人事担当者に聞く「テレワーク」実態調査 テレワーク導入企業は9%、 目的は生産性向上が第1位。

―人事担当者向け 中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』アンケート―

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com )上で、利用企業を対象に「テレワーク※」に関するアンケート調査を実施。642社から回答を得ました。

※本調査での「テレワーク」は「IT等の活用で時間・場所の制約を受けない勤務形態」と定義して伺っています。

調査結果 概要

★ 初の「テレワーク・デイ」の企業認知は40%、中身も認識している企業は12%。
★ テレワーク導入企業は9%に留まる。導入目的は、生産性の向上、多様性のある働き方、通勤困難社員への対応。
★ テレワークを導入して良かったこと、第1位は「生産性の向上」。難しさを感じていること、トップ2は「時間管理」「業務ルールの設定」。
★ テレワークを導入していない企業の理由は、テレワークに適した業務がない、企業規模が小さい、必要性を感じない。
★ 今後のテレワーク方針。導入企業のうち8割は「今後も積極的に推進」、未導入企業の2割は「導入を検討中」。

調査結果詳細

1:初の「テレワーク・デイ」の企業認知は40%、中身も認識している企業は12%。(図1)

7月24日の「第1回テレワーク・デイ」を間近に控え、企業の人事担当者へ「総務省から発表された、官民が一斉にテレワークを実施するプロジェクト ”テレワーク・デイ ※” をご存知ですか?」と伺いました。「知っている(内容も含めて知っている、名称だけ知っている)」が40%、「知らない」が60%にのぼりました。「内容も含めて知っている」という方は12%に留まりました。

※2020年東京オリンピック・パラリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、交通機関が混雑する始業から10時半までの間、一斉テレワークの実施及び効果検証を行なうもの。

【図1】”テレワーク・デイ” をご存知ですか?

図1:テレワーク・デイ認知

2:テレワーク導入企業は9%に留まる。導入目的は、生産性の向上、多様性のある働き方、通勤困難社員への対応。(図2・図3・図4・図5)

「貴社ではテレワークを導入していますか?」と質問をすると、「導入している」は9%に留まりました。導入企業に導入形態と対象者の条件も合わせて伺っています。

テレワーク導入企業へ目的を伺うと、第1位「業務効率(生産性)の向上」(64%)、第2位「多様性のある働き方の実現」(44%)、第3位「通勤困難社員への対応」(35%)となりました。

【図2】貴社ではテレワークを導入していますか?

図2:テレワークの導入率

【図3】テレワーク導入企業に伺います。どのような形態のテレワークを導入されていますか?(複数回答可)

図3:テレワークの導入形態

【図4】テレワーク導入企業に伺います。テレワーク対象者の条件について教えてください。(複数回答可)

図4:テレワークの対象社員

【図5】テレワーク導入企業に伺います。テレワーク導入の目的は何ですか?(複数回答可)

図5:テレワークの目的

3:テレワークを導入して良かったこと、第1位は「生産性の向上」。難しさを感じていること、トップ2は「時間管理」「業務ルールの設定」。(図6・図7)

テレワーク導入企業に「導入して良かったこと」を質問すると、第1位は「業務効率(生産性)の向上に繋がった」(44%)、第2位は同率で「通勤困難社員が継続して働くことが可能になった」「多様性のある働き方を選ぶ社員が増えた」(25%)となりました。具体的な声も頂いています。

テレワークを導入して良かったこと

>「生産性」を選んだ企業
○会社内でなければできない仕事以外であれば、会社までの移動時間を考慮すると格段に作業効率が上がる。(不動産・建設関連、11~30名規模)
○クライアントとの面談結果を元に、企画書・提案書・報告書の作成が容易に完結できるようになり、ニーズの拡大に繋がっている。(サービス関連、31~50名規模)
○出張時や外出によるメール等の空白期間がなくなり、業務がスムーズに進むようになった。(流通小売関連、301~1000名規模)

>「通勤困難社員が継続して働くことが可能になった」「多様性のある働き方を選ぶ社員が増えた」を選んだ企業
○健康上の理由や、結婚などによる転居で継続して就業が難しい従業員を引きとめることができる。(IT・情報処理・インターネット関連、301~1000名規模)

「テレワーク導入の上で、難しいと思ったポイント」は、第1位「テレワーク社員の時間管理」(45%)、第2位「テレワーク時の業務ルールの設定 ※始業・終業の連絡・会議出席など」(42%)、第3位「テレワーク社員とのコミュニケーションロス」(29%)でした。

「公私の区別がつけづらくなり、緩く拘束してしまう時間が増えるのではないか」(商社、11~30名規模)、「就業時間の判別が難しくトラブルにつながる懸念がある」(商社、31~50名規模)といった声が寄せられています。

【図6】テレワーク導入企業に伺います。テレワークを導入して、良かったことは何ですか?(複数回答可)

図6:テレワークのメリット

【図7】テレワーク導入企業に伺います。テレワーク導入の上で、難しいと思ったポイントは何ですか?(複数回答可)

図7:テレワークの難しさ

4:テレワークを実施していない企業の理由は、「テレワークに適した業務がない」「企業規模が小さい」「必要性を感じない」。(図8)

テレワーク未導入の企業に理由を伺うと、第1位は「テレワークに適した業務がない」(45%)、第2位は同率で「企業規模が小さいから」「必要性を感じないから」(32%)でした。「導入したいが、自社の業務では実現が難しい」、「中小企業にテレワークは不向き」という声が散見されます。

【図8】テレワークを導入していない企業に伺います。テレワークを導入していない理由は何ですか?(複数回答可)

図8:テレワーク未導入理由

5:今後のテレワーク方針。導入企業のうち8割は「今後も積極的に推進」、未導入企業の2割は「導入を検討中」。(図9)

今後のテレワーク方針を、導入企業、未導入企業それぞれに伺いました。

導入企業は8割が「今後も積極的に推進する」と回答。「止めようか検討中」は5%でした。やめようか検討している企業は「自己管理の度合いは一人ひとり違うので、会社としての管理が難しい」 (IT・情報処理・インターネット関連、1~10名規模)、 「人は、他人が見ていない時はサボる、という性悪説に立った考え方で仕組み作りがなされている」(金融・コンサル関連、101~300名)などのコメントを寄せています。

未導入企業は、54%が「今後も導入予定はない」と回答。「コミュニケーションから生まれる商品や手法は多く存在する。それが無くなることによるデメリットが大きい」(IT・情報処理・インターネット関連、1~10名規模)、「人間関係が希薄で若手とのコミュニケーションをとることが非常に困難な時代感において、更に人対人のコミュニケーションのとり方が難しくなってしまうのではないかとの危惧も否めない」(広告・出版・マスコミ関連、51~100名規模)などの声が見られました。

「これから導入を検討する」は19%でした。「これから導入を検討する」企業は「セキュリティ対策、勤怠管理、人事評価」の整備に不安を感じている声が多く見られました。「テレワーク用のアプリケーションの開発等が進み、セキュリティの向上が図られると良い」(サービス関連、301~1000名規模)といったコメントも寄せられています。

【図9】今後、貴社でのテレワークに対する方針について教えてください。

 図9:テレワークへの展望

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