6月10日(水)より新たに、茨城県の農家の生産・流通・販売におけるマッチング支援を正式に開始いたします。
農業における就農者・後継者不足が年々深刻化、繁忙期の人材確保に労働力シェアを活用する動き
昨年総務省が出した勧告※1では、2005年に256万人だった基幹的農業従事者※2数は2018年に145万人となり、23年間で43.3%も減少しました。また、基幹的農業従事者計145万人のうち98.7万人(68%)が65歳以上と就労者の高齢化が進み、就農者・後継者不足が深刻となっています。一方、就農者人口拡大に向け、外国人や障害者など多様な人材の登用検討が進んでいますが、農業領域における外国人技能実習生約2,500名※3が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け来日見込みが立たないなど、生活者のライフラインである農業を支える仕組みが整っておらず、人材確保が重要課題となっています。
このような状況の下、近年は繁忙期に絞った人材の確保に注目が集まっているほか、最近では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のために休業している他業種の従業員が一時的に農作業を行うなど、農業領域における労働力シェアの動きが広がっています。
そこで、この度シェアフルは、全国最多の販売農家数をもちレンコンやメロンの出荷量が日本一である茨城県※4の農業領域において、繁忙期の人材確保、および労働力シェアを後押しすべく、“短時間・短期間のお仕事紹介”というサービスの強みを生かし、農家が必要な時に必要な分だけ労働力を確保できる仕組みの提供を開始します。これにより、茨城県の農業人材不足問題を解決するとともに、これまで農業に携わることのなかった人々が空き時間を活用して関わる機会を創出することで、就農者人口の拡大も目指してまいります。
※1: 総務省「農業労働力の確保に関する行政評価・監視 -新規就農の促進対策を中心として- 結果に基づく勧告」https://www.soumu.go.jp/main_content/000607927.pdf(2019年3月22日発表)
※2: 自営農業に主として従事した世帯員(農業就業人口)のうち、ふだんの主な状態が「主に仕事(農業)」である者
※3: 農林水産省 経営局就農女性課の調査より(2020年5月20日時点)
※4: 茨城県農林水産部「茨城県農林水産業の概況」https://www.pref.ibaraki.jp/soshiki/nourinsuisan/documents/ibaraki_nourinsuisangyo_gaikyo_r105.pdf(2019年5月発表)
■ 労働力シェア事業開始の概要
シェアフルは、「スキマ時間を価値に変える」を掲げ、短期間・短時間の仕事に特化した、柔軟な働き方を望む個人と必要な時に必要な分だけ人材を活用したい企業をつなぐオンデマンドマッチングプラットフォームです。アプリダウンロード数は312,000名以上、ユーザーの就業可能枠数※5は累計1,262,700日以上(2020年5月31日現在)であり、個人が自分の希望や経験に合った仕事を迅速に探すことができるサービスです。
今回、シェアフルが茨城県の農業領域でマッチング事業を開始することにより、農家が抱える繁忙期の労働力不足の解決とともに、これまで農作業を行う機会がなかった人々が農業を身近に感じる機会を創出することが可能になります。農作業の仕事内容として「草むしり・草刈り」「定植」「マルチ剥ぎ」「収穫」「仕分け」「梱包」「販売」「出荷」等を予定しています。
※5: シェアフルのユーザーが、シェアフルに登録している就業可能日
■茨城県土浦市でレンコンの栽培・収穫を通年で行っている野口れんこんからのメッセージ
野口れんこん/野口 重典氏
●シェアフルを活用したきっかけ
当園では、通年でレンコンの栽培・発育を行っており、常時、人材を必要としている状態でした。農作業に「大変である」というイメージを持っている方も多いと思ったため、まずは短時間でも農作業に触れて頂ける機会があればと思い、シェアフルのサービスを活用させていただきました。
●シェアフルを活用する意義
農業以外にもオフィスワークや飲食業など、多種多様な職種を扱っているシェアフルのような求人サービスを活用することで、普段「農作業」をやってみようと思わなかった方が農業を知るきっかけが作れると思います。農作業未経験の方でもやれるお仕事だけをお任せできることにも魅力を感じています。
●シェアフルを活用することで、今後期待したいこと
茨城県土浦市はレンコンの生産量日本一を誇っていますが、当園以外にもご高齢の方や外国人技能実習生の方が多く就業している状況です。今後、土浦市の未来そして日本の農業の未来を考えていく上では、若い方にも農業に参画してもらいたいと思っており、シェアフルは短時間で決まったお仕事をお任せするにはぴったりのサービスだと思います。まずは、ご自身が空いている時間だけでもいいので農作業に触れてもらい、農業を好きになってもらうきっかけを作りたいです。結果として、実際の仕事として長期的に就業してくれる方が増えていくことに期待します。
■昭和41年に材木販売業、平成16年に農業部門をはじめた株式会社瀧田興業のメッセージ
株式会社瀧田興業/滝田 賢治氏
●シェアフルを活用したきっかけ
普段、経営と農作業に没頭している身として、シェアフルは求人の手間が発生しない、面接に時間を割かずに済む、就業した際にしか費用が発生しないというように、とてもメリットがあるサービスだと感じました。農業を営む方々は人材採用をどう工夫してよいか悩んでいらっしゃる方が多いかと思いますが、シェアフルは費用対効果がありぴったりのサービスだと感じます。
●シェアフルを活用する意義
若い方を積極的に採用したいと考えていますが、若い方は「オフィスワーク」に就業し、農業にはイメージそのものを持っていない方が多いのではと思っています。シェアフルでは農業以外の職業もたくさんご紹介されているので、弊社の農業部門と建設業部門における多種多様な職種も一度に紹介することができるかなと考えています。まずは働いていただく方自身で興味がある職種を選び、最終的に双方の部門でスキルアップを目指せるような状態が作れると思いますね。
●シェアフルを活用することで、今後期待したいこと
弊社の従業員の平均年齢が高いこともあって、まずは若い方をどんどん採用して会社を若返らせたいと考えています。また、そうした企業が周りに増えることによって地域自らが成長していく機会になると思うんですよね。より多くの若い方たちに物を育てて物を売る喜びを知ってほしいですね。
■今後の展望
シェアフルでは農業が直面する労働力不足という課題にも積極的に解決策を提示していきます。茨城県内で農業関係人口の創出、茨城県民の週末農家支援のような柔軟な働き方ができるようにするなど支援策のバリエーションを拡大する予定です。さらに全国でも、農業に携わる関係者の就農者不足・後継者不足の問題を解決できるプラットフォームを目指し、取り組みを続けてまいります。
なお、山梨県では4月30日(木)より、長野県では5月25日(月)より取り組みを開始しております。
山梨県・長野県での取り組みについて詳しくは、下記のプレスリリースをご覧ください。
■シェアフル株式会社について
シェアフル株式会社は「スキマ時間を価値に変える」をビジョンに、パーソルホールディングス株式会社とフリーランス総合支援プラットフォームを提供するランサーズ株式会社が2019年1月に設立した合弁会社です。短期間・短時間の仕事に特化したオンデマンドマッチングプラットフォーム「シェアフル」を提供することで、労働シェアリング市場の拡大を目指します。
■「PERSOL(パーソル)」について
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」をはじめ、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様なサービスを展開しています。
また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも取り組んでおり、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、ITイベント情報サイトおよびイベント&コミュニティスペース「TECH PLAY」、オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」、クラウド型モバイルPOSシステム「POS+ (ポスタス)」などのサービスも展開しています。
【本件の取材に関するお問い合わせ先】
シェアフル株式会社 広報担当 press@sharefull.com
TEL:03-6478-1760 FAX:03-6370-7475