オラクル、「Oracle Big Data SQL」によりビッグデータ製品群を拡充
2014年7月15日 カリフォルニア州レッドウッドショアズ発
発表の概要
今日、企業では日々増大するデータソースから発生する、かつてなく大量のデータを管理するための革新的な手法を模索しています。HadoopやNoSQLなどの技術はこれらビッグデータの活用に役立てられていますが、一方でデータのサイロ化が生じる原因にもなり、データから新たな洞察を得るためのデータアクセスとデータ分析が複雑化する要因にもなります。ビッグデータから得られる情報の価値を最大化するには、既存のデータマネジメント・アーキテクチャを進化させ、Hadoopやリレーショナル・データベース、NoSQLなどの各種データソースに格納されているあらゆるタイプのデータを、シームレスに統合できるビッグデータ・マネジメントシステムが必要となります。このビッグデータ・マネジメントシステムには、すべてのデータへのアクセスを簡略化し、既存のスキルを活用できると同時に、機密情報や規制情報に対するエンタープライズ・クラスのデータ・セキュリティとガバナンスが提供できることも求められます。
このような包括的なビッグデータ・ソリューションを求める企業のニーズに対応するために、オラクルは本日、ビッグデータ・マネジメントシステムの根幹の要素となる「Oracle Big Data SQL」を発表しました。本製品は、データのサイロ化を解消し、データへのアクセスとデータ分析を簡略化することができます。SQLクエリをHadoop、NoSQL、「Oracle Database」にまたがって実行できるため、データの移動が最小限に抑えられ、パフォーマンスも向上し、実質的にデータのサイロ化の解消を実現します。「Oracle Big Data SQL」を利用することで、より迅速に洞察を見出すことが可能になり、企業の競争力が向上すると同時に、データを安全に保護し、データガバナンスも強化できます。さらに、人材のスキルとアプリケーションの両面で、SQLへの既存の投資が有効活用できます。
発表内容
・オラクルは本日、Hadoop、NoSQL、「Oracle Database」間でデータをシームレスに統合するSQLベースのソフトウェア「Oracle Big Data SQL」を発表しました。
・「Oracle Big Data SQL」は「Oracle Big Data Appliance」上で稼働し、「Oracle Exadata Database Machine」と連携させることができます。
・「Oracle Big Data SQL」の導入により、業界標準のSQLという実績のあるテクノロジーを活用することによってデータへのアクセスを簡略化し、企業に存在するすべてのデータから迅速に洞察を見出すことが可能になり、ビジネスの変革に役立てることができます。
・「Oracle Exadata」のSmart Scanテクノロジーという独自のアーキテクチャをもつ「Oracle Big Data SQL」は、データの移動を最小限に抑えながら、構造化および非構造化のすべてのデータに対してクエリを実行することができます。このため、Hadoop、NoSQL、「Oracle Database」に分散するデータの分析速度が飛躍的に向上します。
・既存のSQLスキルが利用できるため、新たな人材育成のための多額の投資を行う必要はなく、既存テクノロジーへの投資の最大活用が可能となります。
・「Oracle Big Data SQL」の導入により、既に企業で導入されているセキュリティ・ポリシーを含む「Oracle Database」のセキュリティ機能が、HadoopとNoSQLのデータにも拡張適用されます。
・「Oracle Big Data SQL」の提供開始は、2014年第3四半期を予定しています。
・新たに「Oracle Big Data SQL」が加わったオラクルのビッグデータ・ソリューションにより、探索や予測といったデータ分析の迅速化、データへのアクセス簡略化、ビッグデータのガバナンスとセキュリティ強化が可能になります。
迅速なデータ活用
・データマネジメントシステムの全てのデータを対象に、SQLによるクエリとデータ分析を行うことが可能となります。これにより、異なるプラットフォーム間でデータをコピーもしくは移動したり、MapReduce用の言語を使って分析を行ったり、プラットフォームごとに異なるクエリを作成したり、その異なるクエリ結果を組み合わせる方法を考えたりする必要がなくなります。
・「Oracle Exadata」から受け継がれたSmart Scanテクノロジーにより、特定のクエリに必要なデータをHadoop上のローカル環境でインテリジェントに検出することが可能となり、データの移動が最小限に抑えられ、パフォーマンスが向上します。
・「Oracle Big Data SQL」は、広く普及しているSQLベースのビジネス・インテリジェンス・ツールやアプリケーションに対応します。従来のデータウェアハウスの外側にあるHadoopとNoSQLのデータソースに簡単にアクセスでき、かつ既存のアプリケーションとツールに変更を加える必要がないため、ビッグデータからの情報探索を迅速化します。
シンプルなデータアクセス
・従来、企業レベルでビッグデータを利用するためには、新しいテクノロジー、言語、スキルが必要とされていました。オラクルは、リレーショナルおよび非リレーショナルの技術を単一アーキテクチャとして組み合わせ、データアクセスのための業界標準言語であるSQLを利用することで、企業レベルでのビッグデータ活用を簡略化します。
・SQLの適用範囲を企業のデータ・エコシステム全体に拡張することで、既存の SQLスキルを使ってすべてのデータを検出、分析することができます。
・データ管理のためのオラクルのエンジニアド・システムとの統合により、Hadoop、リレーショナル・データベース、NoSQLといったデータ活用を迅速に実行でき、総保有コストを低減すると同時に、データに含まれる価値ある情報をセキュアに管理することができます。
ガバナンスとセキュリティ
・「Oracle Big Data Appliance」には、データのプライバシーを保護し、規制要件に対応するための包括的なデータ暗号化機能があります。データ移動の最小化とネットワーク暗号化機能により、「Oracle Big Data Appliance」に保存されている機密情報や規制情報を、盗難や未承認アクセスから保護することができます。「Oracle Big Data Appliance」には、インストール時に自動的にセットアップ可能な、エンタープライズ・グレードの認証(Kerberos、LDAP)、認可(Apache Sentry)、監査(Oracle Audit Vault and Database Firewall)といった機能があり、Hadoop上のデータへのガバナンス強化プロセスを大幅に簡略化できます。
・企業がデータのガバナンスを犠牲にすることなくビッグデータのメリットを確実に享受できるように、「Oracle Big Data SQL」は「Oracle Database」の高度なセキュリティ機能をHadoopとNoSQLのデータにも拡張します。「Oracle Big Data SQL」を導入することで、実績ある「Oracle Database」のセキュリティ・ソリューションのメリットであるデータリダクション、権限コントロールされた分析、および権限を持ったユーザーのデータアクセスを制限するといった強力なアクセスコントロールを活用できます。
・「Oracle Big Data SQL」の導入により、HadoopとNoSQLのデータに既存のセキュリティ・ポリシーを適用し、企業の機密情報と規制情報に対するガバナンスとセキュリティを拡張できるようになります。
本発表に向けたコメント
・オラクルのデータベース・サーバー技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるアンドリュー・メンデルソン(Andrew Mendelsohn)は、次のように述べています。「企業では、HadoopやNoSQLなどリレーショナル・データベース以外の多様なデータソースを利用する機会が増えており、データのサイロ化が加速しています。これはデータの分析や探索の妨げとなり、ビッグデータ本来の可能性を制限してしまいます。『Oracle Big Data SQL』は、実績と定評のあるSQLクエリ言語を利用することでこれらのサイロを解消し、企業でのビッグデータ活用を支援します。すべての自社データにアクセスし、既存の投資とスキルを活用し、ビジネスの変革に役立つ新しい価値の獲得と発見が可能になります。このシンプルかつ強力な手法により、オラクルはデータベースの技術革新を引き続きリードしていきます」
・Clouderaの創業者であり、最高戦略責任者 兼 会長であるマイク・オルソン(Mike Olson)氏は、次のように述べています。「ClouderaのHadoopベースの先進テクノロジーをフルに利用したいと考えている顧客にとって、『Oracle Big Data Appliance』は素晴らしい選択肢です。DIY(Do It Yourself)クラスタよりもコスト効率に優れ、かつ迅速に導入できます。今までもHadoop内のデータに対するSQLによるクエリが強く求められていました。そのためにClouderaはImpalaを開発し、Impalaは現在『Oracle Big Data Appliance』にも搭載されています。これにより、SQLを使ってHadoop内のデータにネイティブかつ効率的にクエリを実行できます。Hadoopと『Oracle Database』の両方に存在するデータをクエリして分析しなければならない場合、『Oracle Big Data SQL』はHDFSへのアクセスサポートを提供します。既存のSQLスキルとセキュリティ・ポリシーをそのまま利用でき、既存のオラクル・インフラストラクチャにHadoopを簡単に統合できます」
参考資料
・Oracle Database
http://www.oracle.com/jp/products/database/overview/index.html
・Oracle Big Data SQL*
http://www.oracle.com/us/products/database/big-data-sql/overview/index.html
・Oracle Big Data Appliance
http://www.oracle.com/jp/products/database/big-data-appliance/overview/index.html
・Oracle Exadata Database Machine
http://www.oracle.com/jp/products/database/exadata/overview/index.html
・「Oracle Database」のセキュリティ・ソリューション
http://www.oracle.com/jp/products/database/security/overview/index.html
・ブログ*(https://blogs.oracle.com/datawarehousing/)、Facebook*(https://www.facebook.com/OracleDatabase)、Twitter*(https://twitter.com/OracleDatabase)で「Oracle Database」の情報を入手
*英語のみ
●オラクルについて
オラクルは、クラウド環境と皆様のデータセンターの両方においてハードウェアとソフトウェアが連携して稼働するよう設計します。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、www.oracle.com をご覧ください。
■本件に関するお問い合わせ先
日本オラクル株式会社 広報室 坂元
Tel: 03-6834-4837 / Fax: 03-6834-6129/ E-mail: pr-room_jp@oracle.com
プレスルーム http://www.oracle.com/jp/corporate/press/
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(本資料は米国2014年7月15日にオラクル・コーポレーションより発表されたプレスリリースの抄訳です)