メラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮「ACE02」の 白斑を対象とする治験計画届書を提出
新規パイプラインを拡充、皮膚科領域の再生医療等製品の開発にも進出
富士フイルムグループの株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(本社:愛知県蒲郡市、代表取締役:畠 賢一郎)は、本日、メラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮「ACE02」(以下、「ACE02」)の治験計画届書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出しましたのでお知らせします。本治験は、尋常性白斑※1 およびまだら症※2 といった安定期の白斑の患者を対象とするものです。当社は、「ACE02」を通じて、皮膚科領域の再生医療等製品の開発に進出し、従来から取り組んでいる形成外科・整形外科領域からの事業拡大を目指していきます。
◆詳細はWebページをご覧下さい。
⇒ http://www.jpte.co.jp/news/20180703.pdf?link=atp
白斑は、皮膚に存在するメラノサイト(色素細胞)が減少し、皮膚の色が白く抜ける疾患です。なかでも、後天的にメラノサイトが破壊されて発症する尋常性白斑や、先天的な遺伝子異常により発症するまだら症に対する治療ニーズが高まっています。現在、尋常性白斑の治療では、ステロイドなどの外用薬の塗布、患部への紫外線照射などが行われています。また、それらが有効でない場合やまだら症の治療の場合には、患者本人から採取した、メラノサイトを含む皮膚組織の移植という外科的手段が選択されています。しかし、既存の外科的手段では、採取できる皮膚組織の面積が小さいため、一度の手術で広範囲を均一に治療することが難しいといった課題があります。
「ACE02」は、患者本人の皮膚組織を採取し、メラノサイトを保持したまま大面積のシート状に培養・作製した自家培養表皮です。「ACE02」を用いた治療は、白斑患部への移植による、色素再生を目的としています。当社は、今後、山形大学医学部附属病院、名古屋市立大学病院など全 7 施設にて治験を実施していく予定です。当社は、医薬品医療機器等法に基づく再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準※3 を満たす製造設備を持ち、国内初の再生医療等製品である自家培養表皮などの製造・販売を行っています。また、そこで蓄積した細胞培養等に関する技術・ノウハウと確立した品質保証システムを活かして、受託事業も展開。白斑の治療を目的に、名古屋市立大学病院などで実施されている臨床研究に用いる自家培養表皮の受託などを通じて、白斑に対する知見を蓄積しています。
当社は、今後も製品開発を加速させることで、再生医療の普及を進めるとともに、患者の生活の質(QOL)の向上へ寄与していきます。
※1:尋常性白斑は、後天的にメラノサイトが破壊されることにより、メラニン生成が停止または低下し皮膚が脱色されます。患者数は、国内で約 15 万人と推定されています。
※2:まだら症は、先天的な遺伝子異常により、額や腹部、膝関節などに対称性の白色斑を有することが特徴です。患者数は、国内で数千人と推定されています。
※3:「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(2014 年 11 月施行)にもとづいた基準。
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