雪印メグミルク幌延工場にて新技術導入 乾燥汚泥の肥料化と水素エネルギーの利活用によるCO2排出量抑制
雪印メグミルク株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、社会的・経済的価値を同期化させた「サステナビリティ経営」推進の一環として、幌延工場(北海道幌延町)において2つの新技術を融合させた新たな取組みを開始し、社会課題解決を図ります。
新技術導入イメージ
1.持続可能な廃棄物処理について
グレンカル・テクノロジー株式会社(本社:東京都千代田区)製のレドックスマスター乾燥機を2024年6月に導入します。この乾燥機は、極低エネルギープラズマ式イオン・活性酸素等発生装置により生成されたイオンを照射することにより乾燥促進を行う新しい乾燥システムで、乾燥のために必要なエネルギーが少ないのが特徴です。排水処置設備から排出される余剰汚泥(脱水汚泥)を最小のエネルギーで乾燥させ、廃棄物の大幅な削減と乾燥した汚泥の肥料化を図ります。
2.水素エネルギーの利活用・地産地消について
当工場では、バター及び粉乳製造に使用するボイラ燃料として水素を利用します。LNGと水素を混焼させることで、水素エネルギーの持続的な利用とCO2排出量の削減に貢献します。
当社は、エア・ウォーター株式会社(本社:大阪市中央区)と戸田工業株式会社(本社:広島市南区)が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の採択を受けて実施する、水素社会構築技術開発事業「豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」に参画します。
今回の事業を通じて、地域内における水素需要の創出を図り、また、上述したレドックスマスター乾燥機の主熱源として利用することでCO2排出量を更に抑制します。今後も、当社グループでは、2050年度に向けてカーボンニュートラル実現を目指します。
◆水素エネルギーの利活用における当社の役割
・豊富町の南隣に位置する幌延工場で継続的に水素を活用することにより、地域での水素サプライチェーン構築に貢献する。
・水素と既存ボイラ燃料であるLNGを混焼するボイラ設備を新設し、水素利用の技術的な蓄積を図ると共にレドックスマスター乾燥機の主熱源として使用する。
・実証事業規模
(1) 水素・LNG混焼ボイラ(幌延工場に新設)
・能力:蒸発量250kg/h×1台
・ボイラメーカー:三浦工業(株)
・使用燃料:水素:10Nm3/h+LNG:12.8Nm3/h(混焼比率は予定)
※上記比率で混焼させた場合、LNG専焼と比較すると約20%のCO2排出量の削減が可能。
(2) 水素吸蔵容器(幌延工場⇔豊富町:水素輸送)
・容量:120Nm3×2基(1基を交互運転)
(3) 水素供給設備(幌延工場に新設)
・水素供給量:10Nm3/h
(4) 稼働開始
・2025年度下期予定
◆参考
・エア・ウォーター 2023年8月8日発表 「NEDO「水素社会構築技術開発事業」において「北海道豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」が採択」https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news-16087695352692906079.html