~FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症患者さんを支える~ 「くるこつ広場」に新たなコンテンツを公開
協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、希少疾患であるFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症※に関する情報を提供する自社Webサイト「くるこつ広場」に2つのメインコンテンツを追加しましたのでお知らせします。
URL: https://www.kurukotsu.com/
追加コンテンツの概要
1.患者さんの体験談
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に含まれる疾患であるX染色体連鎖性低リン血症(XLH)および腫瘍性骨軟化症(TIO)の患者さんやご家族の方々のご協力のもと、病気に気づいた経緯、適切な診断・治療に辿り着くまでの道のりなど、当事者の方々の「病気とのあゆみ(ペイシェントジャーニー)」をインタビュー形式の体験談として掲載しました。今後も継続的に追加していきます。
2.くるこつ電話相談室
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に関するお悩みや気になる点を相談できる電話相談室を開設しました。電話相談を専門とする医療資格保有者(看護師、保健師)に無料でご相談いただけます。
電話番号:0120-56-9652(相談無料、受付時間:月~金 9:00-18:00(土・日・祝日・12/31-1/3は除く))
この度のコンテンツ追加について、監修医の伊東 伸朗先生(東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科)は以下のように述べています。
「XLHやTIOは、現在では適切な診断法や治療法が確立されているものの、依然として病気の認知度が低く、特にTIOの患者さんでは診断までに長期を要する方が多いのが現状です。体験談を語ってくださった方の中には、正確なTIOの診断を得られるまでに7年かかった患者さんがおられました。今回新たに患者さんの肉声である体験談が掲載されることで、ご覧になった方がご自身の疾患に気づき、「くるこつ広場」を通じて習熟した医師と出会い、生活の質を早期に取り戻されるきっかけとなることを期待しております。」
血中リン濃度を調整するホルモンであるFGF23(線維芽細胞増殖因子23)が同定されたのは2000年、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の診断マニュアルが公表されたのは2015年と、この疾患に対する治療の歴史は浅く、医療関係者においても認知度は未だ高くない状況です。そのため、くるこつ広場では、2020年の開設当初から、患者さんやご家族が、よりスムーズに信頼できる医療機関を見つけることができるよう、この疾患に対する診療経験を有する医師が在籍する医療機関を紹介するコーナー「相談できる医療機関の検索」を設けています。また、XLHと診断された患者さんでは、O脚・X脚、成長障害、成人期以降では骨折や偽骨折、骨痛などの症状のほか、歯に関する症状も存在します。治療継続に関する記事や、生涯にわたって歯をどのように保っていけばよいのか、XLHと歯の関係や症状に関して、歯科医による解説記事も掲載しています。
協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。
※ 「くるこつ広場」について
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症は希少疾患で、2022年7月現在、日本では当該疾患の患者団体がなく、患者さんやそのご家族は疾患に関する情報を得にくい状況です。「くるこつ広場」では、患者さんやそのご家族を対象に、くる病・骨軟化症の原因、症状、診断法などの基本情報を紹介した上で、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症について、より詳しく解説しています。また、医療費助成制度についても、図表などを用いて、よりわかりやすい形で掲載しています。
※ FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症は、指定難病の「ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症」(指定難病238)および小児慢性特定疾患の「原発性低リン血症性くる病」と「ビタミンD抵抗性骨軟化症」に対応する疾患で、FGF23作用過剰による腎近位尿細管リン再吸収障害に起因する、くる病・骨軟化症の総称です。この疾患は、先天性のX染色体連鎖性低リン血症(XLH)、後天性の腫瘍性骨軟化症(TIO)等が含まれます。これらの疾患は、FGF23が過剰となることで、体内のリンが尿中に過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・代謝に障害をきたす希少な疾患です。
FGF23作用過剰の原因は、XLHにおけるPHEX(phosphate-regulating gene with homologies to endopeptidases on the X chromosome)遺伝子や、常染色体優性低リン血症性くる病・骨軟化症(ADHR)におけるFGF23 遺伝子などの変異による、FGF23の過剰産生であると報告されています。また、遺伝子変異以外にも、腫瘍性骨軟化症(TIO)では主として間葉系腫瘍による FGF23の過剰産生が原因として知られています。