【名城大学】柔道五輪3連覇の野村忠宏・薬学部特任教授が今年度初めての講義
37年間の柔道人生を振り返り、示唆に富んだ多彩なアドバイスを送る
アトランタ、シドニー、アテネ五輪で史上初の柔道競技3連覇という偉業を成し遂げた本学薬学部の野村忠宏特任教授が5月17日、八事キャンパスで今年度初めての講義に臨みました。梅田孝教授が担当する1年次開講科目「健康・スポーツ科学理論」で、歩んできた自らの柔道人生のさまざまなエピソードを振り返りながら、学生生活を始めたばかりの1年生に示唆に富んだ多彩なアドバイスを送りました。
野村特任教授「目的や目標を持って取り組んだ時間は、絶対に無駄にならない」
野村特任教授は梅田教授が弘前大学大学院医学研究科社会医学講座在職時代に学位(医学博士)指導を行った教え子です。2022年4月の特任教授就任後は博士論文のテーマなどに関連して「運動と栄養」について講義をしてきましたが、今回はこの夏にパリ五輪を控えていることもあり、37年間に及ぶ柔道人生でそのときどきにどう判断し、どう自らのキャリアを作ってきたかを紹介することになりました。
2コマ合わせて約280人の学生を前に野村特任教授は、3歳で始めた柔道では、体が小さいこともあり中学、高校と目立った成績は残せなかったものの、「自分でトップを目指すと決めた柔道。今、弱いからあきらめるのではなく、未来の自分に期待して努力を続け、今日できることを精いっぱいやった」と振り返りました。そのうえで、学生たちに「夢や目標を持つことが大事。悔しい思いをすることもあるが、それをバネにチャレンジしてほしい」と強調しました。
大学1年では関西の大会にすら出場できなかった野村特任教授が、2年で全日本学生体重別選手権優勝、4年でアトランタ五輪金メダルへと飛躍を遂げたのは、ロサンゼルス五輪金メダリストの細川伸二さんの指導で練習に取り組む意識が変わるとともに、「やっと戦える体と技術が身についたから」と野村特任教授。「後に生きる努力は絶対にある。目的や目標を持って取り組んだ時間は無駄にならない」と力を込めました。
「目指したいこと、やりたいことを見つけ、それを大事にして」と野村特任教授
最後に、初めての国際大会出場となったアトランタ五輪では全く注目されておらず、出発前にはカメラマンに突き飛ばされて「絶対に金メダルを獲る!」と誓ったエピソードなどを紹介した後、アトランタ、シドニー、アテネで獲得した金メダル3個を学生たちに特別に披露。あらためて学生たちに「一度しかない人生。目指したいこと、やりたいことを見つけて、それを大事にしてください」と呼び掛けました。