日経BPコンサルティング調べ 「ブランド・ジャパン2022」 調査結果発表 YouTubeが調査開始以来初となる3年連続首位に
上昇ランキング上位に、楽天市場、湖池屋など 家の中での生活を豊かにするブランドが高評価
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、今年で22年目を迎えるブランド価値評価プロジェクト「ブランド・ジャパン2022」の結果をまとめ、本日(2022年3月25日)、調査結果データをリリース・発売いたします。調査は2021年11月から12月にかけて実施され、調査回答者数は6万2千人でした。今回も、ビジネス・パーソン編では、SDGs17ゴールに向けた企業活動の認知度評価が含まれます。
一般生活者編(消費者が選ぶ強いブランド評価)、調査結果のポイント
YouTubeが、調査開始以来初となる3年連続首位に
Google、日清食品、無印良品、楽天市場がトップ5入り
楽天市場や湖池屋など生活を豊かにするブランドが、上昇ランキング上位へ
[ ブランド評価の「総合力」ランキング上位100ブランドは表1を、「総合力上昇」ランキング上位50ブランドは表2をそれぞれご覧ください ]
調査結果より
一般生活者編でYouTubeが、調査開始以来初となる3年連続首位に
一般生活者編「総合力」ランキングでは、YouTubeが90.8ポイント(偏差値)のスコアを得て首位を獲得(表1)。YouTubeはブランド力を構成する要素の中で、イノベーティブ(革新性)とコンビニエント(利便性)への評価が高い。イノベーティブランキングでは1,000ブランド中第1位、コンビニエントランキングでは第6位となった(図1)。前回に引き続き、これらのスコアが高かったことが首位維持に繋がった。日本でのYouTubeの利用者数は、月間6,900万人となった(2021年5月時点)。中高年層、シニア層の利用も増えている。45~64歳の利用者は2,500万人以上となり、この年齢層の75%が視聴していることになる(引用元:Nielsen DCR 2021年5月)。利用者増加の理由として、2020年以降のコロナ禍における在宅時間の増加や、コンテンツの充実、そして、家族での視聴や、テレビ画面での視聴が増えたりするなど、視聴方法の多様化などが挙げられるという。(引用元:Think with Google)
Google、日清食品、無印良品、楽天市場がトップ5入り
第2位のGoogleは前回から同順位を維持。フレンドリー(親近性)が向上した。第3位の日清食品は、2021年、主要ブランドのカップヌードルが発売50周年を迎え、発売以来過去最高売上となった。また、どん兵衛と日清焼そばU.F.O.も45周年の節目の年でもあった。加えて、昼食の内食率の高まりや、外食需要の代替品といったニーズに応えたチルドのプレミアム生中華麺が好調だった。第4位は、無印良品で、総合力は84.4ポイント、第5位は、楽天市場で82.8ポイントとなった。
楽天市場や湖池屋など生活を豊かにするブランドが、上昇ランキング上位へ
「総合力」ランキング、また「総合力」上昇ランキングの上位では、エンターテインメント、プレミアム商品、DX化によって生活者を楽しませたブランドが目立つ。今回、「総合力」が最も伸びたのは楽天市場(表2)。同ブランドの2021年度の国内EC流通総額は5兆円(前年比10.4%増)を突破。楽天経済圏の中での複数のサービスを横断的に顧客が利用するクロスユースが拡大している。加えて、SDGsが世の中に浸透しつつある中で、楽天ラクマのようなリユースを提供価値とするサービスの評価もブランド力向上に寄与した。
湖池屋は、2017年から発売しているプライドポテトが、プレミアムポテトチップスのカテゴリとして定着した。加えて、2021年にポテトチップスのり塩が発売60周年を迎え、話題となった。
今回の調査結果では、サステナビリティへの取り組みがブランド力向上に良い影響を与える傾向が見られた。例えば、外出先や家の周りでの消費の活性化に貢献したPayPayは、「あなたのまちを応援プロジェクト」で地域との絆づくりに貢献したことでも注目が集まった。サステナビリティへの取り組みは、そのブランドの魅力となり得る。今後も企業は、サステナビリティを意識し、生活の豊かさ、心の豊かさに貢献するブランドづくりの提案をし続けることではないだろうか。
SDGs企業活動認知度、味の素やサントリー、日本水産などが上位に
ビジネス・パーソン編における、SDGsに貢献する企業活動の認知度では、味の素が「貧困をなくそう」で首位(32.7ポイント)、サントリーが「つくる責任、つかう責任」で首位(20.0ポイント)になったほか、日本水産が「海の豊かさを守ろう」(20.9ポイント)、JFEホールディングスが「産業と技術革新の基盤をつくろう」(24.7ポイント)でそれぞれ首位となった。また、レゴが「質の高い教育をみんなに」で第3位(19.0ポイント)、TOTOが「安全な水とトイレを世界中に」で第3位(22.7ポイント)と高い評価を得た。
(石原 和仁=日経BPコンサルティング ブランド・ジャパン プロジェクトマネージャー)
ブランド・ジャパン: https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/brand-japan/
国内で使用されているブランドを一般生活者とビジネス・パーソンが評価する、日本最大規模のブランド価値評価調査プロジェクト。2001年に第1回調査を実施し、今回が22回目。一般生活者編では企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「フレンドリー(親近性)」「コンビニエント(利便性)」「アウトスタンディング(卓越性)」「イノベーティブ(革新性)」という4指標を採用した。ビジネス・パーソン編では500の企業ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「先見力」「人材力」「信用力」「親和力」「活力」の5指標と5つの「企業評価項目」を採用した。調査概要は、別紙の「調査の構成と概要」と「特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会」を参照。2021年版よりビジネス・パーソン編ではSDGsの17ゴールそれぞれに貢献する企業活動の認知度を聴取している。
日経BPコンサルティング:日経BP全額出資のブランドコンサルティング、コンテンツ関連、デジタル関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)