データセンター電力：市場シェア分析、産業動向と統計、成長予測（2025年～2030年）
株式会社グローバルインフォメーション（所在地：神奈川県川崎市、代表者：小野悟、証券コード：東証スタンダード 4171）は、市場調査レポート「データセンター電力：市場シェア分析、産業動向と統計、成長予測（2025年～2030年）」（Mordor Intelligence）の販売を4月9日より開始しました。
データセンター電力市場規模は2025年に260億米ドルと推計され、予測期間（2025-2030年）のCAGRは6.87%で、2030年には362億5,000万米ドルに達すると予測されます。
人口がますます増加し、デジタルインフラへの依存度が高まるにつれて、データセンターのニーズは高まっています。世界的に生産されるデジタルデータの量は急速に増加しています。
主なハイライト
ネットワークの進化とカバレッジの拡大に伴い、5Gは広帯域かつ低遅延のデータ伝送を必要とする新たなエッジユースケースを実現する主要な役割を果たすと予想されます。ハイパースケール・プロバイダーは、配電盤（PDU）による次世代の自動化を求めており、このシフトに対応するために進化を遂げようとしています。容量の増加とスペースの縮小に伴い、PDUはモジュール化と安全性の向上に重点を置いて構築されています。
データとそれぞれのアプリケーションの継続的な増加に伴い、ストレージ容量を増加させる必要性は、ほとんどすべての主要企業にとって重要となっています。エッジ・デルタ社によると、生成されるデータ量は約120ゼタバイトで、これには1日に生成される33万7080ペタバイト（PB）が含まれます。
さらに、Al、ロボット工学、IoT、その他の技術の取り込みも増加すると予想されます。この側面は、遠隔地におけるデータセンターの開発をサポートすると思われます。PDUやUPSのような重要なコンポーネントは、データセンターのオペレータがデータ停止を減少させ、電力要件の体系的な管理を確保するのに役立ちます。データセンターの普及に伴い、バックアップ電源ソリューションの使用も増加すると予想されます。
直流電源ソリューションの需要は、直流環境における配電ユニット、スイッチ、UPSなどの電源コンポーネントの設置費用やメンテナンス費用の必要性を高めています。これは、世界中の直流事業者がCAPEX予算に限りがあるため、先進的な直流電源ソリューションを採用する上で大きな課題となり、今後の市場成長の妨げになる可能性があります。
データセンター電力市場の動向
UPSが最も急成長するソリューションタイプに
重要なIT機器の場合、大規模データセンターでは集中型の大容量無停電電源装置を電源保護に使用しています。最新の電源保護技術を統合することで、これらのシステムは信頼性と効率の面で新たなレベルに達しています。データセンターの最も信頼性の高いタイプであるUPS（オンライン・ダブル・コンバージョン）は、バックアップ発電機からの電力を含むさまざまな入力条件に対応できる一方で、必要な負荷にコンピューター・グレードの出力を供給することができます。
GSMAによると、モノのインターネット（IoT）の接続数は2020年から2030年にかけて増加し、2030年には合計240億の企業IoT接続が予想され、ソーシャルメディアとともに、世界中で生成・保存されるデータ量が指数関数的に増加しています。データセンター・インフラに対する需要や、エネルギー効率の改善、コスト削減、パフォーマンス向上のための新技術やイノベーションへの投資は、こうしたデータ生成量の増加によって刺激されています。
さらに、アジア太平洋地域におけるデジタル化の進展は、同地域のデータセンター数を増加させ、同地域のUPS需要に寄与しています。さらに、需要の増加に対応するUPSの技術革新の高まりが、市場成長率を押し上げると分析されています。
例えば、2023年7月、ABBインドのElectrification事業はデータセンター向けの革新的なUPSソリューションを発表しました。この世界初の持続可能なUPSは、ABB EcoSolutionsポートフォリオの一部であり、ABBの循環型フレームワークに準拠しています。このUPSは、最大の効率と最小の設置面積を備えた高密度コンピューティング環境向けに設計されました。これは、ABB電化のスマートシティ向けミッション・トゥ・ゼロ（Mission to Zero）に合致しています。これは、すべての人がゼロエミッションを実現することを想定しており、世界中のデータセンター業界にスマートで安全かつ持続可能な電力技術を提供するというABBの献身を強調するものです。
成長が期待されるアジア太平洋地域
中国経済は、eコマース、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、人工知能の拡大に牽引され、急速なデジタル変革を目の当たりにしています。このデジタル活動の急増により、全国のデータセンターの数と規模が大幅に増加しました。
さらに中国政府は、経済成長、イノベーション、国家開発目標を支えるデータセンターの戦略的重要性を認識しています。インターネット・プラス」構想や第14次5ヵ年計画の一環として、政府はデータセンターを含むデジタル・インフラに多額の投資を行い、投資誘致のためのインセンティブを提供しています。
日本ではeコマース、ストリーミング・メディア、オンライン・ゲーム、ソーシャル・ネットワーキングなどのインターネット・サービスへの依存度が高まっており、データセンターの高可用性と高信頼性へのニーズが高まっています。インターネットの利用が増加し続ける中、日本のデータセンター事業者は、データセンター内のダウンタイムを防ぎ、中断のない運用を確保するため、電力ソリューションに投資しています。
さらに、日本の都心部では人口の急増と都市化が進んでおり、東京、大阪、名古屋などの大都市にあるメガクラウド・プラットフォーマーに代表されるビッグデータを生成するクラウド・サービスや世界・クラウド・サービス・プロバイダーに対する需要の高まりにつながっています。IoTセンサー、スマートグリッド、エネルギー管理システムの導入など、スマートシティへの取り組みには、その実装をサポートする信頼性の高いデータセンター電力インフラが必要です。そのため、データセンター企業は電力機器メーカーと協力して市場シェアを拡大しています。
データセンター電力市場の概要
データセンター電力市場は細分化されており、複数のベンダーが存在しています。各ベンダーは、M&A、提携、パートナーシップなど、さまざまな戦略を採用しています。政府機関や民間のデータセンター建設ではさまざまな取り組みが行われており、激しい競争が繰り広げられています。主なプレーヤーは、Schneider Electric SE、富士通株式会社、Cisco Technology Inc.、Eaton Corporation、ABB Ltd.などです。
2023年10月、ABB Ltd.はUPSシステムの認定サプライヤーとしてZincFiveを追加したと発表しました。ZincFiveは、リチウムイオンや鉛酸と並ぶバッテリーオプションとしてニッケル亜鉛を提供し、現在ABBの無停電電源装置の一部として設置・サポートされています。
2023年10月、バーティブはアメリカン・エレクトリック・パワー（AEP）と提携し、バーティブ・カスタマー・エクスペリエンス・センターを開設。バーティブの1.0メガワット（MW）マイクログリッドには、無停電電源装置（UPS）システム、リチウムイオン電池、システム制御装置、その他の重要なコンポーネントが含まれており、ミッションクリティカルな電源システム向けにマイクログリッドとエネルギー貯蔵システムの役割を評価する顧客の需要に対応しています。
その他の特典：
・エクセル形式の市場予測（ME）シート
・3ヶ月間のアナリストサポート
目次
第1章 イントロダクション
第2章 調査手法
第3章 エグゼクティブサマリー
第4章 市場洞察
第5章 市場力学
第6章 テクノロジー展望
第7章 市場セグメンテーション
第8章 競合情勢
第9章 投資分析
第10章 市場の将来
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