日本オラクル、トロンへの取組みを始動
日本オラクル株式会社(代表取締役社長:新宅 正明、本社:千代田区紀尾井町4-1、以下日本オラクル)は、国産OSのTRON(以下、トロン)への取組みを始動することを発表します。ユビキタス・コンピューティング環境の情報基盤となる超小型版データベースの「T-Engine」対応版「Oracle Lite for T-Engine」を日本オラクルが開発し、12月11日〜12月13日の3日間、東京国際フォーラムにて開催される「TRONSHOW 2004」に出展します。
ユビキタス・コンピューティング社会とは、情報家電やデジタル家電がネットワークで接続され、規模の大小はありますが「生活空間のどこにでもコンピュータが存在する環境」のことを意味します。その環境の実現には、組み込み用OSであるトロンの搭載を欠かすことができず、すでに携帯電話などの携帯端末、自動車や家電などにおいて幅広く利用されています。「T-Engine」はトロンを基盤にした開発・実行環境であり、トロンの普及に付随して今後活用範囲の拡大が予測されています。このような動向の中、日本オラクルでは携帯端末だけでなく自動車、家電などにおいてもデータベースが搭載されることを見込み、トロンへの取組みを本格化します。まずは、日本オラクルがWindowsおよびPocket PC向けに提供してきた超小型版データベース「Oracle Lite」を「T-Engine」に対応し、「Oracle Lite for T-Engine」として「TRONSHOW 2004」に出展します。
「Oracle Lite for T-Engine」は、「T-Engine」をベースとした携帯端末や家電機器内にデータベース機能を搭載するだけでなく、データベースサーバーとの連携も可能にします。データベースの最新のデータを携帯端末に切り離して持ち出したり、自動販売機などの組み込み機器で収集したデータを再度データベースに登録することができます。日本オラクルでは、今後「Oracle Lite for T-Engine」の製品化を目指すだけでなく、すでに提供を開始している、無線ICタグソリューションや位置情報サービス、モバイルソリューションなどとも絡め、ユビキタス・コンピューティングの実現に向けて力をいれてまいります。
●「TRONSHOW2004」概要
開催日程:2003年12月11日(木)〜13日(土)
会場:東京国際フォーラム ホールB7
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-5-1
JR・地下鉄有楽町駅より徒歩1分/JR東京駅より徒歩5分
入場料:入場料1000円 (事前登録により無料)
詳細:トロンプロジェクトの活動を多くの人々に知らしめるために、毎年トロンプロジェクトシンポジウムを開催しています。本年度も第20回トロンプロジェクトシンポジウムを開催いたします。今年のシンポジウムでは特に「T-EngineとユビキタスID」をメインテーマに取り上げ、ユビキタス・コンピューティング環境の構築に最適な様々なTRONを紹介いたします。また、コンピュータによる身体障害者サポートを考える恒例のイネーブルウェアシンポジウム「TEPS2004」も併せて開催いたします。
■本件に関する報道関係お問合せ
日本オラクル株式会社 マーケティング本部
コーポレート・コミュニケーションズグループ 広報 石川
TEL:03−5213−6395 FAX:03−5213−6990
e-mail:junko.ishikawa@oracle.com
プレスルーム URL:http://www.oracle.co.jp/press/
◆「Oracle Lite」について
Oracle Liteは、Pocket PCやノートパソコンなどに最適化された小型版のOracleデータベースを中心としたモバイルソリューションのための統合フレームワークです。
Oracleサーバーとの双方向の同期機能やオフライン・アプリケーションの開発環境と配布環境などにより、既存の業務システムとシームレスに連携するモバイル・システムを容易に構築することができます。
◆「TRON (トロン)」について
あらゆるものにコンピュータが入りネットワークでつながれるユビキタス・コンピューティング環境の構築を目指した、 オープンなリアルタイムシステム標準開発環境を提供するため、TRONプロジェクトでは、 T-Engine(ティー・エンジン)プロジェクトを発足させました。 T-Engineは携帯情報機器やネットワーク接続型の家電機器などを効率良く短期間で開発するのに最適な開発環境を提供します。 T-EngineはeTRONと呼ばれるTRONプロジェクトのネットワークセキュリティアーキテクチャに対応し、 セキュリティの完全でないインターネットなどのネットワークを経由しても盗聴、改竄、 なりすましを防御して安全に目的の相手に電子情報を送る機構を備えています。効率のよい開発をサポートするために、規格化されたハードウェア(T-Engineボード)、 標準リアルタイムOS (T-Kernel)を定め、ミドルウェアを流通させることに特に力を入れています。 また、T-Engineは半導体メーカー、ハードウェアメーカー、ソフトウェアメーカー、 システムメーカーの縦方向の連携を円滑にし、相互のビジネスを活発化し、 開発期間や開発コストの低減により付加価値の高い製品を短期間で提供することができます。T-Engineは高度な半導体技術や実装技術、ソフトウェア技術を採用しており、他に追随を許さない先進的な応用製品の開発を行うことができます。
http://www.t-engine.org/
◆「T-Engine」について
組み込み機器のソフトウェア開発環境は、これまで標準化の遅れていた分野であり、ミドルウェアやドライバ等のソフトウェア部品の流通がスムーズではないという問題もありました。ユビキタス・コンピューティング環境を実現するには、ソフトウェア開発の効率化が重要な条件になっています。このような状況に対して、ハードウェアや開発環境まで含めた組み込み機器の開発プラットフォームの標準化を行い、ソフトウェア部品の流通促進や移植性向上を目指して開始されたのが「T-Engine(ティーエンジン)」プロジェクトです。本プロジェクトの推進母体として、日本の主要な半導体メーカー、ソフトウェアメーカー、組み込み機器メーカー、家電メーカーなどが多数参加する「T-Engineフォーラム」が結成されており、T-Engineアーキテクチャの研究開発および標準化活動を行っています。T-Engineプロジェクトの詳細およびT-Engineフォーラムに関しては、http://www.t-engine.org/。をご覧ください