常石造船オリジナル船型の8万2,000トン型ばら積み貨物船 KAMSARMAX BC(カムサマックスバルカー) 9年11カ月で建造200隻達成

2015-01-08 08:30

常石造船株式会社(本社:広島県福山市沼隈町常石1083、代表取締役社長: 河野健二)は、独自に開発した8万2,000トン型ばら積み貨物船「カムサマックスバルカー」のグループ通算200隻目となる神原汽船株式会社向け“ULTRA LION”を、1月7日に常石集団(舟山)造船有限公司(中国浙江省舟山市岱山県秀山島)で竣工しました。

常石造船株式会社
http://www.tsuneishi.co.jp

カムサマックスバルカー 紹介サイト 
http://www.tsuneishi.co.jp/products/kamsarmax_sp/

2005年2月に第1隻目を竣工して以来、およそ9年11カ月で200隻を竣工したカムサマックスバルカーは、2000年以降に竣工した世界の8万トン~8万4,000トン級ばら積み貨物船におけるシェアが28%※1を超えるトップシェアを持っています。新国際ルールへの迅速な対応や燃費などの性能を向上する改良で受注を重ね、2014年12月末現在で総数300隻に迫る受注実績を持ち、同一船型の累計では常石造船で最も多いベストセラー商品に成長しました。
カムサマックスバルカーは、パナマ運河を通航できるパナマックスバルカーの載貨重量を、業界でいち早く従来の7万トン級から8万トンを超える8万2,000トンに増加させ、輸送効率を高めた船型です。パナマ運河を通航可能な最大幅を維持する一方で、船長を従来一般的な225メートルから229メートルに延長し、貨物艙容量の増大を実現。石炭だけなく穀物、鉄鉱石など多様なばら積み貨物の搭載を可能にする設計で、高い輸送効率と汎用性を実現しています。さらに、波浪抵抗や風圧抵抗を低減し燃費効率を高める船型は、国内外の多くのお客さまから好評いただいています。

2002年に初代モデルを開発して以来、広島大学や株式会社MTIなど研究機関と連携して、大型の曳航水槽や10分の1サイズの模型船による実海域を想定した実験で得たデータを活用し、省エネ性能や推進性能を向上するほか、新たな国際ルールに対応するなど、顧客ニーズに応える商品を実現し続けています。2006年の改良モデルでは、推進効率を向上するMT-FAST※2、波浪抵抗を低減するSEAWORTHY※3を採用し、2010年モデルではプロペラの推進効率を高めるTOP-GR※4技術で開発した高効率で低振動のプロペラや、NOx排出量低減の国際規制(Tier 2、2次規制)に対応する主機を採用するほか、推進性能を高める船体形状の改良を実施しました。2012年モデルでは、電子制御エンジンを標準搭載する船型とし、従来よりも燃費効率を高めています。

常石造船のカムサマックスバルカーをご発注いただいた多くのお客さまの中から、日鮮海運株式会社(愛媛県今治市)代表取締役社長阿部克也様は、「カムサマックスバルカーは燃費が良い。海運会社としての競争力強化に貢献してくれていることから、リピート発注している。さらに、波浪抵抗を低減するために開発された船体形状は、高い推進性能を発揮するだけでなくプロポーションの美しさを併せ持っている。」と、評価の言葉を寄せています。常石造船代表取締役社長 河野健二は、「200隻建造に際し、カムサマックスバルカーに対する多くのお客さまのご支持とサプライヤーの皆さまのご支援に感謝申し上げたい。今後も、日本、フィリピン、中国のグループ造船拠点の総力を上げて、燃費や推進性能、荷役のしやすさなどを追求し、国際海上物流の舞台における主役として活躍する船づくりを続けていく」と、話しています。

※1 2000年~2014年に竣工した世界の8万トン~8万4,000トン未満のばら積み貨物船における建造実績シェア(「Clarkson Shipping Data 2014/3rd Quarter」を参考に常石造船調べ)
※2 複数の翼型構造物「MT-FAST」を搭載。水流を整えることで約4%推進効率が向上する。日本郵船グループ会社の株式会社MTIと共同で開発した。
※3 船首部の波の抵抗を軽減する「SEAWORTHY」を搭載。高い波でも抵抗が少なくなり、貨物搭載時のシーマージン(波浪中の抵抗増加)を最大約5%削減できる。広島大学と共同で開発した。
※4 「Tsuneishi Optimized Propulsive Gear:TOP-GR」。コンピュータによる緻密な計算とシミュレーションを重ねることで、翼数、直径、翼断面の形状、翼幾何分布を最適化設計し、推進効率を高めるほか、低振動の省エネ型プロペラを開発する。

■カムサマックスバルカー 船型モデルの変遷 
 
初代:2002年
・船長を従来のパナマックスバルカーで一般的な225メートルから229メートルに延長し、載貨重量を7万6千トン級から8万2千トン級に増加。

2代目:2006年
・水流を整え推進効率を向上する「MT-FAST」を導入。
・波浪抵抗を低減する船首形状「SEAWORTHY」を導入。

3代目:2010年
・プロペラの推進効率を高めるTOP-GR技術で開発した、推進効率が高く低振動のプロペラを導入。
・船体形状を改善し波浪抵抗を低減。
・NOx(窒素酸化物)低減の国際規制(Tier 2、2次規制)に対応する主機を標準搭載。
・バラスト水処理装置を標準搭載。

4代目:2012年
・電子制御エンジンを標準搭載。

■建造200隻目“ULTRA LION” の主要目
【船種】D/W 81,600メトリックトン型ばら積み貨物船
【長さ】229メートル
【船幅】32.26メートル
【深さ】20.00メートル
【満載喫水】14.40メートル
【載貨重量トン】81,600メトリックトン
【主機】MAN B&W 6S50ME-C8.2
【貨物艙容量】97,000㎥
【建造工場】常石集団(舟山)造船有限公司 http://www.tsuneishi-zs.com/

■常石造船株式会社の会社概要
創業から112周年を迎えた造船・海運業を中心に事業展開する常石グループの中核会社で、国内の常石工場(本社)とフィリピン、中国の海外2工場を展開し、3万トン~18万トン級のばら積み貨物船を中心に年間60隻程度を建造する。

URL:http://www.tsuneishi.co.jp/
代表取締役社長:河野 健二
事業内容:船舶の建造、修繕
創業:1917年(大正6年)7月
資本金:1億円
従業員:約710人(2013年12月時点)
事業拠点:常石工場(広島県福山市)

- 本件に関するお問い合わせ先 -
ツネイシホールディングス株式会社
CSV本部 マーケティングコミュニケーション部
pr@tsuneishi.com

本社福山市  TEL:084-987-4915
東京オフィス TEL:03-3264-7733

建造200隻目”ULTRA LION”
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