防災のためだけじゃない!キッチンから始める 日常に取り入れるのが賢い簡単ローリングストック術
料理研究家で防災士の島本美由紀先生考案レシピを公開
食品加工処理と紙容器充填包装システムの世界的なリーディング・カンパニーである、日本テトラパック株式会社は、料理研究家で防災士の島本美由紀先生にご協力いただき、家庭によくある食料品とローリングストックを日常に取り入れるのに便利なロングライフ紙パックでつくる簡単ローリングストック料理レシピを考案しました。
ここ数年、防災意識の高まりや環境に配慮した食品ロス削減の考えから、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した分を買い足す、「ローリングストック」という考え方が広がってきています。さらに最近では「ローリングストック」を“防災のための特別な方法”と意識するのではなく、当たり前のこととして日常的に「ローリングストック」を取り入れている方も多くなってきています。
新生活のバタバタが落ち着くGWの連休前はキッチンまわりを見直すタイミング
新生活がスタートしてあっという間にひと月が経とうとしています。しばらくバタバタしていたという方も少し落ち着いてキッチンまわりを見直してみる絶好のタイミングです。
2024年は新年早々、能登半島地震もあったため防災意識が高くなったという方も多いのではないでしょうか。報道を見て早速、防災食を購入したという方も少なくないかもしれません。しかし毎日忙しい日々を送っていると、年始に購入したばかりの防災食でも消費期限を忘れてしまいがちです。2023年の5月には震度5弱以上の地震が6回発生しました。昨今の日本ではいつ自分が自然災害の当事者になってもおかしくありません。ローリングストックを防災のためではなく、当たり前に日常にあるように普段から取り入れていくことが重要です。GWを前に一度キッチンまわりを見直してみませんか。
料理研究家・防災士
島本美由紀先生がおススメ!日常に取り入れるローリングストック
災害用に食品を備蓄していると気付いたら期限切れということが増えてきます。災害のために食品を買うのではなく、日常使いできるものをストックして使いながら回していくのが大切です。
ローリングストック向きの食品は?
(1) 家庭でよく使われ、家族が好きなものであること
「家庭でよく食べられるもの、かつ家族が好きなもの」というのは大切なポイントです。普段食べない物は、非常時にもなかなか手が伸びないものです。
(2) 常温・長期保存できるものであること
常温・長期保存ができて、かつ家族でよく食べられるものをストックしておけば、買い物が面倒な時に利用するなど様々なシーンで役立ちます。
(3) 栄養補完できるものであること
本格的な「防災食」は、主食・主菜になるものが多く、手軽で「お腹を膨らませる」ことを目的としていることが多いです。それだけでは主食系ばかりで、栄養バランスが崩れてしまう可能性があります。
防災食のトレンドも変化
防災食といえばひと昔前は食品を乾燥させたカンパンなどが代表的なイメージでしたが、その後、普段から食べなれている缶詰やインスタント食品が主流になってきました。ただ缶詰やインスタント食品は主食や・主菜になるものが多いので、最近では常温で長期保存ができるロングライフ紙パックの食品が栄養補完もできて、災害時だけでなく、家事もラクになるので、ローリングストックにぴったりのアイテムとして人気が高くなってきています。
◆冷凍保存した食品も上手に活用
ほかにもサンドイッチやイチゴやりんごなどを普段から冷凍保存しておくのもローリングストックにおすすめ!取り出して数時間置いておけばそのまま食べることができるので包丁や火を使う必要もありません。冷凍保存しているものを普段から少しずつ食べながら足りなくなったら補充しましょう。
ローリングストックを日常に!
家庭によくある食材とロングライフ紙パックの食材で作る簡単レシピ
●ホームパーティーやワインのおともに最適「フムス(ひよこ豆のペースト)」
材料(作りやすい分量)
ひよこ豆の水煮 1パック(380g)
オリーブオイル 大さじ1
パセリ(みじん切り) 適量
パプリカパウダー 適量
クミンパウダー 適量
好きなパン 適量
[材料A]
プレーンヨーグルト 大さじ3
ねりごま(白) 大さじ1と1/2
オリーブオイル 大さじ1と1/2
レモン汁 大さじ1/2
塩・おろしにんにく 各小さじ1/3
作り方
(1) フードプロセッサーに煮汁を切ったひよこ豆とAを入れ、なめらかになるまで撹拌する。
(2) 器に(1)を平に盛り、スプーンでくぼみを作ったら、オリーブオイルを流し入れる。
(3) パセリ、パプリカパウダー、クミンパウダーを振り、パンを添える。
●休日のちょっと遅めの朝食にぴったり「パンDEグラタン」
材料(1人分)
食パン(6枚切り) 1枚
牛乳 150ml
コーンクリームスープの素 1袋
ピザ用チーズ 20g
ドライパセリ 適宜
作り方
(1) 食パンは6等分に切る。
(2) 鍋で牛乳を温め、コーンクリームスープの素を加えよく混ぜる。
(3) 耐熱皿に(1)を並べて(2)を注ぎ、ピザ用チーズを乗せる。
(4) トースター(1000w)で、焼き色がつくまで5分ほど加熱し、あればドライパセリを振る。
●簡単ナゲットで晩ごはん!豆腐でかさまし&節約「豆腐のナゲット」
材料(作りやすい分量)
絹豆腐 1パック(250g)
鶏ひき肉 250g
ケチャップ 適量
[材料A]
片栗粉 大さじ2
マヨネーズ 大さじ2
顆粒コンソメ 小さじ2
おろしにんにく 少々
作り方
(1) 豆腐はペーパーで包んで軽く水気を切る。
(2) ボウルに(1)と鶏ひき肉、Aを入れ、粘りが出るまでよく混ぜる。
(3) スプーン2本を使って(2)をひと口大に丸め、170度の油で表面がきつね色になるまで3~4分ほど揚げる。
島本美由紀 先生(料理研究家・防災士)
旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、誰もがマネできるカンタンで楽しい暮らしのアイデアを提案。
防災士や食品ロス削減アドバイザーとしても活動し、ラク家事アドバイザー、食品保存&冷蔵庫収納アドバイザーなどの肩書を持つ。令和3年消費者庁主催の食品ロス削減推進大賞審査において、審査委員長賞を受賞。親しみのある明るい人柄で、テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍。絵本「食品ロス『もったいない』をみんなで考える」の監修ほか「もしもに備える!おうち備蓄と防災のアイデア帖」など著書多数。
ロングライフ紙パックが保存料不使用で常温・長期保存が可能な秘密
保存料を使わずにそんなに長期間保存できるはずがない、ペットボトルよりも保存性が落ちるのではないか、超高温で減菌することで味や栄養面が落ちるのではないかと思うかもしれませんがロングライフ紙パックはそんなことはありません。
ロングライフ紙パックは、(1)超高温で瞬間滅菌し、(2)減菌した紙容器に、(3)無菌状態で充填します。劣化の原因となる菌や酸素、光のない環境、食品が変質しない充填技術で製造し、さらに劣化を防ぐ6層構造の紙容器によって保存料を使わずに、味や栄養面を損なうことなく常温で長期保存が可能になるのです。
超高温&瞬間滅菌!
超高温瞬間滅菌(UHT)により、中身の食品や飲料を滅菌し、急速に冷却。熱による食品・飲料の劣化を最小限にとどめ、食材本来の色、風味、栄養を壊しません。
「殺菌」とは、病原菌など有害菌を死滅させて食品衛生上安全なものにすることであり、「減菌」とは、すべての微生物を死滅させて無菌にすることである。したがって、殺菌乳の場合には、無害とはいえ菌が残存しているため冷温で7~10日程度の保存性しかないが、減菌乳の場合には、常温でも長期保存できる。※
※…調理科学 Vol.19 No.2(1986) 原文ママ引用
完全に無菌の環境下で食材・飲料を充填
アセプティック技術(無菌充填技術)を用いて、完全に無菌の環境下で充填を行うことで、食品の変質の原因となる細菌・カビ・酵母など有害な微生物が容器の中に混入しません。また、チルド製品の場合、容器に食品・飲料を詰める際に空気に触れてしまいますが、アセプティック容器は充填しながら容器を形成する(液面下充填)ため、充填の際に酸素が入らず、食品・飲料の酸化を抑制します。
実は6層構造!
ロングライフ紙パックは、実は6層構造になっています。アルミ箔など気密性の高い包材を含む6つの層が、中身の食品・飲料の酸化の原因になる酸素と光を遮断して、風味が損なわれないように守っています。