「ビル再生100の物語」オフィスの進化はマズロー理論で説明できる
ビル再生100の物語 第85話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
前回までは…
次世代オフィスって何なのか?って話をしました。
オフィスの進化の方向が変わった話も。
単にカッコよければいいワケではない
この現象は、住宅物件の動向とマズローの5段階欲求説理論に照らせば理解できます。
「単にカッコよければいい」ワケではないんです。
少し前までは、セントラル空調はもう古い、これからは個別空調だとか、OAフロアに機械警備、光ケーブルや一人一台のパソコン時代になったから電気容量が、など常に進化を求められてきました。
その変化のスピードが速くなっているだけで、進化が必要なことは昔から変わってません。
ただこれからは今までのようなスペック競争ではなく、居心地や感情への刺激など求められるものの質が変わっていることに注意が必要です。
マズローの5段階欲求説
マーケティングの有名な理論に、「マズローの5段階欲求説」というのがありますよね。
ご存知の方もいると思いますがおさらいのために簡単に解説します。
欲求の段階には、次のようなステップがあるというお話です。
・生理的欲求:場所があればいい、雨風しのげればいい
・安全欲求 :安全・安心、機能的快適さ
・社会的欲求:集団に属したい、仲間が欲しい←他人と同じようなもの(グレード)が欲しい
・尊厳欲求 :他者から認められたい、尊敬されたい(内的なココロの欲求。より快適なものやカッコいいものを求めるなど)←イマココ
・自己実現欲求:創造的活動がしたい、社会に貢献したい←住宅はココ
この5段階欲求説はオフィスにも当てはまります。
実はオフィスよりも住宅の方がより個人のニーズが高いので、欲求段階としては進んでいます。リノベーションの流れも最初住宅物件から始まりましたし、スペックよりも感情で選ばれるトレンドもやはり住宅物件では数年前から起こっている現象です。
この欲求の5段階を通してみると、この流れがよく理解いただけると思います。
オフィスに求めるものも近い将来に、よりクリエイティブなものを求めるとか、そもそも自分でオフィスの内装を作りたいとか(すでにそういう人たちもいますが)、自分たちだけのオフィス空間ではなくより広く社会的にオープンな使い方をしてもらって人の交流の幅を広げたい、社会的に意義のある空間にしたいといった「自己実現欲求段階」に入ることは間違いないでしょう。
その変化に合わせてビルを進化させていかなければ、金のタマゴを産むビルはすぐに負の資産に成り下がってしまいます。
始めて読まれる方に
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これまで、東京都心の中小型ビルが検討客を集められない4つの原因へ対応する考え方として、リーシングマネジメントという考え方が大切だとご説明しました。
リーシングマネジメントの基本的な考え方は、
「打点(空室を埋めること)は、打席数(認知度を上げること)×打率(決まりやすい条件やウリ)に比例する。」
です。
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