Insolar、カナダのHero Engineering社と共同で トランザクティブエナジーシステムのブロックチェーンをテスト

ニューヨーク州、ニューヨーク - Insolarは、カナダのHero Engineering社と提携し、エナジーシステムの回復力と効率の改善を目的としてブロックチェーンベースのプラットフォーム開発およびテストを実施することで合意しました。これに要する資金の一部は、カナダ天然資源省(NRCAN)からの連邦政府助成金によって賄われます。Insolarのブロックチェーンは、再生可能エネルギーの分散型電源、電気自動車、エネルギー貯蔵システム、およびスマートサーモスタットの普及促進に向けて設計されたトランザクティブスマートグリッドのプロトタイプに統合されます。トランザクティブエナジープラットフォーム(TEP)は、気候と経済にきわめて良好な影響をもたらす画期的な革新技術です。今回の提携では、TEPを実現するうえで分散型台帳システムの導入に具体的なメリットがあることが示されます。このプロジェクトの特に革新的な目標は、市全域の電気自動車と、電気自動車(EV)からのグリッド充電(V2G)をサポートする充電ステーションを統合することです。これは、世界最初のブロックチェーンをベースにしたV2Gブロックチェーンパイロットプロジェクトになります。

Insolar、カナダのHero Engineering社と提携

エネルギー環境は、気候変動に対応するための重要なイニシアチブや、システム全体の回復力、効率性、および持続可能性を高めるという緊急の必要性によって、急速に変化しています。世界の温室効果ガス排出量の25％以上は、不純物が含まれた石炭とディーゼルを燃料とする発電と発熱によるものです。それに加えて、米国だけを見ても、過去20年間で停電の発生回数は6倍に増え、経済的損失は200億米ドルを超えています。地方分権化と脱炭素化の取り組みにより、再生可能な分散型エネルギー資源と、電気自動車の導入が優先され、それによって新たに地域の電力市場が生まれ、電気を消費すると同時に生産もするエネルギーの「生産消費者」といった新たな利害関係者に対する支援も行われてきました。

これらすべてを実現するにはかなりの労力を要します。再生可能エネルギーの断続性は、電力網内で深刻な不安定状態を引き起こします。さらに、電力網事業者からの多額の設備投資は、分散ネットワークを監視・管理するための通信制御インフラストラクチャの拡張に向けられる必要があります。最後に、基盤となるシステムは、2020年までに業界での需要規模が1兆ドルになると見込まれるサイバー攻撃に対して安全性を担保することも求められます。

そのため、電力網全体の持続可能性を高めたエネルギー取引を行うために、すべての利害関係者をシームレスに結び付ける信頼性の高いプラットフォームが必要とされています。このプラットフォームは、すべてのエネルギー利害関係者の経済的目標を、エネルギーの回復力を高めるという世界的な目的と一致させる必要があります。

Insolarのブロックチェーンは、すべての利害関係者に透過的で拡張性が高く安全なプラットフォームとして、公平性を確保するために最適です。Insolarは自社プラットフォームを利用して、電力システム事業者と生産消費者の双方に等しく多大なメリットを提供する分散型でありながら回復力のあるマイクログリッド(小規模発電網)をサポートすることで、トランザクティブエナジーを成功に導く重要な役割を担います。

気候変動と闘い、取引価格を最適化することに加えて、Insolarが実現するトランザクティブエナジープラットフォームは、電力貯蔵と送電を改善することによって停電を防ぐことができるため電力系統はピーク時にも影響されません。

このプロジェクトは、民間企業、電力網事業会社、EV充電ステーションの所有者を含め、新たに設立されたブロックチェーンエネルギーコンソーシアムの一部を形成しています。

Insolarは、革新的なパブリックおよびプライベートブロックチェーンソリューションを構築しているグローバルテクノロジー企業です。そのブロックチェーンプラットフォームは、最も安全で、柔軟性と拡張性の高いビジネス向けブロックチェーン基盤です。

2019年3月、Insolarは20ノードで毎秒19,000トランザクションを超えるスループットを実現するテストネット1.1のサービスを開始しました。このプラットフォームはほぼ直線的に拡張可能であるため、世界で最もスケーラブルなエンタープライズブロックチェーンになりました。Insolarによりホスティングされるノードの参加者と共に、多くのブルーチップ企業や一流の学術研究機関などがInsolarネットワークに参加し、外部ノードを登録しました。多数のノード上で、このような高いスループットを提供することは、分散した参加者が多数存在するトランザクティブエナジープラットフォームにとって不可欠です。

提案されたシステムにはマルチエージェント、分散アプローチが採用され、消費生産者が電力のミスマッチを相殺するためのエネルギー取引などのサービスを互いに共有することができます。さらに、このプラットフォームは、生産消費者が電力系統でエネルギーやサービスを共有することを可能にし、電圧調整やデマンドレスポンス、スマート電気自動車の充電などの予備電力確保サービスを提供します。

Insolarは、分散型信頼モデルを使用して企業間のシームレスなやりとりを可能にし、新たな成長機会を切り開く、オープンソースのエンタープライズ級ブロックチェーンプラットフォームを構築する企業です。Insolarの第4世代アーキテクチャは、最高クラスのクラウド、ブロックチェーン、および分散型テクノロジーを融合しています。これにより、コスト効率を高め、新たな収益源を開拓し、ビジネスモデルの変革を推進します。このアーキテクチャは、セキュアかつスケーラブルで、相互運用が可能なうえ、手ごろな価格で簡単に導入することができます。このプラットフォームに加えて、Insolarは、フルサービスのブロックチェーンコンサルティングと製品開発を提供することで、企業の概念実証から本番稼働に至るプロセスを迅速化します。仮想通貨の開発更新頻度をランク付けしているCryptomisoによると、Insolarは開発活動において世界のブロックチェーンプロジェクトの中で第1位にランクされています。Insolarの開発組織における、北米およびヨーロッパに在住する60名以上のグローバルチームには、45名の専任エンジニア、主要機関(ヨーク大学、ETHチューリッヒ校、プリンストン)の10名の一流ブロックチェーン専門家が含まれています。また、創設チームはハイテク業界の連続起業家および企業のベテランで構成されています。詳細については、 https://www.insolar.io をご覧ください。

2015年に設立されたHero Engineeringは、スマートグリッド向けのソフトウェア開発を専門とするエンジニアリングコンサルティング企業です。そのミッションは「気候変動に戦いを挑む」ことであり、これまでにカナダと米国で20以上のスマートグリッドプロジェクトの設計、開発、そして提供に携わってきました。IoTフレームワークを使用したスマートインバータ、電気自動車用の分散制御、および通信システムの開発を専門としています。2018年、Hero Engineeringは、公益事業が運営するトランザクティブエナジーフレームワークのプロトタイプを開発するうえで、3つの連邦および州から補助金を授与されました。
http://www.heroeng.ca/

Insolar、トランザクティブエナジープラットフォーム(TEP)