アジア各国のホワイトカラーの中途採用時給与、 2018年に引き続き2019年も高い上昇が継続

~アジア8ヵ国の中途採用時 給与水準調査を公開~

[2020年5月13日 東京]
人材紹介事業を展開する業界大手の株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント(代表取締役社長:松園 健、本社:東京都千代田区)は、この度、アジア8ヵ国(シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、中国・香港、韓国、インド)の中途採用時給与水準調査を公開しました。2018年と同様に、アジア各国において2018年と2019年度比でおよそ9%増となり、同方式で調査を開始した2014年以来5年連続で上昇が続いています。

特に高い上昇を見せたのは、マレーシアとベトナムの2職種です。マレーシアでは豊富な英語人材を背景に世界のビジネスプロセスアウトソーシング業(ホワイトカラー業務の外部委託)や、シェアードサービスセンター(多国籍企業の世界のバックオフィス業務の集中処理センター)の集中が進んでいることを背景に、日本語や他の言語の人材も含め、幅広く関連の人材が求められていることが継続していることから、高い給与の上昇が続きました。

また、ベトナムでは近年の現地での小売・消費財関連のマーケットの急速な拡大に伴い、コンシューマーグッズ系の現地資本系企業の幹部の給与が大きく上昇しました。また、韓国では文政権による近年の最低賃金の急速な上昇を自社の賃金テーブル(賃金表)に反映させる企業が増加し、下記の表に現れている以上に、特にジュニア(若手想定)ポジションの平均的な年収の下限値が大きく上昇するなどの特徴がありました。

【アジア】 給与の大きな変化が見られた領域の職種(例)

マレーシア

領域        :シェアードサービスセンター業界 - スーパーバイザー -
           日本語スピーカー
2018年調査     :95-120千リンギ
2019年調査     :120-180千リンギ
増減率(上下限中間値):+40%

ベトナム

領域        :コンシューマーグッズ業界 - 部長級(非営業) -
           現地資本系 - 英語スピーカー
2018年調査     :24-29千米ドル
2019年調査     :34-46千米ドル
増減率(上下限中間値):+51%

韓国

領域        :コンシューマーグッズ業界 - 営業職 - 日系 -
           日本語スピーカー
2018年調査     :2,500-4,500万ウォン
2019年調査     :2,800-4,700万ウォン
増減率(上下限中間値):+7%

※プレスリリース内の各表のデータは全て年収です。

なお、以前からアジアの日系企業と、現地系および欧米系の外資系企業との給与差は開いたままの状態が続いており、現地でも日系企業の給与が低い認識が定着している国もあることから、優秀な人材の採用や定着に難航している日系企業も少なくありません。日系企業の中には、給与以外の制度・運用を手厚くすることで会社の魅力度を上げる取り組みを行う動きもあります。そのような給与以外の施策も有効ではあるものの、転職や就職を判断する際には給与差が非常に大きい場合は転職希望者に最初から転職先企業としての候補にも選ばれないため、特に外部から人材を採用する際は給与以外の魅力付けを行っても、その効果は限定的です。そのため、特に積極的な採用に臨むには、給与面と非給与面の両方の改善施策を並行して取り組むことが求められます。

JAC Recruitmentは1975年にイギリスで初となる日系人材紹介会社として設立以来、日系企業の海外進出支援を開始。日本では1988年に設立以降、日本と海外で成長を目指す日系企業の支援を積極的に行っています。当社は人材紹介をはじめとする様々な支援を通じて日系企業の成長をサポートすることで、日本経済の活性化に貢献してまいります。

当給与調査「The Salary Analysis in Asia 2020」は、以下URLをご参照ください。
https://corp.jac-recruitment.jp/sa/
(当プレスリリース時は日本を除くアジア各国の情報のみ掲載しています。日本国内の給与調査の情報は6月に公開予定です。)

ジェイ エイ シー リクルートメント

プリンシパルアナリスト(The Salary Analysis in Asia監修)黒澤敏浩のコメント

ジェイエイシーリクルートメント プリンシパルアナリスト 黒澤敏浩

30年近くほぼ横ばいの状態が続く日本とは状況が異なり、アジア各国では物価や最低賃金の上昇、高いGDP成長が続くなど、一定の給与上昇はコンスタントに続いており、日本と異なり高い昇給が通常の慣習となっています。欧米系外資系企業、また近年は現地資本系企業との採用競争に勝つためには、金銭的報酬と非金銭的報酬の双方の面で改善を続けていくことが重要です。

■「The Salary Analysis in Asia 2020(アジア主要8ヵ国の中途採用時給与レポート 2020年度版)」について
ジェイ エイ シー リクルートメント(日本)が8ヵ国のグループ会社(シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、中国・香港、韓国、インド)と共同で、各現地法人の採用動向に基づき当調査を実施。主に人材紹介サービスを利用している企業の中途採用求人を対象として、その給与水準を資本(日系、外資系、現地系)、業界、職種ごとに区分し、コンサルタントの知見を加味しています。なお、アジア各国現地の日系企業現地法人、外資系企業現地法人の給与動向を比較して発表しているのは、当社の給与ガイドのみとなります。 調査時期:2019年7月~9月

株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント

1988年設立。人材紹介専業の東証一部上場企業であり、人材と企業を一人のコンサルタントが同時に担当する「両面型」スタイルの人材紹介会社としては国内最大の規模です。国際ビジネス経験をもつ人材の紹介を強みとしており、外資系企業、日系企業の海外事業を中心とするグローバル領域の売上が全体の50%以上を占めています。海外における人材採用については、英国、ドイツおよびアジア8ヵ国のJAC Recruitment Groupのネットワークでサポートしています。
より詳しい情報は、以下ホームページをご参照ください。

[URL]
http://corp.jac-recruitment.jp (コーポレートサイト)
http://www.jac-recruitment.jp (転職サイト)

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