2019年度 支援先スタートアップ企業10社を決定 日本の未来を担う革新的アイデア&技術の特許取得を全面支援 先進医療やAI開発事業の知財戦略を専門家チームがサポート
特許庁は、スタートアップ企業のビジネスの知財による加速を目的としたプログラム『知財アクセラレーションプログラム(IPAS:IP Acceleration program for Startups)』の2019年度の第一期支援先企業10社を決定したことを発表します。3か月間にわたって、専門家チームによる“技術やアイデア”のビジネス化と知財戦略構築へ向けたサポートを行います。
2019年8月28日(水)に、上記支援先企業の記者発表会を兼ねたイベントを開催いたします。
■知財アクセラレーションプログラム(IPAS:IP Acceleration program for Startups)」とは
革新的な技術やアイデアを武器にするスタートアップ企業では、コアとなる“技術”や“アイデア”を知的財産として保護する『知財戦略』の構築が不可欠です。IPASは、『知財戦略構築』の必要性を感じながらも取り組めていないスタートアップ企業を対象に、知財やビジネスなどの複数分野の専門家を含む“知財メンタリングチーム”を一定期間派遣し、それぞれのビジネスに対応した適切な知財戦略を構築して事業の加速を目指すプログラムです。
IPASが狙いもたらす効果とは
IPASでは、戦略コンサルタントやベンチャーキャピタリストらによるビジネス面のメンターと、弁護士や弁理士らによる知財面のメンターで結成する“メンタリングチーム”が、シーズや出口戦略を診断・構築した上で、ビジネスに合った知財戦略構築を支援します。また必要に応じて、即時に権利化すべきシーズの特許出願戦略も立案します。これにより、『独占=ビジネスによる事業の差別化、模倣防止』『連携=異業種や大企業等との戦略的な事業提携の実現』『信用=資金調達やM&Aの際のブランドや技術力の裏付け』の3つのメリットが期待できます。
2018年度の支援企業である商用人工衛星を開発する『アクセルスペース』では、顧客向け衛星開発中心の事業から自社衛星データ提供中心の事業へビジネスを拡大する中で、これまでのブラックボックス戦略から権利を押さえる必要性を検討し始めていました。そのような中、IPASに応募、支援先企業に採択され、その支援によって複数の特許出願に至りました。
株式会社アクセルスペース 代表取締役CEO 中村 友哉氏のコメント
「宇宙ビジネスはまったく新しい分野。何に新規性があり、権利として押さえる価値があるのかは、開発している側にとっては必ずしも明らかではありません。それらを知財の専門家の目を通して、的確なアドバイスがもらえたのはありがたかったです。投資家から見て、知財の取得はすごくポジティブに受け取られます。自社衛星データの提供を本格的に始めるいいタイミングで投資家の方に説明できる知財戦略が立てられました。また、知財だけでなく、さまざまな面でサポートをいただきました。例えば、従来使用していた衛星画像の使用許諾契約は、今の時代にそぐわない部分があるとの指摘を受け、最新のIT産業の知見をうまく取り込んだものに改定しています」
支援先スタートアップの選定プロセスと2019年度支援企業
本年度は、応募企業64社から書類審査を通過した20社について、有識者6名からなる審査委員会によるピッチ(プレゼンテーション)審査を経て、AI開発や先進医療開発など、様々な事業でのさらなる活躍が期待できる企業10社を選定しました。
IPAS2019第一期支援先企業一覧(50音順)
●株式会社エイシング(東京都港区 代表:出澤 純一)
超軽量動作・高速データ処理・リアルタイム学習・スタンドアローンという特徴を備えた機械組み込み型AIアルゴリズムの開発
URL: https://aising.jp/
●株式会社エー・スター・クォンタム(東京都港区 代表:船橋 弘路)
量子コンピューターのプラットフォーム、共通ライブラリの開発
URL: https://a-star-quantum.jp/
●スペースリンク株式会社(神奈川県川崎市 代表:阿部 晃城)
大容量・急速充電・安全性・長寿命・低コストという特徴を兼ね備えた「グリーンキャパシタ(TM)」の開発
URL: https://www.spacelinkltd.jp/
●株式会社セツロテック(徳島県徳島市 代表:竹澤 慎一郎)
受精卵エレクトロポレーション法を用いた遺伝子改変(ゲノム編集)マウスを簡便克高効率に作成できる手法を開発
URL: https://www.setsurotech.com/
●パイクリスタル株式会社(千葉県柏市 代表:伊藤 陽介)
東京大学で開発された有機半導体単結晶技術を応用し、柔らかく、薄く、軽く、安価なデバイスの作成
URL: http://pi-crystal.com/
●株式会社Photo electron Soul(愛知県名古屋市 代表:鈴木 孝征)
半導体フォトカソード技術を利用した電子ビーム生成装置の開発
URL: http://photoelectronsoul.com/
●株式会社ブレイゾン・セラピューティクス(東京都文京区 代表:戸須 眞理子)
主に中枢神経領域を対象とした医薬品、診断薬、研究用試薬などの研究開発
URL: http://www.braizon.com/
●株式会社メタジェン(山形県鶴岡市 代表:福田 真嗣)
個々人によって異なる腸内環境を適切に分類し、腸内環境のタイプに合わせたアプローチを行い、健康維持・疾患予防を目指す層別化ヘルスケアサービスの開発
URL: https://metagen.co.jp/
●メディギア・インターナショナル株式会社(神奈川県横浜市 代表:田中 武雄)
医師の手技レベルに左右されず医療の均質化を容易に実現する「腫瘍標的型低侵襲療法」を開発
URL: http://www.medigear.co.jp/
●LeapMind株式会社(東京都渋谷区 代表:松田 総一)
小型、省エネ設計の「組込み型Deep Learning」ソフトウェア・ハードウェアの開発
URL: https://leapmind.io/
支援先企業の記者発表会イベント
2019年8月28日(水)に、31Builedge YAESUにて2019年度支援先企業の記者発表会を兼ねたイベントを開催いたします。当日は、2018年度支援先企業によるIPAS支援で得られた成果についての講演と、2019年度支援先企業による事業紹介を行います。
開催場所:31Builedge YAESU(東京都中央区八重洲2-7-2 八重洲三井ビルディング3階)
開催日時:8月28日(水)14:15~17:00
知財アクセラレーションプログラム(IPAS)について
正式名称 : 知財アクセラレーションプログラム
(IPAS:IP Acceleration program for Startups)
主催者 : 経済産業省 特許庁
公式サイト: https://ipbase.go.jp/public/startupxip.php#startups--ipas
本件に関する一般の方からのお問い合わせ先
知財アクセラレーションプログラム(IPAS)事務局
〒100-8360 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 丸の内二重橋ビルディング
担当 : 福井 裕明、佐崎 達朗、山崎 遥
TEL : 03-6213-1251
メール: ipas-office@tohmatsu.co.jp
※お名前と会社名、所属部署を記載の上、御連絡ください。