仙台市「中小企業チャレンジ補助金」活用事例  クロールアップ

保育園・職場に惣菜をお届け 「お迎え惣菜.com」

仙台市は、新型コロナウイルス感染症の影響による社会の変化に適応するため、新たな商品やサービスの提供、業態転換などに取り組む地元企業の支援を目的として、中小企業チャレンジ補助金事業を実施している。2021年6月の第1回公募では8事業、10月の第2回公募では30事業が採択。そのうちの1社、株式会社クロールアップの取り組みを紹介する。

子育ての経験をヒントに、新事業「お迎え惣菜.com」を立ち上げた及川大生社長(運営する仙台市若林区の土樋パン製作所)
子育ての経験をヒントに、新事業「お迎え惣菜.com」を立ち上げた及川大生社長(運営する仙台市若林区の土樋パン製作所)

クロールアップ(仙台市若林区)は2006年に設立。ケータリングサービス事業からスタートし、現在は仙台市内で居酒屋やパン屋の経営、学食・社食の運営などの飲食事業を展開する。順調に事業を拡大してきたが、コロナの影響でイベントの中止や飲食店の営業制限など厳しい状況が続き、これまでのビジネスモデルでは収益の確保が難しくなった。

及川大生社長は、自社の強みやノウハウを生かした新たなビジネスモデルに挑戦しようと決意。コロナ禍でニーズが高まっている「中食」に着目した。

事業を始めるにあたって、仙台市の「中小企業チャレンジ補助金」を活用した。チャレンジ補助金は事業実施にかかる経費の補助に加えて、仙台市産業振興事業団に所属する経営支援の専門家から伴走支援を受けることができるのが特徴だ。

こうして立ち上げたサービスが「お迎え惣菜.com」。弁当や惣菜の製造・販売だけでなく、商品を保育園や職場で受け取れる付加価値をつけることで、他社との差別化を図った。

保育園のお迎え時に商品を受け取る利用者
保育園のお迎え時に商品を受け取る利用者

及川社長自身も3人の子どもを持つ親として、日々の育児の大変さを実感する。「安心して食べられる食事を、子どものお迎えのついでに持ち帰ることができたら、育児や家事が楽になると思いました」と話す。

注文は無料通話アプリ「LINE」を活用する。当日11時までに注文した惣菜や弁当を同社が保育園や職場に配送。仕事帰りや保育園のお迎え時にその場で商品を受け取ることができる。利便性に加え、栄養バランスを考えた食事やアレルギーへ配慮したメニューを用意し、品質を保つために温度管理されたコンテナボックスで運搬するなど、安全・安心な食事の提供にもこだわる。現在は6カ所の保育園や事業所でサービスを導入し、少しずつ引き合いも増えているという。

品質を落とさないよう、商品は温度管理されたコンテナボックスで保管されている
品質を落とさないよう、商品は温度管理されたコンテナボックスで保管されている

「補助金を活用することで、、中長期的視点から、じっくりと腰を据えて取り組むことができています。お客さまからの意見を反映し、より利用しやすいサービスにブラッシュアップしていきます」と及川社長。コロナ禍という厳しい状況でも時代のニーズをとらえ、新しいサービスに挑戦していく。

仙台市ではウィズコロナ・アフターコロナに対応した新たな事業に取り組む企業向けに、「中小企業チャレンジ補助金」などのサポートを行っている。詳細は仙台市のHPなどで確認を。

仙台市中小企業チャレンジ補助金

https://www.city.sendai.jp/kikakushien/challengehojokin/jigyougaiyou.html


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