脱炭素社会へ。布アップサイクル新素材・NUNOUS(ニューノス) 　プロジェクト参加パートナー企業も募集、ブランドサイトを1月21日リニューアルオープン

規格外品の布が1年間に廃棄される量は東京ドーム192個分、長さは地球半周分にも

2021-01-21 10:15

染色加工事業を営む創業140年を超えるセイショク株式会社(本社：岡山県倉敷市　代表取締役社長：姫井明)は、脱炭素社会の実現に向け、布由来アップサイクル素材　NUNOUS(ニューノス)のブランドサイトを2021年1月21日(木)にリニューアルオープンいたします。また同時に、パートナー企業とともにロス・ファブリック(廃棄される資源としての規格外の布)を活用する「ANOTHER NUNOUS PROJECT」を立ち上げます。NUNOUSは日本国内だけでも年間900万平方メートルとされる、規格外品の布を原料にした新素材です。ANOTHER NUNOUS PROJECTでは、賛同し協業いただけるコラボレーション企業を募集致します。協業する事で、自社以外で発生しているロス・ファブリックを見える化。2030年までに30％削減する事を目指します。
NUNOUS - A new life for waste - https://nunous.jp

繊維産業の環境課題を解決

世界的に見ると繊維産業は拡大し続けており、日本国内の年間の生地生産数量でさえ約18億平方メートル(※出典1)にものぼります。日本の繊維製品の品質基準は非常に高品質ですが、その反面、基準に満たない「規格外品」が存在します。目に見えない「規格外品」は日本国内だけでも約900万平方メートル以上(45cm幅の道にすると地球半周分、東京ドームで192個分)と推定されます。その規格外品の布を全て燃やすと年間192万トンものCO2が発生することになります。

※出典1　経済産業省のデータ［平成30年経済産業省生産動態統計年報繊維・生活用品統計編］
出典1のデータと当社実績値から推測した数値です。

明日を支える布素材「NUNOUS」の機能・特徴

NUNOUSは、「規格外の布」を原料としながら、「布を超えた機能性」と「布らしい質感」を両立させたアップサイクル素材です。粉砕や分別を行わずに再生が可能なため、布の質感を残した高級感のあるテクスチャーを実現しています。大理石や抽象画を思わせる美しい表情を持ち、建築用の壁面装飾、インテリア、家具、財布やバッグなどのファッションアイテムに用いることができます。多分野での応用が可能で、広く繊維産業の持続可能性に寄与します。現在は自社の規格外品を素材にしていますが、他社や他産地で発生する異素材のロス・ファブリックも原料にすることが可能です。

NUNOUS開発の背景と思い

1880年の創業以来、当社は一貫して繊維業を営んでいます。昨年には創業140年を迎えました。これからのあるべき姿を見据え、繊維産業の抱える環境問題の解決に取り組みたいと考えました。世界的にも繊維産業は拡大産業で、繊維産業が排出するCO2は年間12億トンに上ります。布は、誰しもが関わる非常に身近な素材です。もはや繊維業界だけでなく、服を着る人・世界の共通課題と言えます。しかしながら布の規格外品は技術的なリサイクルの難しさと、価値化が困難であるという社会的背景から、アップサイクルが進んでいません。そこで、まずは自社の規格外品を原料に2013年から7年以上にわたり素材開発を行い、規格外品の布を活用する道を模索してきました。しかしこの大きな問題は当社やファッション産業だけでの解決は難しく、消費者と他分野の企業との協業を実現する仕組みや技術が必要です。自社の素材を活用するだけでなく、新たに「ANOTHER NUNOUS PROJECT」を立ち上げ、多くのパートナー企業と共に脱炭素社会により大きな貢献をすべく、ブランド名を「NUNOUS」に改め、HPをリニューアルオープンしました。

「ANOTHER NUNOUS PROJECT」

自社の布をNUNOUSにアップサイクルして、自社製品に再生されるパートナー様を募集しています。
1：自社素材をご提供いただき、製品または素材を納品ご希望の企業様
2：オリジナルの素材、製品をご希望の企業様
NUNOUS事業部　西崎 nunous@seishoku.co.jp までご相談ください。
※素材によっては研究開発が必要な場合もございます。