俳優が演じたセットで「ぷち俳優体験」できるイベント「ドラマトライアル」9月21日・23日開催　題材は多様性と共生がテーマの作品

2024-07-31 14:15

品川区に劇場を構える演劇集団・Prayers Studio(品川区戸越6-23-21-201　代表：渡部朋彦)では、9月21日・23日に“新しい演劇の楽しみ方”「ドラマトライアル」を開催します。俳優が演じる作品を観劇した直後、今度は観客が同じセットの中で台本を読み、演じる体験ができるワークショップ付き公演です。プロ俳優がナビゲーターを務めますので、「カラオケ感覚で、でも本格的な体験ができる」と好評をいただいております。今回の題材作品はアカデミー賞・ゴールデングローブ賞なども受賞し映画監督としても名高いマーティン・マクドナー氏の傑作「The Cripple of Inishmaan」。アイルランドの島を舞台に、“かたわ”のビリーと呼ばれる青年を中心とした人々の生きざまを描きます。アイルランド大使館の後援イベントです。シルバーウィーク中、同劇場にて作品の上演のみの公演も行っています。

「僕と同じようなカタワ者がここにははたくさんいる、ただ外見では分からないだけなんだ。」
多様性と共生、現代社会で失われつつある人間同士の繋がりを描く。

開催ごとに演目がかわるドラマトライアル、今回の題材作品はマーティン・マクドナー作・「The Cripple of Inishmaan」。1934年のアイルランド・イニシュマーン島を舞台に、『“かたわ”のビリー』と呼ばれる、その名の通り障害を抱える青年と個性豊かな住民たちがある事件を通してそれぞれの想いを開示していく…そんな物語です。

現代社会では、コミュニケーションはどんどん希薄になり、他者と関わることが苦手となった人が増えていると言われています。便利さと反比例して人と直接かかわる機会は減り、さらにコロナ禍によってますます拍車がかかりました。マスクを外すことを苦手と感じる人も増えたそうです。またかつての日本は、自分と異なる他者に対する姿勢も現代よりずいぶんと寛容でした。異なる者への“排除”の姿勢も年々大きくなっているように感じます。これでは人々の“分断”はますます進む一方です。

この物語の舞台は時代も国も異なるものの、どこか普遍的で懐かしく感じる人間同士の温かな繋がりが描かれます。“関わることは苦手”と思いながらも、実はそんな繋がり、温かさを求める現代人は多いのではないだろうかとPrayers Studioは考えます。
「ドラマトライアル」では、ただセリフを読むだけではなく、相手役とのやりとり、その中で必然的に発生する心のコミュニケーションを大事にしています。かねてより「日常生活よりもはるかに濃いコミュニケーションができた」と好評をいただいているイベントです。
また、「自分とは違う他者の目線で物事を見ることで、見えるものがかわってくる」との感想もよくいただいており、この物語やイベントを通して現代社会では中々機会の減ってしまった深いコミュニケーションを体験したり、他者との共生について考えたりできる場を提供できれば幸いです。