研究業績か?それとも就職率か? 国公立大と私立大・短大で経営に意識の差
定員割れの大学が続出する中、大学経営も見直しを迫られております。経営コンサルティングの船井総合研究所では、全国の大学・短期大学計150校に対し「大学ブランドに関するアンケート」を行いました。その結果、国公立大と私立大・短大との間で顕著に表れた「意識格差」について発表いたします。
■ 国立大は「社会還元」を、私立大・短大は「就職対策」を意識している
大学側が認識する「大学のブランドを構成する要素」について21の選択肢の中から回答を求めた(複数回答)結果、国立大、公立大、私立大、短大ともに「卒業生の活躍」「大学の知名度・認知度」「大学の歴史・伝統」の3つが上位を占めた。
ただし4番目以下に挙がる要素では国立大は「研究業績」が筆頭に挙がるのに対し、公立大、私立大、短大では「就職率」が筆頭となり、国立大とそれ以外の大学では、意識している要素の違いが明確化した。
全般的に国公立は「研究業績」「社会貢献」など社会還元に関する要素が上位に挙がっているのに対し、私立大・短大は「就職率」「資格取得」など在校生の実益に関する要素が上位に挙がっている。
■ 産学連携に意欲的なのは私立大よりも国立大
近年、大学においても「顧客」や「ステークホルダー」という考え方が浸透しつつある。そこで、大学側が認識する「大学にとっての顧客」について7つの選択肢の中から回答を求めた(複数回答)ところ、国立大、公立大、私立大、短大ともに「在校生」と答える回答が最も多かった。
選択肢の中で差が生じたのが「産業界」であり、国立大の70%を超える大学が「企業を顧客」として認識している一方、公立大、私立大、短大では「産業界」を顧客と捉える大学は40%に満たず、ここでも国立大とそれ以外の大学の意識の格差が明確化した。
「大学ブランドに関するアンケート」集計結果 お問い合わせ先
株式会社船井総合研究所 第八経営支援部 照井
TEL 03-6212-2933 FAX 06-6212-2947
E-mail teruih@funaisoken.co.jp
本調査の「結果報告」は下記ウェブサイトにPDFファイルで置いてあります
http://www.funaisoken.co.jp/ir/news.html