グラフェンがカーボンナノチューブを上回る

株式会社グローバル インフォメーションは、アイディーテックが発行した報告書「Carbon Nanotubes and Graphene for Electronics Applications 2011-2021 (電子アプリケーション用カーボンナノチューブおよびグラフェン:2011-2021年)」の販売を開始しました。

カーボンナノチューブ(CNT)の商品化は10年前には時期尚早でしたが、今では、コンピューターやディスプレイ、太陽光発電およびフレキシブルエレクトロニクスといった様々な用途へのグラフェンの使用が期待されています。

アイディーテックの当報告書によれば、CNTおよびグラフェントランジスターは、2015年以降大量生産されると予測されています。CNTおよびグラフェンは、プリンテッド・エレクトロニクス部門において最大の市場機会があり、これらの素材を組み込んだデバイスの市場規模は、2021年には440億米ドル以上に達すると推定されています。

比較的短期間で、大量のグラフェン素材が商品化され、さらなる素材の進化とアプリケーション開発に寄与するでしょう。CNTと比較するとグラフェンは非常に軽く価格も安いため、いくつかの用途において、炭素カーボンやインジウムスズ酸化物(ITO)にとって代わる可能性があります。

フレキシブルおよびシースルーディスプレイへの応用によって、グラフェンは将来商業的花形となるかもしれません。フレキシブルおよびシースルーディスプレイはライス大学等で開発されているフレキシブルで透明な電子部品と組み合わせることにより、どんなものに対しても巻き付け可能なコンピューターや太陽電池といった画期的な開発につながる可能性があります。アイディーテックでは、OLDEディスプレイと太陽光発電だけで2011年の市場規模は250億米ドル以上となると予測していますが、その中には、グラフェンを使用したものも含まれます。

グラフェンとその組成物は、新たな加工プロセスにより材料の生産コストが下がるにつれて、トランジスターにおける利用が増加し、その性能の向上に役立っています。グラフェントランジスターは、現在使用されているシリコン部材の後継となる可能性があります。グラフェンはシリコンより早く電子を通過させるので、テトラヘルツ・コンピューティングを可能にするかもしれません。

電子アプリケーション用カーボンナノチューブおよびグラフェン:2011-2021年
Carbon Nanotubes and Graphene for Electronics Applications 2011-2021
http://www.gii.co.jp/report/ix208506-carbon-nanotubes-graphene-electronics-applications.html
出版日 2011年08月
発行: アイディーテック

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