大賞は「SIOME(シオメ)」と 「UpcycleLino(アップサイクルリノ)」 第9回『ソーシャルプロダクツ・アワード2022』 全80受賞商品を発表 展示販売会 大丸東京店(東京都千代田区) 2月23日(水・祝)~3月1日(火)
デザイン・機能などユーザーベネフィットと 社会・環境問題の解決を両立させた商品・サービス
「ソーシャルプロダクツ」の普及・推進を通じて持続可能な社会の実現を目指す、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(所在地:東京都中央区、会長:江口 泰広)では、第9回『ソーシャルプロダクツ・アワード2022』の各賞を2月16日(水)に発表しました。
年度テーマ、東日本大震災からの復興につながる商品・サービスの大賞は、株式会社起点の「SIOME(シオメ)」、自由テーマ、生活者が「持続可能な社会」づくりに参加できる商品・サービスの大賞は、株式会社ネキストの「UpcycleLino(アップサイクルリノ)」です。
企業・団体によるSDGs達成に向けた取り組みの加速や、新型コロナウイルス感染拡大による生活変化などにより、生活者の社会的意識がこれまで以上に高まるなか、本アワードへのエントリー数は年々増加しています。
9回目となる今年は『年度テーマ:東日本大震災からの復興につながる商品・サービス』、『自由テーマ:生活者が「持続可能な社会」づくりに参加できる商品・サービス』を募集しました。
今回も、テーマごとに各業界のプロフェッショナルな審査員と、一般公募の生活者審査員による審査を行い、大賞・優秀賞・生活者審査員賞・ソーシャルプロダクツ賞を選出しました。
さらに、受賞商品を一堂に集めた展示販売会を、大丸東京店(東京都千代田区)にて、2月23日(水・祝)から3月1日(火)まで開催いたします。「商品性」と「社会性」の両方を兼ね備えた受賞商品の数々を、実際に見てご購入いただけます。
第9回『ソーシャルプロダクツ・アワード2022』受賞商品・サービスの紹介
●年度テーマ:東日本大震災からの復興につながる商品・サービス
大賞■
商品
SIOME(シオメ)
企業・団体
株式会社起点
商品概要
東日本大震災および原発事故からの地域復興を目指し、福島での綿花の有機栽培とそれらを原料としたものづくりを行なっているローカルオーガニックコットンブランド。原料生産から製造はもちろんのこと、経済消費を日本国内で行うことで、持続可能な地域文化を作ることを目標としている。
ウェブサイト
審査員評価
福島の記憶に残る生業をつくるという企業理念がプロダクトに上手く反映されている。共感を生む工夫やデザインのセンスが良く、欲しくなる商品としての工夫もある。オーガニックコットンというと「生成り・無地」が多くなりがちだが、そこにオリジナルの柄を乗せることで、他のブランドとの差別化ができる。2012年から福島で綿花の自社栽培を継続している点が評価できる。この魅力的なプロダクトのストーリー性やデザインのポイントなどの情報発信に期待している。
優秀賞■
商品
TEZKURI MARCHE - ART
『ジビエ鹿革ルームシューズ』手づくりキット
企業・団体
一般社団法人手づくりマルシェ
商品概要
農林業被害を防ぐため駆除された天然の鹿革を使用。駆除された野生動物の革を無駄にせず資源として使う事で、自然と人との繋がりを感じるサステナブルなルームシューズ。
ウェブサイト
審査員評価
ルームシューズの素材にジビエ鹿革を使用している点は独自性が高く、一枚革でシューズにするデザインも素晴らしい。布製品を手作りしたことはあっても、革製品を手作りしたことがある人はあまり多くないはず、体験としても面白い。つくれる魅力を提供することで、商品の意味や価値などをより実感しやすくしている。質感が良く、色の組み合わせや風合いもお洒落で、洗練されているプロダクト。
生活者審査員賞■
公募によって選ばれた一般生活者20名が、商品を実際に見ながら、社会性と商品性の審査を実施し決定しました。
商品
地域資源メカジキの角(吻)を利用したジーンズ
企業・団体
有限会社オイカワデニム
商品概要
今まで廃材だった地域資源を見直し、地域資産の再認識、再加工を軸に高付加価値を持った新しい、皆が誇りを持てるブランドをつくる。異業種や地域を巻き込むことにより、気仙沼地域の底上げと、地域雇用の促進を作り出すプロジェクト。
ウェブサイト
審査員評価
「メカジキの吻を活用したジーンズ」という着想がユニーク。ほかにない商品で、気仙沼のPRにもつながる。未利用資源であるメカジキの吻を超微粒子にして紡績にする独自の技術を保有。被災者の雇用、未利用資源の活用、すべてが土に還る天然素材の採用など、それぞれの活動を経て生み出されたメカジキの吻という素材が、デニムの質を上げている、すばらしい商品。
●自由テーマ:生活者が「持続可能な社会」づくりに参加できる商品・サービス
大賞■
商品
UpcycleLino(アップサイクルリノ)
企業・団体
株式会社ネキスト
商品概要
服の製造過程で出た裁断くずを色別、混率別に細かく分別。分別された裁断くずを株式会社ナイガイテキスタイルにおいて反毛し、バージン綿をつなぎに紡績し糸に戻す。その糸を株式会社ヤギが、浜松で製織、和歌山で編立して生地に戻し、再び自社がその生地で服を製造する完全なサーキュラーエコノミーを完成させた。同時に、産地をつなぎ、疲弊した産業の一助になることを目指した取り組み。
ウェブサイト
審査員評価
自社の製造工程で出てくる裁断くずをもとに糸を作ることによって廃棄をゼロにし、完全なサーキュラーエコノミーを実現させたことが素晴らしい。完全に無駄を出さない仕組みを達成し、自然エネルギーを使用するなど、自然への配慮がなされている。ユニセックス仕様のデザインは、多くの人に魅力を感じさせる。
優秀賞■
商品
食品ロス削減マッチングサービス「タベスケ」
企業・団体
株式会社G-Place
商品概要
サービス対象となる自治体内の食品関連事業者が「食品ロスになりうる食品」をシステム上で安く出品し、一般ユーザーの方がお得に購入予約をすることができる。
結果として、一般ユーザーに対しては食品を安く提供、食品関連事業者に対しては、提供した食品による利益の発生や食品廃棄物処理費用の削減、対象自治体に対しては自治体内の食品ロスおよび廃棄物量の減少と廃棄物処理費用の削減、食品ロス関連の統計データ収集が見込まれる。また、一般ユーザーおよび食品関連事業者に関しては無料でサービスを利用することができる。
ウェブサイト
審査員評価
コロナ禍の食品ロス問題を解決に導くサービス。消費者、自治体、事業者など関連のある人々すべてにメリットとなるシステムで、食品ロス削減に抵抗なく積極的に取り組んでもらえる。食品ロスの実態や法律などの制度についてホームページで発信しており、信頼性も高い。さらに食品ロス削減効果のデータを可視化させていて、消費者啓発や行動変革に繋げている。機能性の向上や新機能搭載に向けたバージョンアップを進めており、サービスの質向上にも期待。事業は始まったばかりのため、参加自治体や協力店の増加が重要となる。
生活者審査員賞■
商品
ベジソルト
企業・団体
えひめ活き生きファーマーズ株式会社
商品概要
西日本豪雨の際に大量の野菜破棄を経験。「そんな農家さん達を救出したい!」という想いをきっかけに野菜・柑橘を活用した商品開発を開始。商品化を進めるにつれて直面した深刻な問題が食品(隠れ)ロスであった。規格外の野菜・柑橘は流通されず破棄される。そんな価値ある商材を有効に活用し、丹精込めて作った物が無駄にならず、次の商品価値となるように、事業に取り組む。
ウェブサイト
審査員評価
規格外や災害に合った地域からの野菜を無条件で買い入れ、農家さん達の深刻な食品ロスの問題を解決する魅力的な商品。しっかりと野菜の香りや味がしており、品質も高い。商品化に「塩」を採用した点も独自性が感じられる。消費者の行動の変革も期待される。
ソーシャルプロダクツ賞■
年度テーマについては15の商品・サービス、自由テーマについては59の商品・サービスに授与しました。一覧にまとめておりますので別添資料をご参照ください。
第9回『ソーシャルプロダクツ・アワード2022』
「ソーシャルプロダクツ」とは
「エコ(環境配慮)」や「オーガニック」、「フェアトレード」、「寄付つき」、「地域や伝統に根差したもの」など、人や地球にやさしい商品・サービスの総称で、購入者が持続可能な社会づくりに関する行動や団体とつながることができるものをさします。
https://www.apsp.or.jp/socialproducts/
ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)とは
ソーシャルプロダクツの普及・推進を目的に設けられた、日本初で唯一の表彰制度。
優れたソーシャルプロダクツの情報を生活者に広く提供するとともに、ソーシャルプロダクツを通して持続可能な社会づくりに取り 組んでいる企業、団体を応援します。
詳細はこちらをご覧ください。 https://www.apsp.or.jp/socialproductsaward/
年度テーマ審査員
高橋 博之(株式会社ポケットマルシェ 代表取締役)
矢島 里佳(株式会社和える 代表取締役)
玉村 雅敏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授、内閣府地域活性化伝道師)
伊藤 房雄(東北大学大学院 農学研究科 教授・博士(農学))
渡邊 智惠子(一般社団法人サーキュラー コットン ファクトリー[CCF] 代表理事)
飛田 恵美子(ライター/『復興から自立への「ものづくり」』著者)
自由テーマ審査員
高橋 義則(株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所 代表取締役社長、APSP理事)
遠藤 祐子(株式会社メディアジーン 編集部門 執行役員、MASHING UP編集長、Lifehacker [日本版] 編集長)
古谷 由紀子(一般財団法人CSOネットワーク 代表理事、サステナビリティ消費者会議 代表)
原田 さとみ(エシカル・ペネロープ株式会社 代表取締役、一般社団法人 日本フェアトレード・フォーラム代表理事)
エバンズ 亜莉沙(エシカルコーディネーター、PrettySimple Studio Co. ディレクター)
増田 明子(専修大学 商学部 教授)
三柴 淳一(国際環境NGO FoE Japan 理事)
※上記の有識者・専門家審査員のほかに、公募により選ばれた生活者審査員20名。
<主催> 一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会
<後援> 経済産業省、環境省、消費者庁、復興庁、株式会社環境新聞社、
一般社団法人エシカル協会、
一般社団法人オーガニックフォーラムジャパン、
一般財団法人CSOネットワーク、サステナビリティ消費者会議、
地方創生SDGs官民連携プラットフォーム、大阪商工会議所
<協力> 株式会社 大丸松坂屋百貨店、株式会社SoooooS.カンパニー、
株式会社YRKand、ドリームパートナーズ株式会社
◆ソーシャルプロダクツ普及推進協会について
「ソーシャルプロダクツ」の普及・推進を通じて、生活者や企業などと共に、持続可能な社会の実現を目指す非営利の組織です。
http://www.apsp.or.jp
第9回『ソーシャルプロダクツ・アワード2022』審査総評
年度テーマ:東日本大震災からの復興につながる商品・サービス
震災から10年が経った今も、被災地(岩手県、宮城県、福島県)には復興への大きな課題と、さらに被災により生じた新たな社会課題が数多く存在しています。それらの課題を解決し、復興の加速と持続的な地域社会の実現に貢献することを目的にした商品・サービスを募集しました。
ユニークなアイデアと復興への想い、地域への愛が込められたプロダクツが、被災地に根差した企業・団体からも多数エントリーされました。プロダクツの幅が広がってきていることもあり、ビジネスとして成立している商品も多く、ソーシャルプロダクツの果たす役割がより一般化していることも感じられました。背景に共感する商品を選んで使うことは、暮らしを豊かにすると思っています。今回のアワードを通して、良質なつくり手と使い手の出会いがあることを願っています。
自由テーマ:生活者が「持続可能な社会」づくりに参加できる商品・サービス
第1回から継続して募集している本テーマでは、「エコ(環境配慮)」「オーガニック」「フェアトレード」「地域の活力向上」など、幅広く社会課題の解決につながる商品やサービスの応募がありました。年々応募商品・サービスの取り組みレベルも上がり、応募数も増え、時代の変化を感じております。新型コロナウイルス感染症の影響もあり遠い世界の出来事が自分の身近な生活環境と密接につながっていることを感じられたのではないでしょうか。第三者の役に立つソーシャルプロダクツは必ず自分に戻ってくる、その好循環をこれからも生み出していきたい、と改めて思いを強くいたしました。
展示販売会のご案内
場所:大丸東京店 9階「イベントスペース」
〒100-6701 東京都千代田区丸の内1-9-1
日時:2月23日(水・祝)~3月1日(火) 10時~20時
(営業時間は変更する場合があります。最新の情報は大丸東京店ウェブサイトでご確認ください。)