トーマスが次世代の教育パートナーになる!? 未就学児の大人気キャラクター、「きかんしゃトーマス」の 教育的効果を調査・検証するための共同研究プロジェクトを発足

株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ(本社:東京都港区、代表取締役:長谷川 仁、以下SCP)と、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所(所在地:東京都小金井市、理事長:鉄矢 悦朗 ※)は、2018年6月15日より、SCPがマスターライセンスを保有する「きかんしゃトーマス」を中心とした、キャラクターのもたらす教育的効果を調査・研究する共同研究プロジェクトを発足いたします。
※「鉄」は正しくは金へんに矢

きかんしゃトーマス
きかんしゃトーマス

研究の推進は、国立大学法人 東京学 芸大学芸術・スポーツ科学系准教授の正木 賢一先生、人文社会科学系准教授の南浦 涼介先生、芸術・スポーツ科学系講師の森尻 有貴先生ほか、東京学芸大こども未来研究所に所属する研究員2名が担当いたします。「きかんしゃトーマス」をはじめとしたキャラクターの研究を行うにあたっては、キャラクターが含有する領域を多角的な視野で検討していくことが求められます。この学際的研究課題に対し5名の研究者が中心となって、キャラクターのもたらす教育的効果を、学術的な視点に基づき検証していきます。

現代では日本人の約8割がキャラクターに関するグッズを所持していると言われ、キャラクターと生活を共にすることが、日本人のライフスタイルとして広く定着しています。キャラクターに関するこれまでの研究では、十分な発話能力を有する被験者を対象として、キャラクターには癒し効果が認められるほか、自己形成における目標としての位置がある、などのことが説かれてきました。今回の共同研究では、次の3つの仮説を検証していきたいと思っております。

1.ストーリーの追体験が子どもの非認知能力を育む。
2.「共通の遊び体験」を通して、キャラクターが子どもを「学び」へと導くファシリテーターとなる。
3.キャラクターの介在が子どもの豊かな心の成長を促す。

上記3つの仮説を、「きかんしゃトーマス」を中心に、質的および量的調査の双方からアプローチし、検証していきます。

本共同研究の成果は商品や新たなサービスの開発に活用し、子どもたちのより良い生活につながるよう、今後一層邁進していく所存です。どうぞ、ご期待ください。

共同研究の目的

「きかんしゃトーマス」をはじめとするキャラクターの教育的効果について、次に掲げる3つの仮説を通して検証します。

本共同研究における仮説

キャラクターの教育的効果を述べるにあたって、以下、3つの仮説を提唱いたします。
これら仮説に対し、質的および量的調査の双方から検証していきます。

(1) ストーリーの追体験が子どもの非認知能力を育む。
キャラクターはアニメーションのなかで様々な体験を行っていきます。お友達を大切に思うことや、物事にポジティブに取り組むこと、「今日はこれを頑張ってみよう」という目標意識や、最後まであきらめずに頑張り抜くことなど。これらは非認知能力として、昨今、教育界で着目されています。
子どもたちは、アニメーションの世界に没入し、キャラクターとともにストーリーを追体験することで、非認知能力を育むことができるのではないでしょうか。

(2) 「共通の遊び体験」を通して、キャラクターが子どもを「学び」へと導くファシリテーターとなる。
子どもたちにとっては、キャラクターの持つ背景を前提としながら、その世界観のなかでキャラクターと「共通の遊び体験」をすることで、心の距離が縮まっていくと考えられます。「遊び」を通して子どもたちは多くの発見をし、新しい体験をしていきます。それぞれのキャラクターの持つ特性が子どもたちに遊びを誘発し、その遊び体験は、子どもたちに豊かな気付きや学びを提供すると思われます。
好きなキャラクターとの「共通の遊び体験」は、さらなる新しい遊びや体験を生み出すエンジンとなり、その時、キャラクターはファシリテーターとして機能しているのではないでしょうか。

(3) キャラクターの介在が子どもの豊かな心の成長を促す。
キャラクターはその1つ1つが特徴的な人格を持っており、子どもたちは好きなキャラクターと接する中で、自分とは異なる価値観や考え方を受容していくと考えられます。子どもたちにとって、親とも同年代のお友達とも異なる位置にいるキャラクターの存在は、その独立した位置から、子どもたちの内面へと働きかけていると考えています。
キャラクターが子どもたちにとって独自の影響力を持っているならば、キャラクターと生活を共にすることによって、子どもたちの豊かな心の成長を促すことができるのではないでしょうか。

SCPコメント

原作出版から70年以上の歴史を持つクラシックキャラクターである「きかんしゃトーマス」は、様々な大きさ・色・かたち・種類の機関車の交流と、遊びやケンカなどの日常を描くことを通じて、友情とチームワークの大切さを伝えてきました。そのトーマスの教育的効果を学術的に解き明かそうというのが今回のプロジェクトの最大の目的です。

調査研究概要(予定)

質的調査

(1) 未就学児を対象としたアニメ鑑賞教室における非参与観察調査:
未就学児を対象にした調査。
親子、子ども同士で「きかんしゃトーマス」などのアニメーション(以下、アニメ)を見る場を定期的に設け、その様子を専門家が観察する。アニメを見る前後にはアニメに関する玩具に触れる時間を設け、アニメ視聴前後で対象児にどのような活動の変化があるかという視点などから分析を進めていく。

(2) トーマスランドでの参与観察調査:
来場者親子を対象にした調査。
アニメや絵本、手のひらに収まるおもちゃとしてのトーマスではない世界観のなかで活動する来場者親子の様子を専門家が観察する。

量的調査

(3) キャラクターの趣向に関する調査:
大人を対象としたアンケート調査。
好きなキャラクターがあるかどうか、またその趣向性と人格特性の相関に有意差が見られるかどうか把握する。

研究スケジュール(予定)

2018年8月~2019年2月 :「未就学児を対象としたアニメ鑑賞教室における
             非参与観察調査」実施
2018年8月      :「トーマスランドでの参与観察調査」実施
2018年12月~2019年1月:「キャラクターの趣向に関する調査」実施
2019年4月      :調査結果報告

研究メンバー

・東京学芸大学
 芸術・スポーツ科学系准教授  正木 賢一(研究代表)
 人文社会科学系准教授     南浦 涼介
 芸術・スポーツ科学系講師   森尻 有貴

・東京学芸大こども未来研究所
 幼児教育専門研究員      我妻 優美
 音楽教育専門研究員      小田 直弥

・株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ

特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所について

日本における教員養成の基幹大学である東京学芸大学が持つ「知」を、社会に発信していくことを目的として設立。子どもを取り巻く「ひと(人材 育成)」「モノ・コト(開発・調査)」、「コミュニケーション(伝達支援)」を軸に事業を展開。東京学芸大学内に実践研究の場として「こどモードハウス」をつくり、遊び、玩具、地域教育に関する研究開発、調査を行っている。

● 正木 賢一(まさき けんいち) 研究代表
東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系准教授。
専攻はグラフィックデザイン・情報デザイン。アートとデザイン教育を主軸とした「ビジュアルコミュニケーション」の可能性を追求している。特に、絵本やデジタル表現を通じた「メディア表現教育」の実践的研究に取り組む。最近は「変人類学研究所」を設立し、クリエイティブ人材の育成プログラムの開発を行っている。NPO法人 東京学芸大こども未来研究所副理事、NPO法人 アートフル・アクション理事、絵本学会所属。企業のキャラクターやウェブデザイン、VI計画などを手がけ、著書に絵本「carnimal」がある。

● 南浦 涼介(みなみうら りょうすけ)
東京学芸大学 人文社会科学系准教授
大学卒業後、タイで日本語教師をし、その後日本帰国後に行った外国人児童生徒の日本語教育の仕事をしていたときに、もっとも課題を感じたのが第二言語で社会を教えることだった。それをきっかけに、「ことば(とくに第二のことば)」と「社会」を関連づけた教育に関心を持つ。そのため今でも日本語教育、社会科教育、教師教育、実践研究、市民性教育などが研究のキーワード。
最近は日本語教育と国語教育の融合、多様性の社会での教師、学びの可視化とコミュニティの相互アセスメントなどにも強い関心を持っている。
著書『外国人児童生徒のための社会科教育―文化と文化の間を能動的に生きる子どもを授業で育てるために』(明石書店、2013年)、ほか。

● 森尻 有貴(もりじり ゆき)
東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系講師
専門は音楽教育学・音楽心理学。演奏評価に関する論文で博士号を取得。また、イギリスの音楽教育に関する研究にも取り組み、国内外の音楽教育の視点を探求している。ISME (International Society for Music Education)、SEMPRE (Society for Education and Music Psychology Research)、日本音楽教育学会、音楽学習学会、日本保育学会所属。産業技術総合研究所協力研究員、総合教育研究財団理事。

● 我妻 優美(わがつま ゆみ)
東京学芸大こども未来研究所 幼児教育専門研究員。
乳幼児期の遊び環境を豊かにする実践と研究に取り組む。
修士(学際情報学)、幼稚園教諭第一種免許取得。日本保育学会、日本子ども学会所属。

● 小田 直弥(おだ なおや)
東京学芸大こども未来研究所 音楽教育専門研究員。
「音と言葉」をテーマとした表現活動の実践と研究に取り組む他、ピアニストとして演奏活動も行う。
修士(教育学)、中学校・高等学校教諭専修免許(音楽)取得。日本音楽教育学会、日本保育学会所属。

株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツについて

キャラクターを中心とした国内外の著作物・商標などの知的財産を開発・使用し、さまざまなマーチャンダイジングやサービス分野へのトータルマーケティングを行うプロパティビジネスを展開しています。
マーチャンダイジングの分野では、ビデオ・書籍・衣料・玩具・雑貨など、サービス分野では、放上映・イベント・アミューズメント・情報通信・セールスプロモーション・流通などでのプロパティ総合的展開をはかっています。

公式サイト: http://www.scp.co.jp/

「きかんしゃトーマス」について

きかんしゃトーマスは2015年に原作出版70周年を迎えた、特に未就学児に大人気のクラシックキャラクターです。イギリスの牧師、ウィルバート・オードリーが描いた「汽車のえほん」シリーズがベストセラーとなり、そこに登場する「きかんしゃトーマス」も人気キャラクターになりました。その後、イギリスの映像プロデューサー、ブリット・オールクロフトにより1984年に映像化され、現在世界で40の言語で180以上のエリアで放送されています。日本でも、絵本出版から40年以上、テレビ放送から25年以上の歴史があり、現在はNHK Eテレで毎週日曜に放送されています。

「きかんしゃトーマス」公式サイト: http://www.thomasandfriends.jp/

(C)2018 Gullane (Thomas) Limited.


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