赤水河から大阪湾へと： 茅台はESG実践で世界と共に「緑の山河」を描く
中国を代表する銘酒「茅台(マオタイ)」は、2025年日本国際博覧会大阪・関西万博(通称「大阪万博」)の中国パビリオンにて「テーマデー」を開催し、「大阪2025：茅台、世界と共に110年」をテーマに、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)(ESG)分野における革新的な実践を世界に示し、「中国の知恵」を通じて世界の持続可能な発展に寄与しています。
赤水河の酒の香りが大阪湾に「漂う」とき、白酒の千年にわたる文化と現代の持続可能な発展理念がここで交わる――赤水河の小波が中国パビリオンに「流れ込む」とき、中国・貴州省の環境保全の知恵とグローバル生態文明との対話がここで始まります。
■天人合一：「一杯の酒」に潜んでいる「緑の遺伝子」
中国パビリオン内で、茅台は没入感の高いデジタル展示を通じて、来場者を赤水河谷へと「誘う」。ドローンが監視する森、太陽光パネルに覆われたクリーンな工場、微生物処理技術で処理される醸造排水、15.03平方キロメートルのコア生産地域の上空を渡り鳥のように飛び交うドローンの群れ、赤外線カメラが捉えたウンピョウの姿…。醸造工程で生じた廃棄物は循環型産業パークへと流れ込み、バイオマスエネルギーとなり、万家の灯りをともす…
この光景の裏側には、投資・建設された「茅台循環経済産業パーク」が実現した醸造廃棄物の100％リサイクル、構築された「スマートエネルギー」システムが達成した年間1万トン以上の二酸化炭素排出削減です。茅台は赤水河流域の生態系保護活動を着実に推進し、「美酒の河」が永遠にその生命力を保つよう尽力しています。
「一本の茅台酒の裏側に、これほどのグリーンテクノロジーがあるとは！」とある来場者はおっしゃいました。
中国パビリオンのビジュアルインタラクティブ展示エリアで、茅台が丹念に創り上げたエコロジーアート「山地の記憶」が注目を集めています。この作品はクラシックな「茅型瓶」の形をしており、茅台の酒かすから生まれた再生紙を主要素材としたものです。醸造の副産物のリサイクルを感じられる形にし、中国パビリオンのテーマ「自然と共に生きるコミュニティの構築」という理念と呼応しています。
茅台の醸造工程で生み出す酒かすは、ハイテク処理により、100％資源として再利用されています。茅台が開発した酒かす再生紙は、伝統的な醸造業における固形廃棄物処理の課題を解決しただけでなく、廃棄物に芸術的な命を吹き込みました。この実践は、茅台の「グリーン生産地域」理念――原料から副産物まで、サプライチェーン全体で低炭素と循環を実践し、赤水河流域のかけがえのない生態環境を守る――を生き生きと体現しています。展覧会終了後、この作品は茅台に永久に収蔵されます。それは茅台のグリーンへの移行の証となり、万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」という持続可能なビジョンを受け継ぐものです。茅台はこの作品を通じて、醸造業における生態系保護の実践を文化表現へと昇華させ、伝統産業であっても、グリーン革命の先駆者となり得ること、美酒を醸すだけでなく、人と自然が調和して共生する未来をも醸し出せることを証明したのです。
■文明の対話：「緑の山河」が呼び起こす「世界的共鳴」
茅台の物語は、人と自然が共に生きる千年の叙事詩であると同時に、中国と外国の友好、そして心の共鳴を紡ぐ人間味あふれる伝説でもあります。
館内に設置された、茅台の瓶を手にする元卓球日本代表選手・松崎キミ代さんの浮き彫りは、国境を越えた縁を今に伝え、茅台と万博と日本との深い関わりを示しました。茅台は、日中文化交流の独特なシンボルとなっています。
そして、茅台万博記念酒の発表式典においては、松崎さんが中国貴州茅台酒廠(グループ)有限責任会社の張徳芹董事長と共に「時空の旅」をスタートさせました――ボタンをスライドすると、1915年サンフランシスコ、2010年上海、そして2025年大阪へと至る万博の記憶が次々と紡ぎ出され、最終的に、金属製の山水に抱かれた輝く記念酒が姿を現します。この記念酒は、中国パビリオンの「竹簡」をインスピレーションとし、『論語』の名句を篆書で竹簡を思わせる釉薬色の瓶体に刻んでいます。ギフトボックスは天然竹材を用いて「中華書簡」の千年の風格を再現しました。この立体シーンが完全に現れたとき、金属で鍛造された山水の世界観は、まさに中国パビリオン内の「緑の山河」をアートとして再現したかように見えます。
この瞬間、「天人合一」という中華の知恵が、山や海を越え、世界の文化に新たな命を吹き込みます。これは、万博のテーマへの芸術的な解釈であるだけでなく、茅台の「天の理に従い人を敬う」(順天敬人)という哲学と、世界の持続可能な発展理念との深い対話そのものです。中国と外国の友人たちが共に茅台万博記念酒の誕生を目の当たりにした瞬間、東洋と西洋の文明は、「地球を守る」という人類全体の課題において、最高に美しい共鳴を生み出しました。
■責任のある共創：「農村共富」から「グローバルな提言」へ
中国白酒業界のリーダー企業として、茅台は常に「農村振興」を企業発展の使命と位置づけ、「工業による農業支援」という責務を果たし、「農村共富」という持続可能な発展の道筋を探求してきました。貴州省レンワイ(仁懐)やドウシン(道真)などにて、茅台は「会社＋基地＋農家」という革新的なモデルを推進し、数万ヘクタールに及ぶ有機コーリャン栽培基地を設立しました。種、有機肥料、技術指導を無償提供することで、農家の年間平均収入増を4,000元以上確保し、「一粒のコーリャンの種が、農村の振興への道を開く」というビジョンを現実しています。
茅台のESG実践は、農村に根ざすだけでなく、グローバルな舞台へと広がっています。2025年、茅台はダボス世界経済フォーラムにおいて「グリーン技術革新」の経験を共有し、「省エネ、炭素削減、排出削減、効率向上」を一体化させた戦略を提唱しました。さらに2030年までに、2020年比で単位生産額あたりの二酸化炭素排出量を60％削減することを約束しました。COP29において唯一の中国企業として招待され発表の機会を得た茅台は、赤水河流域における生態系保護と産業共生の理念に基づくグリーンへの移行の道筋を世界に示すとともに、赤水河生態系公益基金の設立を推進しました。雲南省、貴州省、四川省の酒造メーカーと連携し、生態系保護ラインの構築に取り組んでいます。さらに、茅台はMSCI ESG格付けでBBB級に躍進し、中国白酒業界でのトップを獲得しました。EFQMグローバル認証で最高位の「7ダイヤモンド企業」に評価され、持続可能な発展における世界的な模範としての地位を得ています。
貴州の山間地域における「農村共富」からグローバルなESG提言へ。茅台は「天の理に従い人を敬い、道理を尊い道徳を積む(順天敬人、明理厚徳)」という価値観のもと、企業と社会、そして自然との調和ある共生を実現する「責任の生態系」を構築しています。今後も茅台は、「緑の山河は金山・銀山にほかならない」という理念の実践を深化させ、農村振興という「中国の解決策」と、持続可能な発展に向けた「茅台の知恵」を互いに輝かせながら、「責任ある共創」の新たな一章を書き続けていきます。
大阪万博の盛り上がりとともに、茅台の展示ブースは各国の来場者にとっての大人気スポットとなっています。ここでは、醤香の香りが漂うだけでなく、「緑の発展がもたらす未来社会」という中国のビジョンが世界へと発信されています。
【貴州茅台酒進出口有限責任公司】について
中華人民共和国貴州省の酒造企業。白酒銘酒「茅台酒」の研究開発、製造、販売などを行う。
「茅台酒」は貴州省茅台鎮でのみ生産されている中国で最も有名な白酒。長い歴史を持ちながら、世界三大蒸留酒(スコッチウイスキー、コニャックブランデー、茅台酒)の一つでもある。
● 1915年 パナマ万国博覧会で金賞受賞
● 1949年 中国「国宴指定用酒」となる
● 1972年 日中国交正常化の式典で両首相が貴州茅台酒で乾杯したことで、日本でも有名になる
● 2018年 時価総額で蒸留酒メーカー世界1位に
