PET検査用放射性医薬品フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」 製造販売承認取得のお知らせ
富士フイルムRIファーマ株式会社(本社:東京都中央区/社長:熊野 嘉郎、以下 富士フイルムRIファーマ)は、2017年2月15日、悪性腫瘍、虚血性心疾患及びてんかんの診断を目的としたPET※1検査用放射性医薬品「フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」」(一般名:フルデオキシグルコース(18F)注射液)の製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。
◆詳細はWebページをご覧下さい。
⇒ http://fri.fujifilm.co.jp/information/detail/170215.html?link=atp
「フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」」は、より柔軟に検査予定時刻を設定でき、また検査に必要な放射能を過不足なく適切に投与することが可能となるよう、製造時に1バイアル中の放射能を一定の範囲内で調整して提供する放射性医薬品です(「フレキシブルドーズ(TM)製剤」※2)。これにより臨床現場での利便性の向上や不要な被ばくの低減に貢献することが期待されます。今後、富士フイルムRIファーマは、本剤の発売に向けて準備を進めていきます。
富士フイルムRIファーマは、RI診断で培われてきた技術をもとに、主にSPECT※3検査領域で事業を展開してきました。さらに、PET検査用放射性医薬品領域の事業拡大に向けて、昨年5月に国際戦略総合特区の彩都西部地区(大阪府茨木市)と殿町地区(神奈川県川崎市)に研究開発拠点を新設するとともに、昨年12月には脳内のアミロイドβプラーク※4の可視化を目的とした、国内初の「フレキシブルドーズ(TM)製剤」となる「アミヴィッド(R)静注」※5の製造販売承認を取得しました。今後、幅広いニーズに応える放射性医薬品の研究開発・提供を通じて、さらなる医療の発展に寄与していきます。
※1 Positron Emission Tomographyの略。PET検査は、18F(フッ素)などポジトロン(陽電子)を放出する核種を化合物に標識した放射性医薬品をヒトに投与して断層撮影する検査で、各種疾病の機能診断に役立ちます。また、従来の核医学検査と比べて高い感度と空間分解能を有しており、より診断に適した機能画像が得られることから、各種疾病の診断、治療方針の決定や予後の判定などに大きな役割を果たします。
※2 放射性医薬品は、製造後の時間経過とともに放射能が減衰するため、製品が固定の濃度及び液量で製造されると、予め定められた時刻以降の投与は不可能になります。また、それより早い時刻に投与したい場合は、製品の一部を廃棄する必要性が生じ、取扱者が不要な被ばくをするリスク、又は取扱者が誤って全量を投与する過剰投与のリスクが生じます。「フレキシブルドーズ(TM)製剤」は、注文に応じて検査予定時刻に特定の放射能となるように、製造時の放射能濃度及び液量を一定の範囲で可変としたとすることでこの問題を解決することができます。
※3 Single Photon Emission Computed Tomographyの略。SPECT検査は、単一光子を放出する核種(例えば、99mTc、123Iなど)を化合物に標識した放射性医薬品をヒトに投与して断層撮影する検査で、PET検査同様、各種疾病の機能診断に役立ちます。
※4 アミロイドβプラーク(老人斑)は、アミロイドβが凝集(重合)したものが沈着してできるもので、神経細胞を傷害すると考えられています。一般に、アルツハイマー型認知症患者の脳では、アミロイドβプラークが同年齢の健康な人の5~10倍あるといわれています。
※5 アミヴィッドは Avid Radiopharmaceuticals, Inc. の登録商標です。