おとなもこどもも一緒に踊れる“体感型”キッズ・プログラム KAATキッズ・プログラム2022『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』再演決定 カンフェティでチケット発売

夏休みのお盆をテーマに 「生と死」「自然の中の身体」について こどもたちの新たな発見を生むダンス作品

KAATキッズ・プログラム2022『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』が2022年7月20日 (水) ~2022年7月24日 (日)にKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ(神奈川県横浜市)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて5月29日(日)10:00より発売開始です。

カンフェティにて5月29日(日)10:00よりチケット発売開始
http://confetti-web.com/kukunochi2022/

公式ホームページ
https://www.kaat.jp/d/kukunochi2022

ダンサー・振付家 北村明子×現代美術家 大小島真木でお届けする

「夏休み」「お盆」をテーマにしたダンス作品、待望の再演!

 KAATキッズ・プログラム2022は、2021年7月に上演された『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』の再演で幕を開けます。
 本作は、コンテンポラリーダンス界で常に新たな表現に挑戦し続けるダンサー・振付家北村明子と、現代美術家大小島真木という、2人のコラボレーションから生み出されたダンス作品で、北村にとっては初めてのキッズ・プログラムの演出となりました。
 2021年4月に芸術監督に就任した長塚圭史は、KAATが“常に考える場、豊かな発想を生み出す場となること”を目指し、ジャンルを横断したアーティストの交流を大切にしています。2016年に白井晃前芸術監督が始め、長塚が引き継いだKAATEXHIBITION(劇場空間と現代美術の融合による新しい表現を生み出す企画シリーズ)もその取り組みの1つで、そこから生まれた現代美術家と劇場の関係性は、他のプロジェクトへも広がっています。それが、自然や生き物をモチーフに身体や生命について訴えかえける作品を多く手掛けている、新進気鋭の美術家・大小島真木と北村の出会いとなりました。北村が大小島作品を観て「一目ぼれした」と話すように、大小島とは共鳴しあう部分も多く、二人の対話から生まれたのが、本作『ククノチテクテクマナツノボウケン』です。
 北村が構築する身体表現と世界観、大小島の独創性溢れる舞台美術と映像、長年北村作品で音楽を担当する横山裕章の音楽、そして個性豊かなダンサーたちによる、舞台空間、踊り、歌をぜひ、体感してください。

“ボウケンきっぷ”を手に、さぁ、劇場にでかけよう!

 今回、作品のテーマとなるのは「夏休み」です。そして日本の「夏休み」には死者を迎え入れる「お盆」の時期が含まれています。「亡くなった人を想うこと」「生と死」「自然の中の身体」などをキーワードに、こどもたちが言語ではなく身体を通じて、生死や自然について新たな発見・体験ができる作品となりました。また、初演時、好評をいただいた公演と連動した関連ワークショップ(お面づくり体験・ダンスレッスン)も開催します。ロビーで作ったお面は、まるでこれから体験する舞台の“ボウケンきっぷ”。観客の皆さんは、お面をつけて、開演前のダンスレッスンで覚えたダンスで、劇中のある重要なシーンに、参加して頂きます。
 本作を鑑賞後、こどももおとなも、それぞれ感じ取った思いを語り合い、死者と共にあること、またそうした文化について、考える機会にもなることを願っています。

あらすじ

 夏休み、どこにも行けず、ひとりぼっちの男の子。とある公園で遊んでいると森の精霊たちに出会い、不思議なボウケンの旅に出る。この世とあの世をつなぐボウケントンネルをくぐると、森の奥深くに木の神様ククノチが現れる。男の子はククノチから、生と死は遠いものではなく、亡くなった親しい人たちは自然に還っていくことを知る。森の儀式が繰り広げられ、やがて大好きだったおばあちゃんの姿が見えてくる・・・。

上演にあたって

北村明子(振付・演出家)

ククノチ テクテク マナツノ ボウケンがバージョンアップして帰ってきました!

このダンス作品は、古来より日本に伝わり、豊かな文化である祖先を弔う「お盆」をテーマと決め、クリエイションをスタートさせました。

キッズに真剣勝負を申し込む、そんな心づもりで、私が創作活動で長らく考え続けている死者とともにある生活文化や普段は見えない世界への創造と接続するダンスワールドを展開しました。そこでは、私たちの身体が持つ力、魅力、そして、その身体がなすダンスを捧げることが何であるかを問いかけていきます。ダンスとは躍動する身体の美しさ、楽しさだけではなく、過去・現在・未来を繋げていく肉体的精神的行為、祈り、生きているわたしたちの存在そのものでもあるのです。コンテンポラリーダンスは解釈が難しい・・・なんていっている間もないくらい、こどもたちは時には笑い、時には恐怖に慄きながら、最後は嬉々として踊り、冒険を楽しんでくれました。私も客席でお客さまと一緒になって、この世界への冒険に同行し、その身体感覚を共にすることがこの夏にも出来るのを楽しみにしています。

再演バージョンでは、鑑賞者のみなさんがより多くのシーンでダンスに参加する仕立てとなっています。ダンスは、生の儚さや死の悲しみや自然への畏怖、死生観にも触れていく思考の扉でもあるのです。ダンスの楽しさや奥深さを、ご家族でご一緒に体感していただければ幸いです。

<プロフィール>
ダンサー・振付家、信州大学人文学部教授。
バレエ、ストリートダンス、インドネシア武術を学び、大学院在学中の1994年ダンス・カンパニー、レニ・バッソを創設。1995年文化庁派遣在外研修員としてベルリンに留学。帰国後、独自の振付方法である「グリッド・システム」を実践。ダンスと光、リズム、映像が交錯し展開する作品スタイルを確立する。2001年代表作『finks』を発表。世界60都市以上で上演され、モントリオールHOUR紙の2005年ベストダンス作品賞を受賞。2010年よりソロ活動として、リサーチとクリエイションを行う国際共同制作プロジェクトを展開。これまでに<To Belong project> <Cross Transit project>を行い、国内外で上演。2018年に発表した『土の脈』は、第13回日本ダンスフォーラム大賞を受賞。2020年よりアイルランド~中央アジア~日本を越境する <Echoes of Calling project>を始動する。「身体の思考」をもとに幅広く活動を行いながら、大学では、身体論、演出論、舞踊論の視点から「メディアとしての身体」をテーマに研究を行う。

大小島真木(美術)

ククノチテクテク真夏の冒険。ククノチという木の神様に誘われるまま、テクテク、テクテク、日常から異界へ。あちら側とこちら側の狭間にある世界に行って、そしてまた戻ってくる、ひと夏の冒険の物語です。

主人公は精霊たちと共に深い森の道を進んでいき、そこでいるはずのない死者たちと出会います。会いたかった人、会えなくなってしまった人。伝えたかったこと、伝えきれなかったこと。死と生が混ざり合う場所で、主人公は死者たちと何を語らうのでしょうか。

目に見えていることが世界の全てではありません。それは決して比喩ではなくて、私たちは本当に目には見えないものたちによって生かされています。私たちの体にもたくさんの目に見えない菌がいます。私たちの足下にある土には数えきれないくらいの目には見えない命がうごめいています。
あちら側の世界から戻ってきたとき、主人公の暮らしている日常の世界は、これまでとは少し変わっているかもしれません。私たちを包み、生かしている、目には見えないたくさんの存在が、これまでより身近に感じられるようになっているはずです。そう、本当のところ、こちらの世界とあちらの世界はずっと繋がっていたんです。精霊たちはいつだって、私たちのすぐそばで、唄い、踊っています。

<プロフィール>
1987年東京生まれ。
異なるものたちの環世界、その「あいだ」に立ち、絡まり合う生と死の諸相を描くことを追求している。インド、ポーランド、中国、メキシコ、フランスなどで滞在制作。2014年にVOCA奨励賞を受賞。2017年にはアニエスベーが支援するTara Ocean 財団が率いる科学探査船タラ号太平洋プロジェクトに参加。主な個展に、「骨、身体の中の固形の海。- 植物が石化する。」(2019年、HARUKAITO、東京)、「L’oeil de la Baleine/ 鯨の目」(2019年、フランス・パリ水族館)、「鳥よ、僕の骨で大地の歌を鳴らして」(2015年、第一生命ギャラリー)。主な参加展覧会に、「コロナ禍とアマビエ」(2022年、角川武蔵野ミュージアム)、「Re construction 再構築」(2020年、練馬区立美術館)、「いのち耕す場所」(2019年、青森県立美術館)、「瀬戸内国際芸術祭-粟島」(2019年)。また、「ククノチ テクテク マナツノ ボウケン」(2021年、KAAT神奈川芸術劇場)で舞台美術を手がける。ウォールアートプロジェクトのオーガナイズにより、インドの学校4校にて壁画を制作。東久留米市南沢氷川神社に天井画奉納、多摩六都科学館のプラネタリウム全天88星座の原画、東京大学海洋研究センターへの天井画、東京大学本郷キャンパスへの壁画を制作するなど多方面で活動している。主な出版物として「鯨の目(museum shop T)」など。

公演概要

KAATキッズ・プログラム2022『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』
公演期間:2022年7月20日 (水) ~2022年7月24日 (日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>(神奈川県横浜市中区山下町281)

■出演者
川合ロン / 清家悠圭 / 岡村樹 / 黒須育海 / 井田亜彩実 / 永井直也

■スタッフ
振付・演出:北村明子
美術   :大小島真木
音楽   :横山裕章
照明   :髙田政義
音響   :星野大輔
映像   :栗山聡之
衣裳   :池田木綿子
演出助手 :福岡聡
舞台監督 :川口眞人

■公演スケジュール
7月20日(水) 14:00
7月21日(木) 14:00
7月22日(金) 14:00◎
7月23日(土) 11:00 / 16:00◎
7月24日(日) 11:00◎ / 16:00
※開場は開演の30分前
◎=託児サービスあり 公演一週間前までに要予約・有料(マザーズ:0120-788-222)

■チケット料金
おとな:3,500円
こども(4歳~高校生):1,000円
(全席指定・税込)

企画製作・主催:KAAT神奈川芸術劇場
後援:神奈川県教育委員会 横浜市教育委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
   独立行政法人日本芸術文化振興会

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