【名城大学】理工学部建築学科の寺西浩司教授が日本建築学会賞(論文)を受賞

本学理工学部建築学科の寺西浩司教授(建築材料・生産、コンクリート工学)が、一般社団法人日本建築学会が選考する「2023年日本建築学会賞(論文)」を受賞しました。1949年に設けられた同賞は建築界における研究者として最高峰の賞です。近年中に発表された研究論文で、学術の発展に寄与すると認められた優れた論文に贈られています。

寺西教授は「コンクリートの性能を合理的に制御するための調合設計法に関する一連の研究」と題した論文で受賞しました。寺西教授が前田建設工業の技術研究所時代に始め、2001年に助教授として名城大学に着任してから22年間にわたって取り組んできたコンクリート研究の集大成となる論文です。

寺西教授によると、コンクリートはセメントと水、砂、砂利を混ぜて製造しますが、どの材料をどんな比率で混ぜるかがコンクリートの性能をデザインするためにとても重要とのことです。とくに、固まる前の「フレッシュコンクリート」を打込み作業に適した軟らかさにすることや、硬化したコンクリートの「乾燥収縮」を制御してひび割れを防ぐことは大事なことですが、これらのことを理論的に調合に反映させることは難しく、経験豊富な技術者の勘やノウハウに頼りつつ、繰り返し試して調合しているのが現状だそうです。

日本建築学会賞を受賞した寺西教授
日本建築学会賞を受賞した寺西教授

「研究をきちんとできる環境を名城大学が与えていただいたからこそ」と寺西教授

寺西教授は研究で、「骨材」である砂や砂利の性質を事前に把握して調合することでコンクリートの性能を制御する「調合設計法」を新たに構築。受賞論文で基礎から応用まで系統的に取りまとめており、選考委員会からは「今後のコンクリート工学のさらなる発展に寄与することが期待できる」と評価されました。

「こつこつと長年取り組んできた研究が評価されて、大変光栄です」と寺西教授。「研究は苦労も多くありましたが、実験データを取りまとめる過程でそれらの中に潜んでいる普遍的な事実が浮かび上がってくるという体験はいつもワクワクして楽しいものです。そんな研究をきちんとできる環境を名城大学が与えていただいたからこそ、ここまで来ることができました」と感謝の言葉を述べました。


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