<自転車の安全利用促進委員会レポート> 自転車事故件数全国1位の大阪府で、 大阪府内の小学校~高等学校教員約100名が参加 大阪府教育庁主催『交通安全教室』に 自転車ジャーナリスト遠藤 まさ子氏が登壇しました
自転車のルール・マナー等の正しい利用方法と、メンテナンスの重要性を啓発する「自転車の安全利用促進委員会」のメンバーである遠藤 まさ子氏が、2018年11月14日(水)大阪国際交流センターで行われた大阪府教育庁が主催する「交通安全教室」に登壇し、自転車通学指導についての講演を行いましたので、ご報告いたします。
大阪府は自転車による事故件数が全国で最も多い都道府県であり、更に中学生の通学時の自転車事故件数は全国13位、高校生の通学時自転車事故件数は8位となっており、全国に比べても通学時の自転車事故が多い都道府県です。
近年、中高生が通学で自転車乗車中に事故に遭い、被害者になるだけではなく、加害者になってしまうケースが多く発生しています。それ以外にも、スマートフォンやイヤホンなどの“ながら運転”での事故も話題になっていることから、学校での自転車通学指導はより重要なものとなってきています。本教室には、大阪府内の小学校から高等学校までの教員約100名が参加しました。
交通安全教室内では、先ず、大阪市立大学 大学院 工学研究科 吉田 長裕 准教授により、「国内外事例から見た学校における交通安全教育の進め方」についての講演の後、次に大阪府警察本部 交通総務課 自転車対策室 山川 勝 警部補より、「自転車関連交通事故防止対策」についてお話しいただきました。
自転車ジャーナリスト遠藤 まさ子氏からは、近年発生した中高生による自転車事故事例などを解説し、全国の自転車通学指導事例を具体的に紹介しました。
さらに、法令順守などルール・マナーに関する指導はもちろんのこと、自転車の定期メンテナンスなどの自転車自体の安全性に関する指導も重要なことに触れ、実際に自転車通学生の自転車を教員が一斉点検する学校の事例や、毎年自転車安全整備店の協力を得て自転車通学の生徒全員の自転車の整備・点検を実施している事例、90項目以上の安全基準をクリアした証であるBAAマークの付いた自転車を推奨車とする案内を家庭に配布している事例などを紹介しました。また、指導に活用できる動画教材なども併せて紹介し、教員の皆様には非常に真剣に耳を傾けて頂きました。
自転車通学指導セミナーに参加した教員の感想
- 自転車安全指導について、多くのデータや画像を用いて説明していただき、わかりやすく聞くことができた。
- 事故の統計・ルールのポイント・指導のポイントなど具体的に説明していただいた。動画でも説明いただいた自転車安全講習会に関しては、自分の学校でも取り入れ、役立てたいと思う。
遠藤 まさ子氏講演の様子
交通安全教室に参加した先生方
※データ詳細をご希望の際はご連絡ください
参考資料
・交通安全教室 プログラム・演題名称
(1) 「国内外事例から見た学校における交通安全教育の進め方」
(大阪市立大学 大学院 工学研究科 吉田 長裕 准教授)
(2) 「自転車関連交通事故防止対策」
(大阪府警察本部 交通総務課 自転車対策室 山川 勝 警部補)
(3) 「全国の事例から学ぶ、自転車通学指導」
(自転車の安全利用促進委員会 遠藤 まさ子氏)
・“BAAマーク”とは
BAAマークは、一般社団法人自転車協会が制定し、同協会が定める自転車安全基準に適合した製品に貼られています。BAAマークの自転車安全基準は全部で約90項目もあり、安全・安心な自転車の目印として認知されています。
・遠藤 まさ子(えんどう・まさこ)
自転車の安全利用促進委員会メンバー、自転車ジャーナリスト。自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い、各誌に寄稿している。テレビ・新聞・雑誌などの各種メディアでコメンテーターとして登場する機会も多い。