脂肪注入法の「脂肪の定着率」はどれくらいですか?
豊胸術のひとつ、脂肪注入法。メジャーな方法ですが、一方で「注入した脂肪は吸収されて、バストが萎んでもとに戻ってしまった」という声もよく聞かれます。
そこで脂肪注入における脂肪の定着率はどれくらいなのか、また定着率を上げるためにどうすればいいのか、解説していきます。
脂肪注入法…脂肪の定着率はどれくらい?
1980年代以降、自身のお腹や太ももなどから脂肪を吸引し、バストや頬など別の箇所に注入する脂肪注入は、美容外科医が行う最もポピュラーな手術の1つになりました。2009年には、外科手術以外の美容処置のうち、脂肪注入は5.9%を占めています。
注入された脂肪の定着率は一般的に顔面で40~60%、ほかの部分で30~40%と言われ、定着しなかった脂肪は体内に自然と吸収されてしまいます。バストに注入した脂肪の定着率が低いと、徐々にバストが萎んでいってしまう……脂肪注入の噂は、このようなことが原因です。
脂肪の定着率を上げるにはどうする?
脂肪注入法において、脂肪の定着率を上げる方法はないのでしょうか。実は、脂肪の定着率は医師の技術や使用している機器などによってさまざま。ですから、クリニック選びの際には、定着率に注目するようにしてください。
定着率を上げるために重要なのは、まず注入する脂肪の量。脂肪注入の重要な考え方を提唱した「コールマンテクニック」というものがあります。脂肪注入を行う際、1回の注入量を多くせず、少しずつ脂肪の層の中に注入していくことで定着率は上がります。
また、脂肪を注入する際には拡張器で注入するスペースをしっかり確保することも重要です。しかし注入量が拡張したキャパシティを上回るとすし詰め状態になり、脂肪は壊死してしまいます。バストを大きくしたいからといって注入する脂肪を増やせばいいというわけではないのです。
さらに脂肪の定着に重要な血流を増やすことも有用であるという報告もあります。
注入する脂肪の純度も大切
吸引した脂肪の中には、血液や麻酔液など、様々なものが混ざっています。そして採取された脂肪は血液の流れが途絶え、酸素や栄養を受け取ることができない状態にあり、そのままでは壊死してしまします。
吸引した脂肪は遠心分離機などを使い素早く純度の高い脂肪に加工、そして丁寧にバストに注入していく……この技術、スピードもまた、脂肪の定着率を上げるのに不可欠なことなのです。
まとめ
・脂肪の定着率は、30~60%というのが一般的
・少しずつ脂肪の層に注入することで定着率はアップ
・注入する脂肪の純度も重要
・クリニックによって脂肪の定着率はさまざま。南クリニックは一般よりも高い80%超を実現
南クリニック 院長:南晴洋
京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。