浪曲師・京山幸枝若が重要無形文化財(人間国宝)に認定 独演会を8月10日(土) 東京・木馬亭で開催
寄席演芸会をプロデュースする有限会社宮岡博英事務所(所在地:神奈川県横須賀市、代表:宮岡 博英)は、浪曲師の京山幸枝若が2024年7月に人間国宝の認定を受けたことをお知らせいたします。人間国宝認定のご挨拶として、8月10日(土)に木馬亭(東京都台東区)で独演会を開催いたします。
※ 以下浪花節、浪曲を混ぜて使いますが意味は同じです。発祥が大阪故に「なにわぶし」、浪花の浪を生かして“浪曲”という呼称が始まったのはずっと後年のことです。(昭和に入ってからと言われております)
認定コメント
人間国宝認定 京山幸枝若からのメッセージ
この度の重要無形文化財(人間国宝)の認定に諸先輩、同業者への感謝とともに、御礼を申し上げます。これは浪花節そのものを認めて頂いたものと理解しております。そして日頃応援してくださるお客様にご報告する機会を早く設けたいと思っております。
師匠、大師匠、そのさらに上の師匠方や先輩方、これら芸の先祖が築いた浪花節という掛け替えのない演芸で身を立てられたことにも感謝しております。それだからこそ、伝統芸能を名乗るならば、安易に時代に媚びるばかりでなく、伝統が育んだ良い特徴を遺していくのも芸人の務めだと思っております。
浪花節を取り巻く環境は決して安閑とできるものではありません。自己の研鑽は当然のこと、後進の指導、そしてお客様を増やす努力に今後も粉骨砕身してまいります。
二代目京山幸枝若
二代目京山幸枝若略歴
昭和29年4月1日兵庫県姫路出身。名人、初代京山幸枝若が脇に作った子であった(いわゆる婚外子)が、その事情は伏せられて育った。
学生時代の半ばはフォークソングに熱中して浪曲には見向きもしなかったが、友人が持ってきた実父初代京山幸枝若のレコードを聞き感動してそれから浪曲の道を志した。
その後、初代幸枝若の実子であることを知らされ大きなショックを受けるが、昭和46年に先代京山幸枝若に17歳で入門(あづみパラダイスにて年季明けの披露をしたのが昭和48年)し京山福太郎を命名される。この頃は実母の京山みつゑが曲師を務めており厳しい指導でメキメキ腕を上げ、父譲りの美声も相まって若くして頭角を現す。
平成16年ついに二代目京山幸枝若を襲名。
膨大なレパートリーを初代から受け継ぐ。十八番ネタは『会津の小鉄』シリーズ、『左甚五郎』シリーズなど多数。侠客もの、武芸もの等、硬軟両面に冴えを見せる。
声の良さ、啖呵(会話部分)の良さ、節(地の部分)の良さと三拍子揃った名人。時に放たれる警句の切れ味も絶品。
オリジナルの演歌も発売多数。堅苦しいイメージの浪曲を、「わかりやすく」「面白く」をモットーに日々舞台に立つ。社団法人浪曲親友協会会長として若手の育成にも精力的に取り組み、浪曲の復興に力を注ぐ。
浪曲衰退の危機感から、大阪では2015年5月から「浪花ともあれ浪曲三人舞台(なにわともあれろうきょくざんまい)」と題して後輩の春野恵子、門弟の京山幸太との三人会を隔月開催。
2016年からは、浪曲の牙城、木馬亭(浅草)において、「京山幸枝若独演会」(制作:有限会社宮岡博英事務所)を年2回開催。毎回二席ずつ十八番を披露して大きな拍手を受けている。門弟の京山幸太も毎回前座として参加し、東京における修業の場ともなっている。
この独演会で2020年(令和2年)度第75回文化庁芸術祭大衆芸能部門で大賞を受賞。さらに2023年 第73回芸術選奨文部科学大臣賞受賞(大衆芸能部門)。
2021年11月にはデビュー50周年を記念して木馬亭において5日間連続の独演会『京山幸枝若フェスティヴァル』(制作:有限会社宮岡博英事務所)を開催。浪曲大看板の連続公演は極めて珍しく絶賛を博す。
2024年は古希を迎えて、4月には木馬亭、5月は国立文楽劇場(大阪)で、それぞれ2日連続の『古希記念京山幸枝若フェスティヴァル』を開催(制作:有限会社宮岡博英事務所)。初日は通常の独演会、2日目は浪曲河内音頭を特集し賞賛を浴びる。
後進の育成に最も熱心な一人である。その理由は、「昔の芸人というのは、芸は盗むもので教えるものではないという考えが強かった。それ故に習得には時間が掛かり過ぎた。今の時代にその方針でやっていたら、浪曲の衰退を食い止めることは出来ず、時間が足りない」
その成果は門人の京山幸太が2022年(令和4年)度第77回文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞を受賞したことにも表れている。
2006年 大阪府知事表彰「芸能文化功労賞」
2010年 公益社団法人浪曲親友協会会長
2016年 第51回大阪市市民表彰(文化功労部門)
2020年 第75回文化庁芸術祭大衆芸能部門大賞
2023年 第73回芸術選奨文部科学大臣賞受賞(大衆芸能部門)
2024年 重要無形文化財認定(人間国宝)
文責:有限会社宮岡博英事務所
幸枝若浪曲の魅力
浪曲とは、日本の三大話芸(講談、落語、浪曲)の一つ。しかし浪曲が他の2ジャンルと大きく違う点は、音楽要素が不可欠なことです。曲師と呼ばれる三味線が必須。物語を音楽に乗せて口演する、いわば浄瑠璃と同じ上演形式をとります。
そのために浪曲師は、「節」(地の部分。地とは演者自身が語り掛ける状況説明等叙述的な部分)と呼ばれる演者独自のメロディとリズムを持つ必要があります。
さらに登場人物の会話の部分=セリフ部分を「啖呵」と呼びますが、ここは正に芝居。演技力で観客を引き付けてこそ浪曲と言えます。
ところが昨今では音楽要素を無視し大声で怒鳴り上げ、演じる要素を蔑ろにした音痴浪曲も増えてきておりますが、そういう浪曲は本来の浪曲とは呼べません。
二代目京山幸枝若浪曲の魅力
二代目京山幸枝若(以後、幸枝若)の大師匠である初代京山幸枝が作ったブレッシングとフレージングの異様に長い“幸枝節”。これは幸枝が和歌山の海辺の出身で、若い時から海に潜って魚介を取って遊んでいたことで肺が鍛えられ、呼吸の長い独特の節が完成したと言われております。今も遺るSP盤でもその肺活量が確認できます。
その弟子の初代幸枝若(幸枝若の実父)は、幸枝のネタを受継ぎつつも、よりアップテンポで明るくリズミカルな幸枝若節を作り大成功を収めました。
それでも初代幸枝若はこの幸枝若節が現代に妥協しているという悩みを持っていたと言いますから芸の葛藤は奥深いし根深いものがあります。
幸枝若節の特徴として活舌の良さが挙げられます。単語と文脈の明快さは声の良さも手伝って聞きやすい浪曲の最高峰と言えます。
この幸枝若節を直接継承しているのが現幸枝若なのです。
音楽的要素が不可欠な浪曲では曲師の存在は極めて重要です。時にリズムパート、時にはメロディ、時には効果音を受け持つ融通無下な三味線を弾きこなさねばなりません。浪曲師とのイキが合わなければ成り立たないことは言うまでもありません。これで楽譜がないというのですから驚きです。近年では幸枝若の曲師は一風亭初月師匠が一貫して受け持っております。その献身的な三味線があってこそ幸枝若の浪曲が光ります。
二代目京山幸枝若浪曲の魅力(仕形の綺麗さ)
幸枝若の大きな武器に仕形(所作)の美しさが挙げられます。扇を開いた形や刀を構えた形の見事さ、指先の決まり方には惚れ惚れするばかりです。若き日に日本舞踊を学んだことが生きております。これらは音や映像では全てを確認することが難しいため、それだけに是非劇場に足を運んでいただきたいのです。着物の良さも素晴らしい!
芸を修めてこそ芸人。素養の多さが求められた時代に修業した幸枝若の大きな魅力です。
感謝!人間国宝 京山幸枝若独演会
2024年7月。浪曲師の京山幸枝若が人間国宝の認定を受けました。何よりも常日頃応援してくださるお客様のお陰です。改めて深く感謝申し上げます。
今回特筆すべきは、浪花節から初の認定という点です。これで浪花節も伝統芸能の一つとして確固たる地位を得たことになります。幸枝若は浪花節を代表して認定された訳で責任は重く、諸先輩、同業者への感謝は無論のこと。これからも身を引き締めて芸に取り組み、後進の育成に邁進いたします。
そのご挨拶かたがた、幸枝若が急遽東京にやってきます。お客様への感謝の印です。木馬亭の空きがあったのが8月10日。この日は奇しくも実父である先代幸枝若の誕生日でした。いつもの独演会の通り二席演じます。さらにお楽しみ企画をご用意しております。
そして歌舞伎俳優の市川笑三郎丈が特別出演します。日頃よく幸枝若の会にお越しいただいておりますので御声掛けしました。
2024年夏 有限会社宮岡博英事務所
京山幸枝若独演会 開催概要
開催日時 :2024年8月10日(土) 12:30開場 13:00開演
開催場所 :木馬亭(〒111-0032 東京都台東区浅草2-7-5)
アクセス :地下鉄銀座線・都営浅草線 浅草駅 徒歩8分
つくばエクスプレス 浅草駅 徒歩3分
料金 :前売3,800円(税込) 当日4,300円 全席自由
ご予約とお問合せ
有限会社宮岡博英事務所 http://hana-ni-awan.com/
Tel : 046-876-9227
email : hana-ni-awan@oct.email.ne.jp
チケットぴあPコード: 528-379
※チケットぴあのご購入者は入場が後回しになる場合があります。
会社概要
商号 : 有限会社宮岡博英事務所
代表者 : 代表取締役 宮岡 博英
所在地 : 〒238-0006 神奈川県横須賀市日の出町1-12-8A602
設立 : 2002年8月
事業内容: 演芸公演のプロデュース
資本金 : 300万円
URL : http://hana-ni-awan.com/