【もうすぐ新年度 敬語は正しいだけではダメ!】ビジネス場面で相手を不快にしてしまう言い回しとその言い換え方

2022-03-14 17:00

来月から新年度がスタートします。
環境が変わったり、学校を卒業して社会に出たりと、人と話す際に気を遣う機会が増える方もいるのではないでしょうか。

そんなとき、気を付けたいのが言い回しです。
実は、教科書通りに正しい使い方をしていても、なぜか相手を不快にしてしまう言い回しがあるようです。

NHK放送研修センター日本語センターには、数多くの新社会人に対する言葉遣いの研修の要請があります。
講師はすべてアナウンサー経験者で、テレビなどで使う平易で、かつ丁寧な敬語を基本に指導しています。

同センター部長の合田敏行氏が著した『超解 敬語の使い方が面白いほど身につく本』http://www.asa21.com/book/b285889.html、言葉を覚えるのではなく、「磨いていく」という発想で敬語を上手に使っていくことを提案しています。では

様々な場面で適切な言い回しを、あなたの言葉でどう表現したらいいのでしょうか。
その極意を同書から一部ご紹介します。

※以下、本文より一部抜粋

「こんにちは」は、お客様・上司には使わない

まわりの人たちは、友だちではありません。友だちに使う挨拶は避けましょう。

そのためにも、ビジネスの場で使える挨拶と、避けるべき挨拶を分けてみましょう。
分ける基準は、友だちに使う挨拶かどうか、ということです。

「おはよう」という挨拶は友だちに使いますが、お客様や会社の上司ならば、「おはようございます」と言いますね。
これに、異論はないでしょう。

では、「こんにちは」はどうでしょう。
ファストフード店、テーマパークの従業員は、お客様に対しても「こんにちは」を使っていますが、これは、友だち感覚、親近感を演出していると考えるべきです。

一流ホテル、有名レストランでは、お客様を迎える時に「こんにちは」と言ってはいないはずです。
それはつまり、お客様は友だちではないという前提だからです。
お客様のなかには、友だちと同じように挨拶されると、カチンとくる方もいると心得ましょう。

では、「こんにちは」の代わりに何と言えばよいでしょうか。
お客様をお迎えするならば、「いらっしゃいませ」が使えます。

しかし、仕事の打ち合わせで来た方などに、「いらっしゃいませ」がしっくりいかない場面もあるでしょう。

挨拶に困ったら感謝する、尋ねる

このように迷った時の、助けになる方法があります。

それは、感謝やねぎらいを伝え、そして尋ねることです。

お客様がいらっしゃった時は、「暑いなか、おいでいただきありがとうございます」と、感謝の言葉が挨拶になります。
ねぎらいの言葉なら「暑いなか、大変でしたね」と言ってもよいでしょう。

また、「どのようなご用件でしょうか」「何か(どこか)お探しですか」と尋ねることも挨拶になります。

では、訪問先では、どのように言えばよいでしょうか。

ここでも、感謝の言葉が助けてくれます。
「いつもお世話になっております」「今日は、お時間をいただきありがとうございます」などが使えます。

「さようなら」の代わりは何と言う?

「さようなら」は、上からのものの言い方ではないものの対等の関係で使っているように感じます。

では、お客様や上司には、どのように別れの挨拶をしたらよいでしょう。

「さようなら」は、2つのケースがあります。
自分が立ち去るケースと、相手が立ち去るケースです。

自分が立ち去るなら、「失礼します」「(お先に)失礼いたします」と言えます。

相手が立ち去る時、例えば、職場の上司が先に職場を離れる時はどうでしょうか。
「ご苦労様です」は、上からのものの言い方だと感じる人がいるので、避けたほうがよさそうです。

その代わりに使われるのが、「お疲れ様です」。これなら無難です。

「お疲れ様です」も上司に使うのはためらわれる、という場合は、感謝の言葉が助けてくれます。
「今日は、ありがとうございました」。そして、「お気をつけて」というひとことを、そっと添えてみましょう。

また、「今日も、ありがとうございました」と言うのもおすすめです。
「は」と「も」のたった一字の違いですが、声に出してみると、上司に対する感謝の気持ちが深まることを実感できるでしょう。

著者プロフィール

合田 敏行(ごうだ・としゆき)

一般財団法人NHK放送研修センター・日本語センター部長
1958年東京都出身。1980年、東京大学文学部国語国文学科国語学研究室を卒業。 NHKにアナウンサーとして入局。新潟、高松、仙台、大阪などで勤務。東京アナウンス室では、「ひるどき日本列島」「くらしの経済」「実践はなしことば」「アイデア対決ロボットコンテスト」などの番組を担当。長崎放送局長、放送文化研究所研究主幹などを経て、現職。 現在、NHK放送研修センター・日本語センターで、企業向けの研修などを担当。「敬語とマナー」「傾聴力」「プレゼンテーション」などをテーマに、社会人向けの研修を数多く実施している。(情報は刊行当時のものです)

書籍情報

表紙

タイトル:「超解」シリーズ 敬語の使い方が面白いほど身につく本
著者:合田 敏行
ページ数:160ページ 
価格:1,210円(10%税込) 
発行日:2017年4月11日
ISBN:978-4-86063-978-5
http://www.asa21.com/book/b285889.html

amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860639782/asapublcoltd-22/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/14781284/?l-id=search-c-item-text-01

目次

第1章 「これだけ」押さえておけば社会人
第2章 「できる」と思われる敬語の使い方
第3章 印象のよい敬語の使い方
第4章 ここまでできれば「敬語の達人」
巻末資料 実践に備えるための基礎&クイズ

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